山口瑠がアジア大会ボクシング男子55kg級で決勝へ、準決勝も5-0判定勝ち 10月2日に東京五輪銀のパーラムと金を懸ける

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愛知・名古屋アジア大会のボクシング男子55kg級(バンタム級)準決勝が30日にあり、初出場の山口瑠(22)がモンゴルの選手に5-0で判定勝ちした。3試合すべてジャッジ5人の支持を集めての決勝進出で、銀メダル以上が確定。10月2日の決勝では、2021年東京五輪フライ級銀メダリストのカルロ・パーラム(フィリピン)と金メダルを争う。
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準決勝は3ラウンドとも5人全員が山口を支持
試合会場は愛知県の西尾市総合体育館。男子55kg級の準決勝に臨んだ山口瑠(22)=駒澤大4年=は、モンゴルの選手を5-0の判定で下し、決勝へ駒を進めた。
内容でも相手を上回った。TBS NEWS DIGによると、大振りで向かってくる相手に対し、山口は的確に左のパンチを当て続けた。1ラウンド3分の3ラウンド制で、5人のジャッジが採点する今大会。3ラウンドすべてで、5人全員が山口に10-9をつけている。
アマチュアボクシングの採点は、ラウンドごとに優勢だった選手に10点、もう一方に9点以下をつける方式だ。つまり15枚ある各ラウンドの採点がすべて山口に入ったことになり、どのジャッジから見ても、どのラウンドも山口が取っていた。
ここまでの道のりも崩れていない。26日の初戦でキルギスの選手を5-0で破ると、28日の準々決勝ではヨルダンの選手にも5-0で勝った。初戦から準決勝まで、ジャッジの票を一つも落とさないまま決勝にたどり着く。
ボクシングは3位決定戦がなく、準決勝で敗れた2人がともに銅メダルとなる。準決勝を勝ち抜いた時点で、山口の銀メダル以上が決まった。
決勝の相手は東京五輪で田中亮明を破ったパーラム
10月2日(金)の決勝で待つのは、フィリピンのカルロ・パーラムだ。
パーラムは2021年の東京五輪で男子フライ級(52kg以下)の銀メダルを手にした。五輪の記録によると、準決勝では日本の田中亮明を判定で破り、決勝で英国のガラル・ヤファイに敗れている。田中はこの敗戦で銅メダルとなり、同級の日本勢として61年ぶりのメダルだった。
今大会の勝ち上がりも堅い。フィリピンの大手紙インクワイアラーによると、28日の準々決勝では中国の選手を破って準決勝に進んだ。続く30日の準決勝では、GMAネットワークやABS-CBNなど同国の複数メディアによると、カザフスタンの世界王者を3-2の判定で退けている。山口がジャッジ全員の支持を集めて勝ち上がってきたのとは対照的に、パーラムは接戦を拾っての決勝進出。フィリピンのニュースサイト「ラップラー」は、この勝利で、フィリピンがアジア大会ボクシングで16年ぶりの金メダルに手をかけたと伝えた。
五輪で日本勢の前に立ちはだかった相手と、5年後に日本開催のアジア大会で金を懸けてぶつかる。
世界ランク2位、アジア王者として臨む初のアジア大会
山口は大阪府出身。スポーツ報知によると、世界ランキングは2位で、2025年の世界選手権では5位に入った。今年4月にモンゴル・ウランバートルで開かれたアジア選手権では、日本男子として43年ぶりとなる金メダルを手にしている。駒澤大学も、山口が2025年のワールドボクシングカップ・ファイナルズ(インド・ニューデリー)で銅メダルを獲得したと発表しており、国際大会での実績を積み上げてきた。
それでも、アジア大会は初出場だ。
階級の呼び方は報道によって分かれ、TBSは「55kg級」、共同通信は「55キロ級」、スポーツ報知は「バンタム級(体重55キロ以下)」と伝えている。指しているのは同じ階級だ。
同じくスポーツ報知によると、アジア大会のバンタム級で日本勢が決勝に進むのは52年ぶり。同級で金メダルを取った日本選手は、1962年ジャカルタ大会の田辺清と、1974年テヘラン大会の石垣仁の2人しかいない。山口が勝てば、石垣以来の同級制覇となる。
| 大会 | 選手 | 階級(当時) |
|---|---|---|
| 1962年ジャカルタ | 田辺清 | バンタム級(54キロ以下) |
| 1974年テヘラン | 石垣仁 | バンタム級(54キロ以下) |
| 2026年愛知・名古屋 | 山口瑠 | 55kg級(10月2日に決勝) |
日本男子のアジア大会金メダルは、1994年広島大会の八重樫剛のあと約30年途絶え、2023年杭州大会で岡澤セオンが取り戻した。この流れを引き継げるかどうかも、山口の拳にかかる。
岡澤セオンは準決勝で敗れ、連覇ならず
同じ30日、男子70kg級の準決勝では岡澤セオン(30)がヨルダンの選手に0-3で敗れた。前回2023年の杭州大会で71kg級を制し、日本男子初の大会2連覇を狙っていたが、届かず銅メダルとなった。
岡澤は2021年東京、2024年パリと2大会続けて五輪に出場した。今大会は初戦でフィリピンの選手、28日の準々決勝でキルギスの選手をいずれも5-0で破っていた。ベテランが準決勝で止まった日に、22歳の大学生が決勝の切符をつかんだことになる。
日本選手団はこの日、柔道の近藤隼斗・美月の兄妹が金メダルを獲得するなど、メダル総数を200個に伸ばした。前回の杭州大会の188個を、閉幕を待たずに上回っている。
10月2日の決勝、ジャッジの票を落とさない22歳と五輪銀メダリスト
決勝は10月2日に行われる。準々決勝、準決勝と連戦を重ねるなかで、山口はここまで一度もジャッジの票を失っていない。一方のパーラムは五輪の決勝のリングに立った経験を持ち、大舞台での戦い方を知る相手だ。
勝てば、4月のアジア選手権に続き、今年2つ目のアジアの頂点となる。2028年のロサンゼルス五輪を目指す22歳にとって、東京五輪銀メダリストとの一戦は自分の現在地を測る試合にもなる。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]








































































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