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鈴木琉胤(すずき・るい)、サッカー少年から陸上界で高校日本一の異色の経歴 花田監督が惚れ込んだ逸材で「負けん気の強さ」が持ち味の19歳

鈴木琉胤(すずき・るい)、サッカー少年から陸上界で高校日本一の異色の経歴 花田監督が惚れ込んだ逸材で「負けん気の強さ」が持ち味の19歳

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早稲田大学の鈴木琉胤(るい)選手は、中学時代にサッカー部に所属しながら陸上の全国大会で優勝した異色の経歴を持つ。高校で陸上に専念し、数々の記録を樹立。早大・花田監督に「何十年に一人の逸材」と評される19歳は、2026年の箱根駅伝4区で快走を見せた。LA五輪出場と日本人未到の記録更新を公言する、次代を担うランナーである。

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箱根路に新星、早大・鈴木琉胤が快走 異色の経歴持つ19歳、サッカー少年から陸上界の頂点へ

2026年1月2日、第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の往路。4位でタスキを受けた早稲田大学の1年生、鈴木琉胤(るい、19)が力強い走りで順位を2位に押し上げた。スーパールーキーと称される彼の原点は、陸上ではなくサッカーにあった。中学時代まで本格的に打ち込んだサッカーで培った心肺機能と負けん気の強さを武器に、陸上の世界でも頂点を目指す。その異色のキャリアと、指導者たちが口を揃えて絶賛する才能、そして彼自身が描く壮大な未来像に迫る。

原点はサッカー、「心臓が2個ある」と言われた少年時代

鈴木選手の走りのルーツは、幼少期から始めたサッカーにある。千葉県松戸市で育ち、地元のサッカークラブに所属。当時から「サッカーで勝つために走ろう」と父親と共に毎朝のジョギングを日課としていた。その走力はチームでも際立っており、「僕だけ心臓が2個あるとよく言われていたほど。最後まで全力でピッチを走り続けることが強みだった」と本人が語るように、無尽蔵のスタミナが彼の代名詞であった。

松戸市立小金北中学校に進学後もサッカー部での活動を続けたが、ここで転機が訪れる。同校陸上部顧問の岡崎崇典氏にその才能を見出され、「陸上の大会に出ないか」と声をかけられたのだ。サッカー部顧問の中村柾氏の理解もあり、サッカーを優先しながら陸上の大会にも出場する「二刀流」の挑戦が始まった。すると、中学3年時には「全日本中学校陸上競技選手権大会」男子3000メートルで優勝。サッカー部に所属する選手が全国の頂点に立つという快挙を成し遂げ、一躍注目を集める存在となった。

「天才」と評される才能とクレバーさ 挫折を乗り越え、高校で陸上に専念

中学卒業後、複数の陸上強豪校から誘いを受ける中、鈴木選手は千葉県の八千代松陰高校へ進学し、陸上競技に専念する道を選んだ。この決断が、彼の才能をさらに開花させることになる。

高校で陸上一本化、1年時から全国で頭角

高校1年時からその実力は際立っていた。全国高校駅伝では4区を任され、同校40年ぶりの表彰台となる3位入賞に大きく貢献。しかし、順風満帆なだけではなかった。2年生の時には仙骨の疲労骨折に見舞われ、長期間走れないという挫折を経験する。この苦しい時期を、彼は仲間たちの支えで乗り越えたと語っている。

この経験を経て精神的にも成長した鈴木選手は、最終学年で圧巻の走りを見せる。2024年のインターハイ5000mでは、留学生に次ぐ日本人トップの2位に入り、13分39秒85を記録。冬の全国高校駅伝では、エースが集う1区で区間賞を獲得した。さらに高校卒業直前の2025年3月、オーストラリアの大会に挑戦。5000mで13分25秒59という、当時の高校歴代2位、U20日本歴代3位となる驚異的なタイムを叩き出し、そのポテンシャルの高さを世界に示した。

指導者が見る「クレバーさ」と「逸材」たる所以

彼の才能は、多くの指導者から高く評価されている。早稲田大学の駅伝監督である花田勝彦氏は、鈴木選手を「すごく天才的な選手。何十年に一人の逸材だと思う」と最大級の賛辞を送り、かつての早稲田のエース・渡辺康幸氏(現・住友電工監督)を引き合いに出し、そのクレバーさを称賛する。

「自分が現役の時でいったら渡辺康幸君もそんな感じでしたけど、自分の身の丈を知っているというか、自分がどういうことをすれば今日はどれぐらいで走れるか、その辺をちゃんとわかっている。狙った試合は絶対に外さない、すごくクレバーな選手ですね」花田勝彦駅伝監督 (出典: web Sportiva)

この「クレバーさ」は、高校時代の恩師である八千代松陰高校の大橋一博監督も指摘している点だ。「自分の体調の良し悪しを俯瞰で見ることができる能力が非常に高い」と述べ、試合に応じて力をコントロールできる冷静さを評価している。早稲田大学OBでマラソン界のレジェンドである瀬古利彦氏も「早稲田に久々に現れた逸材ですよ」と太鼓判を押しており、その才能に疑いの余地はない。

名門・早稲田で描く未来図 「日本人未到の記録」と「LA五輪」への挑戦

数々の実績を引っ提げ、2025年4月に早稲田大学スポーツ科学部に入学。伝統の臙脂(えんじ)のユニフォームに袖を通した鈴木選手は、新たなステージでも臆することなく、自らのスタイルを貫いている。

「個を見る」指導方針への共感と大学での快走

早稲田大学を選んだ理由の一つに、花田監督の指導方針があった。「個をすごく見てくれて、人数が少ないからこそ個に点を置いたチームだと思った」と語るように、自身の将来設計とチームの方針が合致した。

その期待に応えるように、大学デビュー戦となった日本学生個人選手権5000mでは、強風の中で序盤からレースを引っ張る積極的な走りを見せ2位入賞。この結果、ワールドユニバーシティゲームズの代表にも内定した(その後、足の痛みの影響で欠場)。秋の駅伝シーズンでは、出雲駅伝3区で区間5位、全日本大学駅伝では2区で区間4位と、いずれも早稲田大学記録を更新する走りでチームに貢献している。

箱根駅伝デビューと見せた存在感

そして迎えた初の箱根駅伝。「(1区間が)20キロなので、怖さがすごく大きい」と大舞台への率直な思いを明かしつつも、「出るからには前の選手を追っていって、優勝を狙えるような場所で後の選手に渡したい」と力強く語っていた。その言葉通り、任された4区で前を追う快走を見せ、チームを2位に浮上させる活躍。1年生ながら名門校の主力として、その存在感を十二分に示した。

目標は「5000m12分台、10000m26分台」

彼の視線は、箱根の先、そして世界の舞台へと向けられている。大学4年時に開催される2028年ロサンゼルスオリンピック出場を最大の目標に掲げる。

「4年目にちょうどロサンゼルスオリンピックがあって、そこに出場して海外の選手と戦いたいというのが大きな目標。その前段階として12分台(5000m)や26分台(10000m)など日本人が出していないところを目標にしていきたい」鈴木琉胤選手 (出典: Yahoo!ニュース)

5000m12分台、10000m26分台は、いずれも日本人選手が到達したことのない未知の領域である。花田監督も「大学1、2年の間はじっくりと力を蓄える」という本人の意向を尊重し、長期的な視点で育成する方針を示している。焦らず、しかし確実に、前人未到の記録と世界の舞台を目指す計画だ。

出会いに感謝し、道を切り拓く 「世代の旗手」が目指す高み

鈴木選手は自身の強みについて「勝つことに徹する気持ちと、自分でレースを作って勝ち切るスタイル」と自己分析する。その勝ち気な性格の一方で、周囲への感謝を忘れない謙虚さも持ち合わせている。「これまで自分が支えてもらった指導者と仲間の誰か一人でも欠けていたら、今の自分はいません」と語り、出会いの大切さを強調する。

サッカーで培った身体能力、中学時代の恩師との出会い、高校時代の仲間との切磋琢磨、そして大学での新たな挑戦。数々の経験と人との縁を力に変え、鈴木琉胤は自らの道を切り拓いてきた。その走りは、単に速いだけでなく、見る者に未来への期待を抱かせる。箱根路に確かな足跡を刻んだ19歳は、日本の長距離界の歴史を塗り替える存在になるかもしれない。その挑戦は、まだ始まったばかりである。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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