申ジエ、日本女子オープン初優勝で永久シード 史上初の公式競技4冠、ツアー通算30勝

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女子ゴルフの国内メジャー、日本女子オープンゴルフ選手権の最終日が10月4日、兵庫県宝塚市の宝塚ゴルフ倶楽部旧コースで行われ、2打差の2位から出た申ジエ(38)=韓国=が初優勝した。通算11アンダーで並んだ桑木志帆とのプレーオフを3ホール目のバーディーで制し、JLPGAツアー通算30勝で史上7人目の永久シードを手にした。国内の公式競技4大会をすべて制したのは、ツアー史上初めてだ。
2打差を追った最終日66、プレーオフ3ホール目で決着
雨の最終日だった。首位の桑木と2打差の2位で最終組に入った申ジエは、5バーディー、1ボギーの66で回る。パー70、6185ヤードのコースで4日間の合計は269ストロークとなり、68にまとめた桑木と通算11アンダーで並んだ。
前半は桑木のペースだった。3番と9番ではピンチをしのいでパーを拾い、8番でバーディーを奪うと、リードを3打に広げて折り返す。ところが後半は伸ばせず、パープレーにとどまった。
申ジエが動いたのは13番からだった。ピン奥16メートルのバーディーパットを沈めると、パー5の14番は3打目をピン左1メートルにつけて連続バーディー。17番もショートゲームでバーディーを奪い、ついに桑木をとらえた。
プレーオフは18番パー4の繰り返しで行われた。2ホール目まではどちらも決め手を欠き、勝負は3ホール目へ。ピン右につけた申ジエは「プレーオフに入って、初めてのチャンス。必ず入る」と自分に言い聞かせ、バーディーパットをカップに沈めた。桑木は下りのバーディーパットを決めきれなかった。申ジエにとっては、15回目の出場でようやく手にした日本女子オープンのタイトルだ。優勝賞金は3000万円。
| 順位 | 選手名 | 通算スコア | 最終日 |
|---|---|---|---|
| 優勝 | 申ジエ | 11アンダー(269) | 66 |
| 2位 | 桑木志帆 | 11アンダー(269) | 68 |
| 3位 | 佐藤心結 | 7アンダー(273) | 68 |
| 4位 | 安田祐香 | 6アンダー(274) | 68 |
| 5位 | イ・ミニョン | 5アンダー(275) | 70 |
| 6位 | 阿部未悠 | 4アンダー(276) | 72 |
※申ジエと桑木志帆はプレーオフ3ホール目で決着
桑木は第3日に65をマークして単独首位に立ち、8月の海外メジャー「AIG女子オープン(全英女子)」を含む今季4勝の勢いで最終日に臨んでいた。前週のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンに続く2週連続優勝と、2024年のツアー選手権リコーカップに次ぐ国内メジャー2勝目がかかっていた。年間ポイントランキングでは首位を走る23歳だ。
関連記事:桑木志帆、日本女子オープン第3日に65で単独首位 申ジエに2打差、今夏の全英女子オープン覇者が国内メジャー2勝目に王手
「いや、悔しいですね…。やっぱり申ジエさんのさすがだなっていうプレーを目の前で見させてもらって」。ホールアウト後、桑木はそう話し、「久々に悔しい思いをしたので、また強くなれるんじゃないかなと思っています」と前を向いた。
永久シードは不動裕理以来22年ぶり、公式競技4冠はツアー初
永久シードは、JLPGAツアーで通算30勝を挙げた選手に与えられる。数えるのはツアーに登録した後の優勝で、申ジエが登録前に挙げた優勝はこの30勝に入っていない。これまでの資格者は樋口久子、涂阿玉、大迫たつ子、岡本綾子、森口祐子、不動裕理の6人だけで、2004年に資格を得た不動以来、22年ぶりに7人目が生まれた。申ジエは第3日を終えた時点で「(通算30勝、永久シードは)いつも意識はします」と語り、周囲からの「30勝、頑張ってね」という言葉が日に日に大きくなっていたと明かしていた。
もう一つの記録が、公式競技4冠だ。JLPGAツアーの公式競技は、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ、日本女子プロゴルフ選手権、日本女子オープン、ツアー最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの4大会。申ジエは2015年にリコーカップを初めて制し、2018年にはサロンパスカップ、日本女子プロ、リコーカップを1年で勝ってツアー史上初の年間メジャー3勝を成し遂げた。2025年5月にはサロンパスカップを37歳で制し、大会最年長優勝の記録も作っている。
| 公式競技 | 申ジエの優勝年 |
|---|---|
| LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ | 2015年、2018年 |
| ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ | 2018年、2025年 |
| 日本女子プロゴルフ選手権 | 2018年 |
| 日本女子オープン | 2026年 |
足りなかったのは日本女子オープンだけだった。2022年大会では単独首位で最終日を迎えながら、72とスコアを伸ばせずに勝みなみに逆転され、2位に終わっている。国内メジャー6勝目で、ようやく最後のピースが埋まった。
「うれしくて涙が出たことはないけど」38歳の素顔
決着の瞬間、申ジエは両手を突き上げた。優勝インタビューでは「長い1日でした」と切り出し、「この優勝はうれしいです」と声を震わせる。「日本のゴルフの歴史に(名を)載せることができた」。そう実感を込め、「これからも止まらずに頑張りたい」と続けた。
「これまで、うれしくて涙が出たことはないけど、今回はちょっと違いました」とも語っている。プレーオフの前には食欲がなくてもおにぎりを口にし、体力を保ったという。「まだ、優勝できる選手、ということを証明できました」。言葉の端々に、積み重ねてきた経験への自負がにじむ。
雨はむしろ追い風だった。「雨でコンディションがタフになったことも良かったと思う」と申ジエは話す。プレーオフについては「2人だけの勝負」と楽しんだうえで、桑木を「今の充実ぶりはスキがまったくないように感じる」と評し、「一緒にプレーできたことに感謝をします」と相手をたたえた。
1988年生まれの申ジエは、2008年と2012年に全英女子オープンを制し、世界ランキング1位にもなった。日本ツアーに本格参戦した後も勝ち星を重ね、2015年に31試合だった出場数は2026年には14試合まで減っている。第3日の取材では「年齢のことはあまり話したくありませんが…」と苦笑いしつつ、「でも年齢の割には元気」と話していた。
日本女子プロゴルフ協会のオフィシャルカード「ROOKIES & WINNERS」の2026年版にも、申ジエのカードが収録されている。
佐藤心結が単独3位、ローアマは17歳の岩永杏奈
3位には通算7アンダーの佐藤心結が入った。第3日に前半9ホールを29で回り、国内メジャーの9ホール最少ストローク記録を2打更新した佐藤は、4日間一度もオーバーパーを打たなかった。「メジャー大会で単独3位フィニッシュできたということは、自分の中で本当に価値のある3位だと思います」と手応えを口にした。
地元・兵庫の声援を受けた安田祐香は通算6アンダーで4位。米ツアーを主戦場とする古江彩佳はルーキーの藤本愛菜と並んで7位タイ、年間ポイントランキング2位の佐久間朱莉は通算イーブンパーの13位だった。2025年大会を制した堀琴音は通算2オーバーの16位タイで、連覇はならなかった。
関連記事:日本女子オープン2026組み合わせ決定、佐久間朱莉・鈴木愛・古江彩佳が同組 10月1日開幕
アマチュアでは、大阪桐蔭高3年の岩永杏奈(17)が通算6オーバーの29位タイでローアマチュアに輝いた。2024年大会に続く2度目で、大会では27年ぶり8人目となる。初日に64をマークして首位タイに立ったアマチュアの荒木七海は最終日に75と崩れ、通算7オーバーの38位。プロの姉・荒木優奈(通算8オーバー、39位タイ)を1打上回って4日間を終えた。
38歳で手にした30勝目と4冠。申ジエは国内ツアーの記録に名前を刻み、なお「止まらずに」と次を見ている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]









































































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