山口瑠、アジア大会ボクシング55キロ級で金メダル 同階級の日本勢52年ぶり・史上3人目

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アジア大会のボクシング男子55キロ級で、初出場の山口瑠(22)=駒大=が金メダルを手にした。10月2日の決勝で、東京五輪フライ級銀のカルロ・パーラム(28)=フィリピン=に3-2の判定で競り勝った。バンタム級の階級区分では、1974年の石垣仁以来52年ぶり、史上3人目の日本勢優勝となる。
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5人のジャッジが割れた決勝、山口が3-2で競り勝つ
10月2日、愛知・西尾市総合体育館。ボクシング男子55キロ級の決勝は、山口が東京五輪のフライ級銀メダリスト、パーラムを3-2の判定で下して幕を閉じた。山口はリング上で両拳を挙げて喜んだ。
初戦から準決勝までの3試合は、いずれも5-0の判定勝ちだった。9月30日の準決勝ではモンゴルの選手を相手に、ジャッジ5人が全3ラウンドで山口を支持している。決勝は、それまでとは違う接戦になった。
カウンターを狙って出方をうかがう左構えのパーラムに対し、山口は素早い出入りで有効打を当てた。第1ラウンドは5人のうち4人、第2ラウンドも3人が山口につけた。ただ、最終の第3ラウンドは相手が捨て身の攻勢に出て、山口はパンチを浴びてポイントを奪われた。それでもトータルでは僅差で上回った。
バンタム級では1974年の石垣仁以来、52年ぶり3人目
スポーツ報知によると、この階級で日本勢が金メダルを手にしたのは、1962年ジャカルタ大会の田辺清、1974年テヘラン大会の石垣仁に続く3人目だ。2人とも当時の体重区分は54キロ以下のバンタム級で、山口の55キロ以下とは区分が少し違う。そのため「52年ぶり」は、バンタム級の階級区分では、という条件が付く。
日本男子ボクシングのアジア大会金メダルは、2023年杭州大会で71キロ以下のライトミドル級を制した岡澤セオン以来となる。岡澤は今大会、男子70キロ級の準決勝でヨルダンの選手に0-3で敗れ、3位決定戦がないため銅メダルに終わった。日本勢は山口の金に加え、女子54キロ級の並木月海、男子60キロ級の北本隼輔、岡澤の銅メダル3個を手にして、ボクシング競技を終えた。
兄に負けたくなかった少年が、アジアの頂点に立つまで
山口は2004年5月12日生まれ、大阪府出身。名前の読みは「るい」だ。幼いころから空手とキックボクシングに親しみ、2学年上の兄に圧倒される毎日を送った。「絶対、兄を倒したろうとずっと思っていた」。負けん気が成長を後押しし、中学3年でボクシングに専念する。大阪・興国高では全国高校総体を2連覇した。
転機は駒大に入学した直後にあった。指導者が練習場のホワイトボードに「2026年アジア大会」と書き、「これを目指せ」と背中を押したという。昨年の世界選手権で8強に入り、今年のアジア選手権では優勝。世界ランキングは同級2位と、優勝候補として愛知・名古屋に乗り込んだ。
もともとの主戦場は51キロ級だった。2028年のロサンゼルス五輪を見据え、五輪で行われる55キロ級に上げた。読売新聞の取材に、体重はまだ51キロ前後で体づくりは途上だと話していた。それでも世界2位に入る。
距離感への評価は高い。2012年ロンドン五輪フライ級代表で前全日本代表監督の須佐勝明氏(42)は、スポーツ報知に「井上、藤木のように山口は距離感がズバぬけている。特に左のジャブのあて感は、井上、藤木を加えたトップ3に入る」と語った。井上はプロで活躍する井上尚弥、藤木はアマ9冠の藤木勇我を指す。
「国際大会を経験して我慢を覚えた」
試合後、山口はこう口にした。「プレッシャーもあったし、ほっとしている」。報知やデイリースポーツは、大きく息をついたと伝えている。
決勝の中身は、本人の言葉に表れていた。報知によると、山口は「駆け引きで削り合った。そこで負けないようにした」と振り返っている。時事通信によると、成長の理由をこう明かした。「今までの自分だったら、攻めにいっていた。国際大会を経験して我慢を覚えた」。攻め急がない戦い方で、僅差の判定をつかんだ。
目標を与えられた大学生活の最後に、その舞台で結果を出した。報知は、山口が「やってきたことは間違いではなかった」と話したと伝える。時事通信は、将来の姿についての言葉も伝えている。「子供たちに、山口みたいになりたいと思ってもらえる選手になれたらうれしい」。
次の目標は2028年ロス五輪、最短切符は2027年4月
視線はすでに2年後に向いている。山口にとって、初出場を目指すロサンゼルス五輪の金メダルが新たな夢になった。スポーツ報知によると、2027年4月の世界選手権で優勝すれば、最短で五輪の切符を手にできる。
9月30日の準決勝後には、読売新聞の取材に「大学生活の最後に花を咲かせたいなと思う」と話していた。その言葉どおり、アジア大会の金メダルで学生生活を締めくくる。次に問われるのは、55キロ級の体をどこまで仕上げられるかだ。
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[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]








































































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