堺雅人、17年ぶり舞台『スリーゴースト』がPARCO劇場で初日 あらすじと共演者

※この記事には、商品・サービスの広告リンクが含まれています。
時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
堺雅人(52)が主演する舞台『スリーゴースト』が10月7日、東京・渋谷のPARCO劇場で初日を迎えた。前日の6日にはプレビュー公演があった。堺の舞台出演は2009年の劇団☆新感線『蛮幽鬼』以来17年ぶり。英国の劇作家サイモン・スティーヴンスの書き下ろしで、演出はショーン・ホームズ、共演は倉科カナ、高畑淳子、段田安則ら7人だ。東京公演は10月27日まで続き、12月13日の福岡まで5都市を回る。
↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓
10月7日に初日、6日のプレビューを経て開幕
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』は、10月6日のプレビュー公演を経て、7日に初日を迎えた。同じ7日には劇場で初日前会見があり、堺と共演の7人、作のスティーヴンス、演出のホームズが登壇している。
堺は会見の冒頭、稽古初日から「緊張と意気込み」はあまり変わっていないと明かした。一つひとつのシーンを積み重ねた先が初日だったという。約1カ月の稽古期間を「夢のような日々でした」と表し、「毎日が演劇学校みたいでした」とも語っている。次の仕事、その次の仕事で必ず思い出すことがたくさんあるはずだと続け、学びの多い稽古場だった様子を伝えた。
初日にそれほど緊張していないのは、毎日緊張していたからだと気づいたという。稽古で何かが起きるとホームズが演出を変え、キャストがすぐに反応して芝居が別物になる。それを見たホームズがまた変える。この作業が「本当に毎日毎日」続いたため、どの時点でも見せられる芝居ができ、共演者も毎回本番並みの質で演じていたと振り返った。堺は稽古で学んだこととして、「言葉を信じて、物語を信じて、そこに立ち続ける」ことの力を挙げた。
最後は観客への呼びかけだった。「初めての作品なので、見方のマニュアルがまだない」。喜劇とも悲劇とも言い切れない、これから名前がつく芝居だと説明し、前日のプレビューでは観客が入ったことで芝居が大きく変わったと明かす。「一緒に世界で初めて生まれるものを楽しんでください」と結んだ。
夢を記録する機械「リープマインド」をめぐるあらすじ
舞台は数年後の世界。人が見る夢をデジタル化して再現する機器「リープマインド」の宣伝契約を勝ち取ろうと、広告マンのジョー(堺雅人)が取締役会でのプレゼンテーションに臨む。ジョーはこの機械の可能性に強い情熱を抱き、妻のハナ(倉科カナ)との生活も顧みずに他社との競争に身を削っていた。
ジョーはハナの姉・ミカ(伊勢佳世)に癒やしを求める。だが2人の関係には取り返しのつかない亀裂が走り、様子のおかしいミカを案じたハナがジョーを問いただしても、納得のいく答えは返ってこない。事情を察したミカとハナの父・ケン(段田安則)は、ハナをジョーから引き離そうと動く。
ジョーの家族にも影がある。母のマリ(高畑淳子)は、若くして自ら命を絶った姉のニコを救えなかったと自分を責め続ける息子に、複雑な思いを拭えずにいた。ミカが姿を消した後、ジョーは念願の案件を手にするものの、その成功は空虚なものだった。
転機は友人の眼科医・ユーゴ(迫田孝也)の診察室で訪れる。ジョーに思いがけない診断が下るのだ。孤独の中で新しい助手のサラ(sara)を迎えて仕事を続けるジョーだが、サラはハナの教え子ダン(小日向星一)とともに、ある疑いを抱いて近づいていた。
公式サイトのあらすじは、一人目は「警告」、二人目は「試練」と、3人のゴーストを予告する一文で始まる。三人目が何かは伏せられたままだ。スティーヴンスは開幕に寄せたコメントで、本作を「ゴースト・ストーリーであり、SFでもあります」と説明し、近未来で新しい技術を売る広告マンの人生が崩れていく物語だと紹介した。
作・演出は英国の2人、PARCO劇場と6年がかりの新作
作のサイモン・スティーヴンスは、英国演劇界を代表する劇作家だ。脚色を手がけた『夜中に犬に起こった奇妙な事件』は2015年のトニー賞で最優秀演劇賞を受けている。PARCO劇場とは2020年の『FORTUNE』で組んだ縁があり、その際にパルコが新作を依頼してから6年がかりで本作が完成した。
制作の道のりは長い。コロナ禍のオンライン会議に始まり、2023年に第一稿を基に来日しての打ち合わせ、2024年にロンドンで英語台本のワークショップ、2025年に東京で日本語台本のワークショップと段階を踏んだ。日本人俳優による日本語上演を前提に書かれた作品で、世界初演がこの東京公演になる。翻訳は広田敦郎、美術・衣裳はジョン・ボウサーが務める。
演出のショーン・ホームズは、スティーヴンスの作品を何作も手がけてきた英国の演出家だ。日本では2020年の『FORTUNE』でデビューし、2022年の『セールスマンの死』で主演の段田を第30回読売演劇大賞の最優秀男優賞に導いた。2023年の『桜の園』、2024年の『リア王』と続き、本作でPARCO PRODUCE作品の演出は5作目になる。段田とは『セールスマンの死』『リア王』に続く3度目のタッグだ。
高畑淳子は「3回か4回目」の母親役、迫田孝也はVIVANTに続く共演
出演者は堺を含めて8人。倉科カナ、伊勢佳世、迫田孝也、sara、小日向星一、高畑淳子、段田安則の7人が堺を囲み、ほかにパフォーマー3人が出演する。
高畑淳子は堺の母親役が多く、出演発表時のコメントで本作が「3回か4回目」になると明かしていた。会見では、シルクの衣装を着ていると報告して場を和ませた。続けて「腹が立った」ことがあると切り出し、堺が膨大なせりふを苦もなく話すことを挙げてから、それが素晴らしいのだと持ち上げ、堺を苦笑いさせている。
倉科カナは、まだ読み稽古の段階で堺が台本を全部覚えていたことが、自分には大きなプレッシャーになったと打ち明けた。小日向星一は、ガムをかんでいる最中に堺との場面の稽古が急に始まり、そのまま続けたところ、堺にアドリブで指摘されてせりふがすべて飛んだという秘話を披露し、会場の笑いを誘った。
迫田孝也は、2023年のドラマ『VIVANT』で主人公の乃木憂助(堺雅人)の同期・山本巧を演じた俳優だ。堺とは2016年の大河ドラマ『真田丸』でも共演しており、堺は出演発表時に「迫田さんには大河ドラマの現場で何度も助けていただきました」とコメントしていた。会見の迫田は、初日を迎えて「体がガチガチ、膝がガクガク」になったとオノマトペを重ねて緊張を表し、隣の堺から「翻訳しづらいよ!」と突っ込まれた。
段田安則は2024年に紫綬褒章を受けたベテランだ。saraは第33回読売演劇大賞の優秀女優賞、倉科は第29回の同賞優秀女優賞を受けている。
「全く意気込みがない」と笑わせた2月の会見と17年の空白
時計の針を7カ月余り戻す。2026年2月27日の制作発表会見で、堺は17年ぶりの舞台について「壮大な実験が始まるんだという感じ」と語っていた。
一方で「全く意気込みがない自分に驚いております」と笑わせる場面もあった。観客200人ほどの劇場で育ったため、芝居は空気のようにやってきたものだという理由からだ。17年間舞台に立たなかったことに特別な理由はなく、たまたまだったとも話している。
堺の原点は小劇場にある。早稲田大学在学中に演劇研究会で活動し、同研究会を母体とする劇団「東京オレンジ」の看板俳優として舞台に立った。パルコ・プロデュース公演には『VAMP SHOW』(2001年)、『お父さんの恋』(2005年)、『噂の男』(2006年)と出演し、2009年の『蛮幽鬼』を最後に舞台から離れていた。
その17年は、映像の仕事が続いた期間だった。2013年と2020年の『半沢直樹』、2016年の大河ドラマ『真田丸』で主演を務め、2023年には『VIVANT』で主人公の乃木憂助を演じる。2025年11月公開の映画『平場の月』では主演を務め、井川遥と共演した。
VIVANT第2シーズンの放送と並行、地方公演は12月まで
舞台の幕が開いた今も、テレビでは主演ドラマが続く。TBS系日曜劇場『VIVANT』の第2シーズンは7月26日に始まり、10月4日に第19話を放送した。TBSは最終話を11月8日と案内しており、東京公演の期間はそのまま放送の終盤と重なる。
関連記事:VIVANT第19話、世帯視聴率15.4%・個人10.3% 3週ぶりの放送となった10月4日放送回(ビデオリサーチ・関東)
舞台の前にドラマで堺の芝居を見返したい人もいるだろう。『VIVANT』は第1シーズン全10話と、第2シーズンの第11話から第19話までが、『半沢直樹』は2013年版と2020年版の各10話が、10月8日時点でU-NEXTの見放題作品として配信されている。
\ 『VIVANT』と『半沢直樹』はU-NEXTで見放題 /
東京公演のチケットは全席指定で1万2000円(税込)。観劇時に30歳以下が対象のU-30チケットは6000円で、チケットぴあで扱う。各公演の当日朝10時から電話で当日券の予約を受け付ける。上演時間は休憩20分を含めて約2時間25分の予定だ。
東京の後は、岡山芸術創造劇場ハレノワ(11月6〜8日)、大阪のSkyシアターMBS(11月12〜23日)、愛知の穂の国とよはし芸術劇場PLAT(11月27〜29日)、宮崎のメディキット県民文化センター(12月3〜6日)、福岡のJ:COM北九州芸術劇場(12月10〜13日)と巡る。宮崎県で育った堺にとって、宮崎公演は地元での舞台になる。
まだ誰も見たことのない芝居を、観客と一緒に作っていく。会見の終わりに堺はそう呼びかけ、17年ぶりの舞台に向かった。
[文/構成 by エンタメライター 真柴 ことね]










































































コメントはこちら