出羽ノ城が引退、現役力士最重量252キロ「オファーお待ちしています」 最高体重258・8キロ・最高位東幕下44枚目の経歴と今後

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大相撲の現役力士で最も重い252キロの出羽ノ城(32)=出羽海=が、秋場所14日目の9月26日に引退を表明した。この日の鳩岡戦に寄り切りで勝ち、最後の一番を白星で終えた。最高位は2021年九州場所の東幕下44枚目で、最高体重は2020年に量った258.8キロ。今後はイベント業やタレント業に取り組む考えで、「オファーお待ちしています」と笑顔で語った。
秋場所14日目、最後の一番は寄り切りの白星
出羽ノ城は西三段目67枚目で秋場所を迎えた。9月26日の14日目、東京・両国国技館で西三段目63枚目の鳩岡(32)=木瀬=と対戦し、寄り切りで勝つ。この白星が現役最後の取組となった。
今場所の成績は3勝4敗。「良く知っている相手だったので、割り(取組表)を見たときに焦りましたけど。勝って締めることが出来て良かった」と明かした。東の花道の奥では出羽海部屋の力士たちが出迎え、花束を手渡している。
「僕の相撲人生は負けから始まったので、最後勝てて良かった」。取材に応じた出羽ノ城は、そう言って笑った。
同じ秋場所では、前日の13日目に元幕内の矢後(32)=押尾川=も日本相撲協会に引退届を出し、受理されていた。矢後も西三段目22枚目で3勝4敗と、2人は同じ32歳、同じ西三段目、同じ3勝4敗で土俵を去る。
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国技館ではこの日、結びの一番で横綱・大の里が琴桜に敗れて3敗目を喫し、安青錦と11勝3敗で並んだ。優勝は9月27日の千秋楽、2人の直接対決で決まる。
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野球部の一塁手から出羽海部屋へ、14年半の土俵
出羽ノ城は栃木県河内郡上三川町の出身で、本名は金城周汰。1993年12月14日に生まれた。栃木・壬生高では野球部に所属し、一塁手としてプレーしていた。
角界入りのきっかけは、出羽海部屋の後援者から届いた「身体の大きい子がいる」という連絡だった。当時の出来山親方(元関脇・出羽の花)が高校までスカウトに訪れる。本人は大相撲に興味がなかったというが、2012年初場所初日の朝稽古を見学して考えが変わった。「そこで相撲ってすごいと思いました」。
その年の春場所(3月場所)、本名の金城で初土俵を踏む。翌5月場所で序ノ口に上がる際にしこ名を出羽ノ城に改め、2021年九州場所で自己最高位の東幕下44枚目まで番付を上げた。ただ、この場所は2勝5敗と負け越し、関取の座には届かなかった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| しこ名 | 出羽ノ城 芳秀(でわのじょう よしひで) |
| 本名 | 金城周汰 |
| 生年月日 | 1993年12月14日(32歳) |
| 出身地 | 栃木県河内郡上三川町 |
| 所属部屋 | 出羽海部屋 |
| 身長・体重 | 190.5センチ・252.0キロ(日本相撲協会公式の登録値) |
| 初土俵 | 2012年春場所 |
| 最高位 | 東幕下44枚目(2021年九州場所) |
| 最後の場所 | 2026年秋場所・西三段目67枚目、3勝4敗 |
| 通算成績 | 290勝296敗16休(序ノ口以上、86場所) |
土俵人生の大半は三段目だった。番付に載ったのは86場所で、このうち63場所を三段目で取っている。幕下には7場所在籍した。
部屋では、元大関で現在は十両の御嶽海の付け人を長く務めた。「たくさんのいい思いをさせてもらった。幕内優勝もみせてもらった」と語り、御嶽海を「一番かっこいい関取」と呼ぶ。人との付き合い方を教わったといい、「一番尊敬できる人」とも口にした。思い出の取組には、勢いに乗っていた時期の旭富士や丹治との対戦を挙げている。
最高258.8キロは歴代4位、「重いことで有名に」への本音
身長190.5センチ、体重252キロ。日本相撲協会の公式プロフィールに載る数字で、出羽ノ城は現役の全力士の中で最も重かった。最高体重は2020年に計測した258.8キロに上る。
歴代の重量力士と比べると、1位は292.6キロの大露羅、2位は285キロの小錦、3位は277.2キロの山本山で、出羽ノ城の258.8キロはこれに次ぐ4位にあたる。出羽ノ城の引退で、九州場所からは224.5キロの肥後ノ龍=木瀬=が現役最重量力士になる。2人の差は27.5キロ。250キロ台の力士が土俵から姿を消す。
だが、本人はその肩書を喜んでいなかった。
「すごい嫌でした。重いことで有名になったみたいなもんですが…、良くも悪くも目立つ」。インターネットの記事などで何度も取り上げられたが、それが嫌だったという。巨漢ゆえに勝って当たり前と見られ、小柄な力士に敗れると引き立て役のように扱われる場面もあった。「あんまりメンタルが強くないので、何か言われたらコロッと調子を落とすこともありました」と、胸の内を明かしている。
引退の決め手はけがと祖父の死
体も気持ちも限界に近づいていた。これまでに右肩や胸の筋断裂を経験し、右足首の靱帯も痛めている。大きな体が負担となり、ひざにも不安を抱えていたという。「治療をしても、手術を受けても再発する可能性がある。力士でいるうちは、完全には回復しないと言われました」と、けがの状態を説明した。
もう一つの理由が、2025年8月に88歳で亡くなった母方の祖父だった。初孫の出羽ノ城を誰よりも応援してくれていたという。「一番応援してくれていた祖父が亡くなって、気持ちがポッカリ消えて決めた」。2、3年前から限界を感じ、「いつまでも相撲界に甘えていられない」と考えるようになっていた。
関取への昇進は、かなわなかった。
「理由がどうであれ、あきらめてしまったのは自分」と出羽ノ城は言う。そのうえで部屋の後輩には「悔いのないように、ケガをしないようにやってもらいたい」と望みを託した。約14年の現役生活を「長いようで短かった。関取に上がれなかった悔いはあるけど、それ以上に良い経験をさせてもらった」と表現し、涙は見せなかった。
50キロ以上の減量、農業、タレント業へ
引退後の目標に挙げたのは、50キロ以上の減量だ。いずれは地元の栃木に戻り、祖父が手がけていた農業に挑戦したい考えも持つ。地元では現在、祖母と叔父がイチゴ農家を営んでいる。「チャレンジしたいことはいっぱいあります」。
当面の仕事はイベント業とタレント業になる見込みだ。巨体を生かした仕事にはすでに声がかかっており、相撲ショーなども候補に入る。「できることからやらせてもらいます。オファーお待ちしています」。報道陣の前で大きな体を見せてPRした。
断髪は千秋楽の翌日、9月28日に出羽海部屋で行う予定だ。現役最重量の巨体で14年半、土俵に立ち続けた出羽ノ城は、まげを落として次の仕事に向かう。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]








































































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