西野真弘、引退試合で3打数2安打 オリックス一筋、引退セレモニーで亡き父へ感謝

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
今季限りで現役を引退するオリックスの西野真弘(36)が9月26日、京セラドーム大阪での日本ハム戦に「7番・二塁」で先発し、3打数2安打で現役最後の試合を終えた。試合は0-2で敗れたが、試合後の引退セレモニーでは、昨年6月に亡くなった父へ涙ながらに感謝を伝えた。
↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓
伊藤大海から2安打、最終打席は左中間への二塁打
本拠地最終戦に集まったのは3万6172人。身長167cmの二塁手が、12年間過ごしたグラウンドに別れを告げた。
相手の先発は日本ハムのエース伊藤大海だった。4回まで一人の走者も出せない投球に、オリックス打線は手も足も出ない。
最初の見せ場は5回に来た。先頭の杉本裕太郎が左翼線二塁打でチーム初の走者となり、2死二塁で西野に打席が回る。西野は伊藤のフォークに食らいつき、打球は伊藤のグラブをはじいて内野安打となる。一塁上で、西野はあふれる涙をこらえていた。
0-0のまま迎えた8回表、日本ハムは田宮裕涼の左前適時打で均衡を破る。その裏、1死無走者で西野が打席に入った。外角の直球を逆らわずに流すと、打球は左中間を破る二塁打。二塁上では涙を隠さず、代走に野口智哉が送られる。ベンチに戻った西野はタオルで顔を覆った。
試合後、西野は「打席に入る前からウルっときてしまった」と明かした。伊藤については「しっかり勝負しにきてくれているのは感じた。ああいう(球界を)代表する投手から最後に試合で打ててよかった」と語っている。
試合は9回に清宮幸太郎の23号ソロで加点した日本ハムが2-0で勝った。伊藤は8回85球、4安打無失点で3年連続2桁となる10勝目。オリックスにとっては2試合連続、今季19度目の完封負けとなった。
伊藤が許した4安打のうち、2本は引退する36歳のバットから生まれた。
「野球の道に導いてくれたのは父」セレモニーで語ったこと
試合後の引退セレモニーでは、同じく今季限りで引退する山田修義に続いて、西野がマイクの前に立った。先にあいさつした山田が紙を読んでいたことに触れ、「自分はいけるところまで行こうと思います」と場内の笑いを誘ってから本題に入る。
12年間について、西野は「怪我も何度もしてきました。打てなくて結果が出なくて、悩んだ時期もたくさんありました」と打ち明けた。そのうえで「優勝、日本一と経験できて、この体で12年間プロの世界でやることができたのは、自分の誇りです」と続けている。
母と兄に感謝を伝えたあと、「そして、父さん」と呼びかけたところで、西野はうつむき、声を詰まらせた。
「自分を野球の道に導いてくれたのは父です。教えてくれたのも父です。本来なら、ここで最後の姿を見てもらいたかったです。今は空の上で『お疲れさん、よくやった』と言ってくれてると思います。父がいてくれたおかげで、ここまでやることができました」
父は2025年6月に亡くなった。西野は当時、1軍に再合流した際に父の死を明かし、前を向いて頑張りたいと話していた。その2025年、西野はキャリア最多の7本塁打、35打点を記録している。
あいさつの終盤には、理想の引退試合について冗談を交えた。前日に引退セレモニーを行った平野佳寿の名前を挙げ、子どもの始球式や花束、記念撮影のある「かっこいい引退試合」を思い描いていたものの「残念ながらそれは叶いませんでした」と笑わせている。最後は「オリックスのユニフォームを着て野球ができて、本当に良かったです。12年間、本当にありがとうございました」と締めくくった。
セレモニーでは同期入団の小田裕也育成コーチ、かつてのチームメイトで現在は日本ハムでプレーする山崎福也から花束を受け取る。チーム全員で5度胴上げされたあと、場内を一周した。外野スタンドで自身の応援歌が流れると、西野は正面で聞き入り、目頭を押さえて深く頭を下げた。
167cmの二塁手が歩んだオリックス一筋の12年
西野は東京・江戸川区出身。東海大浦安、国際武道大、JR東日本を経て、2014年のドラフト7位でオリックスに入団した。
2年目の2016年には正二塁手として初めて全試合に出場する。同じ年のオフには背番号を39から5に変えた。
その後は左足首の手術などもあり、悔しいシーズンが続く。流れが変わったのは2022年だった。シーズン終盤から内野のユーティリティーとして出番を増やすと、ヤクルトとの日本シリーズでは11打数5安打。チーム26年ぶりの日本一に貢献した。
引退発表の時点で今季は42試合、打率.206にとどまっており、9月24日に球団が引退を発表した。最終戦を終えた通算成績は以下のとおりだ。
| 項目 | 通算成績 |
|---|---|
| 試合数 | 750試合 |
| 安打 | 615本 |
| 打率 | .264 |
| 本塁打 | 16本 |
| 打点 | 176打点 |
ドラフト7位、身長167cm。入団時に目立つ立場ではなかった選手が、750試合に出場して615本の安打を積み上げた。
「自分にしかできないこともある」後輩へ残した言葉
試合後の取材で、西野は自身の体格にも触れた。「身長が小さかったりとか人よりもハンデがあったりしても大きい人と一緒のステージでやらなきゃいけない世界だけど、自分にしかできないこともある」。小柄な体でプロの二塁を守り続けた実感が、この言葉に表れている。
セレモニーではファンに向けて、これからの選手たちへ「自分に送ってくれた以上に熱い声援を送ってあげてください」と呼びかけた。自身の応援歌の歌詞にある「動き回る元気」を見せられなくなるのは「少し寂しい」とも話している。
本拠地・京セラドームの打席に立つのは、26日が最後になった。現役最終打席で放った左中間への二塁打は、通算615本目の安打として記録に残る。
関連記事:伊藤大海、8回4安打無失点で10勝目 3年連続5度目の2桁勝利、日本ハムで2桁勝利5度以上はダルビッシュ以来
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]








































































コメントはこちら