北の若が十両優勝、ともえ戦制し初の各段優勝 『いい経験をさせてもらい最高の結果』

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大相撲秋場所千秋楽の9月27日、東十両6枚目の北の若(25)=八角部屋=が十両優勝を果たした。本割で首位の輝を破って11勝4敗で並び、輝、嘉陽との三つどもえの優勝決定戦を連勝で制した。序ノ口から幕内まで、どの地位でも手にできなかった初の各段優勝。九州場所での再入幕も視野に入る。
本割と巴戦で1日3勝、輝と嘉陽を連破
東京・両国国技館の十両の土俵は、千秋楽まで決着がつかなかった。14日目を終えて単独首位に立っていたのは11勝3敗の輝(32)=高田川部屋=で、北の若は1差の10勝4敗。その2人が本割で組まれ、北の若が押し倒しで輝を土俵に沈めて星を並べた。
同じ4敗で追っていた玉鷲と嘉陽(27)=中村部屋=は千秋楽で直接ぶつかり、嘉陽が引き落としで勝って11勝目を挙げる。これで11勝4敗が3人となり、優勝の行方は3人による巴戦に持ち込まれた。
巴戦は2人が取り、勝った力士が残る1人と対戦し、2連勝した力士が優勝となる方式だ。日本相撲協会の記録では、決定戦の1番目で北の若が輝を突き落としで下し、続く2番目で嘉陽をはたき込みで退けた。本割から数えて1日3勝。1番も落とさずに優勝を決めた。
| 取組 | 勝者 | 決まり手 | 敗者 |
|---|---|---|---|
| 千秋楽本割 | 北の若(11勝4敗) | 押し倒し | 輝(11勝4敗) |
| 千秋楽本割 | 嘉陽(11勝4敗) | 引き落とし | 玉鷲(10勝5敗) |
| 優勝決定戦1番目 | 北の若 | 突き落とし | 輝 |
| 優勝決定戦2番目 | 北の若 | はたき込み | 嘉陽 |
優勝決定戦の3人はいずれも幕内経験者だった。石川県七尾市出身の輝は2010年春場所初土俵のベテランで、最高位は前頭3枚目。沖縄県那覇市出身の嘉陽は2022年5月場所に初土俵を踏み、2025年5月場所で新入幕を果たしている。番付は輝が東十両11枚目、嘉陽が西十両12枚目で、北の若が最も上位だった。決定戦について北の若は「師匠と稽古してきたので何番やってもかわらない」と話した。本割を含め、この日は計3番を取り切っている。
7連勝の後に4連敗、崩れかけた場所を立て直す
15日間の道のりは平坦ではなかった。北の若は初日から7連勝と白星を重ねたが、中日の8日目に友風に敗れると、9日目は玉鷲、10日目は出羽ノ龍、11日目は旭海雄にも屈して4連敗。先頭集団から一歩後退した。
「序ノ口から何回も優勝を逃してきて、今回もかと思った」。北の若は連敗中の心境をそう明かしている。沈みかけた場所を支えたのは、師匠の八角理事長(元横綱・北勝海)ら周囲の存在だった。4連敗の間も「気負わず前へ出て当たれ」などと励まされたという。
12日目に日翔志を突き出しで破って連敗を止めると、13日目は大青山を寄り切り。14日目には同じく優勝を争う嘉陽を小手投げで下し、首位の輝に1差まで迫った。
一方の輝は初日から10連勝と、序盤から場所の主役だった。11日目に日翔志に初黒星を喫したが、12日目を終えた時点で11勝1敗と、北の若には3差をつけていた。ところが、13日目に生田目、14日目に41歳の玉鷲に敗れて足踏みする。この14日目の黒星で、優勝争いは千秋楽へ持ち越された。輝は千秋楽の本割と決定戦でも北の若に敗れ、13日目から決定戦まで4番続けて白星から見放される結果になった。
関連記事:玉鷲、十両首位の輝を破り10勝目 41歳が4敗で星1つ差に追走、輝は11勝3敗で千秋楽へ
入門から7年半、けがで幕下も経験
北の若は山形県酒田市出身で、本名は齋藤大輔。身長191センチ、体重159キロの大型力士で、得意は突っ張り、右四つ、寄り、上手投げだ。埼玉栄高3年で高校横綱に輝き、2019年春場所で初土俵を踏んだ。
角界入りのきっかけは、元横綱・北の富士勝昭の妹夫婦が酒田市で営むちゃんこ店だった。中学生の頃にそこで北の富士と出会い、八角部屋への入門へとつながる。北の富士は入門の際に師匠の代理として酒田市役所への表敬訪問にも同行した。その北の富士は2024年11月に亡くなっている。
だが、プロの壁は厚かった。高校時代は下がりながら上手を取る相撲だったが、角界では通用しない。八角親方から押す力の大切さを徹底して教え込まれ、幕下以下で約3年を過ごした末、2022年初場所で新十両に昇進する。2023年九州場所で新入幕を果たし、最高位は前頭14枚目。幕内在位は2025年初場所までの4場所にとどまり、幕内と十両の往復が続いた。
暗転したのは2025年初場所だった。再入幕の場所で8日目の尊富士戦で負傷し、右腓骨骨幹部骨折で約2カ月の加療を要する見込みとの診断書を出して9日目から休場。続く春場所も全休となり、同年5月場所から3場所を幕下で取った。関取に戻ったのは2025年11月の九州場所。そこから6場所目で、十両の頂点にたどり着いた。
「関取になってから一番いい場所」、九州場所で再入幕なるか
優勝を決めた北の若は「ともえ戦も初めて。いい経験をさせてもらい最高の結果」と胸を張った。「序ノ口から逃してきた。周りに支えてもらった」とも語り、師匠をはじめ周囲への感謝を口にしている。
「今場所は関取になってから一番いい場所だった」。そう話す表情には笑みが浮かんでいたという。東十両6枚目で11勝を挙げたことで、11月の九州場所での再入幕が濃厚と報じられている。実現すれば2025年初場所以来の幕内復帰になる。番付は場所後の番付編成会議で決まるため、正式な発表を待つ必要がある。
再入幕となった場合について、北の若は「もっと強い相手と当たるので、楽しみつつ集中して、自分の相撲を取れるように頑張ります」と話した。「強い相手と当たれるのが楽しみ」とも口にしており、目線はすでに上の番付へ向かう。
同じ千秋楽の幕内では、横綱・大の里が大関・安青錦との相星決戦を制し、6場所ぶり6度目の優勝を飾った。十両で初めて頂点に立った25歳が、次は幕内の土俵でどこまで勝ち星を積み上げるか。九州場所の番付発表が待たれる。
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[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]








































































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