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玉鷲、十両首位の輝を破り10勝目 41歳が4敗で星1つ差に追走、輝は11勝3敗で千秋楽へ

玉鷲、十両首位の輝を破り10勝目 41歳が4敗で星1つ差に追走、輝は11勝3敗で千秋楽へ

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大相撲秋場所14日目の26日、東十両3枚目の玉鷲(41)=片男波=が、単独トップの輝を突き落としで破り10勝4敗とした。6日目からの連勝は9に伸びる。輝は11勝3敗で首位のまま千秋楽へ進み、玉鷲、北の若、嘉陽の3人が星1つ差で追う。千秋楽は輝が北の若と、玉鷲が嘉陽と当たる。

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土俵際の突き落としで首位の輝に3敗目

東京・両国国技館で行われた14日目、玉鷲は2敗で単独首位に立っていた東十両11枚目の輝(32)=高田川=と対戦した。輝の圧力に押し込まれ、土俵際まで下がる苦しい展開。それでも最後は突き落としで逆転し、首位の力士に土をつけた。

勝ち星は10となり、幕内にいた昨年名古屋場所以来の2ケタ白星だ。取組後の玉鷲は内容に満足していない。「押し込まれたのはダメですね」と反省を口にし、千秋楽については「明日、また1番あるんで、自分の相撲をとって終わりたい」と淡々と語った。

敗れた輝は11勝3敗で、首位の座は守った。ただ、13日目の生田目戦に続く2連敗。支度部屋では「焦って肩に力が入ってしまった」と悔しさをにじませている。

1勝4敗から9連勝、首位を射程に入れるまで

玉鷲が十両で土俵に上がるのは、今年夏場所で大きく負け越し、幕内から陥落したためだ。名古屋場所は十両7枚目で臨み、13年ぶりの十両で勝ち越して「しびれました」と話した。番付を3枚目まで戻して迎えたのが、この秋場所だった。

場所の序盤、玉鷲の星は伸びなかった。初日から3連敗を喫し、4日目にようやく初白星を挙げたものの、5日目に再び敗れて1勝4敗。41歳のベテランには苦しい出だしだった。

だが、6日目から流れは変わる。そこから白星を重ね、12日目に勝ち越しを決めた後も勢いは止まらない。13日目、14日目と連勝を続け、気づけば9連勝で優勝争いの輪の中にいた。

白星の積み重ねは記録にも表れる。場所前の通算勝利数は906勝で、今場所の10勝を加えると916勝。12日目に並んだ若の里の914勝を、この2日間で上回ったことになる。

一方の輝は、初日から8連勝で勝ち越しを決め、中日の時点で十両ただ一人の全勝だった。12日目を終えても11勝1敗で単独首位。13日目には生田目との激しい突っ張り合いで額から出血し、14日目は大きな絆創膏を貼って土俵に上がっている。石川県七尾市出身の32歳にとって、十両優勝は自身初の各段優勝がかかる一番でもある。

千秋楽は輝対北の若、玉鷲対嘉陽

日本相撲協会の公式サイトによると、14日目を終えた十両の成績上位は次の4人だ。

成績力士番付
11勝3敗輝東十両11枚目
10勝4敗玉鷲東十両3枚目
10勝4敗北の若東十両6枚目
10勝4敗嘉陽西十両12枚目

4敗の3人が並ぶため、玉鷲は単独の2番手ではない。14日目は北の若が嘉陽を小手投げで破り、嘉陽は4敗目を喫した。嘉陽は「勘弁してくださいよ」と優勝を意識しない姿勢を見せている。

千秋楽の取組は、輝が北の若と、玉鷲が嘉陽と組まれた。輝が勝てばその時点で十両優勝が決まる。

輝が敗れた場合はどうなるのか。

輝と北の若が11勝4敗で並び、玉鷲と嘉陽の勝者も11勝4敗に届く。3人による優勝決定戦にもつれ込む計算だ。千秋楽は輝-北の若の一番が先に組まれている。玉鷲が十両優勝をつかむには、輝が北の若に敗れたうえで自身が嘉陽に勝ち、優勝決定戦を制する必要がある。輝は「大先輩で兄のような存在だから、正々堂々とやって勝ちたかった」と玉鷲への思いも口にしていた。

九州場所で昭和以降最年長の再入幕が見えてきた

玉鷲にとって、千秋楽の一番は再入幕への仕上げにもなる。再入幕とは、十両以下に落ちた力士が再び幕内の番付に戻ることを指す。十両3枚目で10勝を挙げたことで、11月の九州場所(福岡国際センター)での幕内復帰が濃厚となった。

実現すれば、2018年夏場所の安美錦(39歳6か月)を上回り、昭和以降で最年長の再入幕となる。秋場所の十両で、その条件をほぼ整えたわけだ。

それでも本人の視線は目の前の一番に向いている。6日目に通算908勝で安美錦を抜いた際も「自分は数だけ」と話していた玉鷲。千秋楽も、押し込んで前に出る自分の相撲を取れるかどうかが、優勝決定戦に進めるかを左右する。

関連記事:玉鷲、41歳で十両勝ち越し 通算914勝で若の里に並ぶ歴代7位、「場所はまだ終わっていない」

[文/構成 by スポーツライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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