大の里、6場所ぶり6度目の優勝 安青錦との相星決戦を突き出しで制し秋場所3年連続V

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大相撲秋場所千秋楽の9月27日、一人横綱の大の里(26)=二所ノ関=が結びで大関安青錦(22)=安治川=との3敗同士の相星決戦を突き出しで制し、12勝3敗で6場所ぶり6度目の優勝を決めた。秋場所は3年連続の制覇で、1994〜98年に5連覇した貴乃花以来となる。左肩のけがに苦しんだ1年を越え、表彰式では涙を見せた。
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結びの一番、もろ手から一気に突き出す
東京・両国国技館で行われた千秋楽。3敗で並ぶのは大の里と安青錦の2人だけで、結びの勝者がそのまま賜杯を手にする。3敗同士が本割でぶつかる相星決戦は、大の里にとって初めての経験だった。
立ち合いで大の里は、右を固めて当たるいつもの形ではなく、もろ手で突き放していった。低く構える安青錦の上体が起きると、休まず前へ出る。左前回しを狙った大関の手は届かず、一気に土俵の外へ突き出した。
この白星で6度目の優勝。中日スポーツによると、現役力士で最多の優勝回数だ。前回の優勝は横綱として初の賜杯を抱いた2025年秋場所で、ちょうど1年ぶりとなった。
秋場所は2024年、2025年に続く3連覇。秋場所を3年続けて制したのは、1994年から98年まで5年連続で頂点に立った元横綱貴乃花以来となる。横綱豊昇龍が休場し、番付上ただ一人の横綱として15日間を務めた場所でもあった。
独走から連敗、並ばれて迎えた千秋楽
序盤は危うさもあった。初日は小結大栄翔に勝って白星発進したものの、4日目には高安に金星を配給する。引いて相手を呼び込む場面も目立ち、立ち上がりは安定しなかった。
中盤からは前に出る相撲が増え、白星を重ねる。12日目を終えて11勝1敗、2位に2差をつけての単独首位。優勝は目前に見えた。
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だが、13日目に大関霧島、14日目に大関琴桜に敗れて2連敗。その間に安青錦が追い上げ、ついに3敗で並ばれた。
安青錦は序盤に3連敗を喫しながら、そこから白星を積み上げて優勝争いに加わった。2025年九州場所、2026年初場所、7月の名古屋場所と、すでに3度の優勝を持つ22歳。今場所は2場所連続、4度目の賜杯がかかっていた。
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八角理事長(元横綱北勝海)は、14日目の黒星がかえって良かったとみる。「大の里は昨日負けてよかった。(千秋楽は)勝つか負けるかに集中できると思う」と話し、結びの内容について「これを安青錦にできるのは横綱だけ」とたたえた。
左肩のけがで休場続き、苦しんだ1年
1年ぶりの賜杯までの道のりは長かった。
2025年11月の九州場所13日目に左肩を痛め、千秋楽は初土俵以来初めての休場となった。年が明けた初場所は10勝止まり。3月の春場所は初日から3連敗して4日目から休場し、5月の夏場所は初日から全休した。横綱として2場所連続の休場だった。
7月の名古屋場所で復帰したが、成績は9勝6敗。優勝争いに絡めず、八角理事長からも厳しい言葉を受けた。
支えになったのが、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の言葉だ。読売新聞によると、名古屋場所の途中で休場の危機に立たされた際、親方から「弱くなったわけじゃない。自分を信じて続けろ」と声をかけられ、それを励みにしてきたという。
その師匠は、弟子の1年をこう受け止めていた。「悔しさも恥ずかしさもあったと思う。それが今場所の糧になった」。優勝を見届けた後には「今日ぐらいは褒めてあげてもいいのかな」と表情を緩めた。
国歌斉唱で涙、「この景色だけを見たくて」
表彰式の君が代が流れる中、大の里は左手で顔を覆うようにして涙をぬぐった。土俵上で感情をあまり見せない横綱が、人目をはばからずに泣いた。
優勝インタビューでは、1年分の思いを言葉にした。
「去年けがして、どうなるかと思った。ただ、この景色だけを見たくて、なんとか頑張ってきた」
「本当にまた優勝できるのかなと考えた時期もあった」とも明かしている。結びの一番に向けては「朝起きた時から、『腹を決めて走る』悔いの残らないような、弱気にならないような相撲を取ることを考えた」と語り、取材の中では「自分の中ですごく長い1年だった」と繰り返した。
SNSでも国歌斉唱中の涙に反応が相次ぎ、中日スポーツなどが「大の里の涙に涙」といったファンの投稿を紹介した。
優勝パレードの旗手は、横綱土俵入りで太刀持ちを務める兄弟子の高安(36)=田子ノ浦=が務めた。日刊スポーツによると、二所ノ関親方から約2日前に依頼があったといい、高安は「光栄なことです」と話した。
安青錦は綱とりならず、次は九州場所
敗れた安青錦は11勝4敗。取組後には「いい相撲、悪い相撲もあった。まだまだだなという感想ですね」と振り返り、「もちろん優勝したかったですけど、こういう経験を来場所に生かして頑張りたいです」と前を向いた。
11月の九州場所が綱とりの場所になるかどうか。審判部長の浅香山親方(元大関魁皇)は「11番というところではなかなか厳しいでしょうね」と述べ、慎重な見方を示している。
三賞は関脇藤ノ川と平幕の美ノ海が敢闘賞を受け、殊勲賞と技能賞は該当者なしだった。
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大の里は「また強い横綱を見せられるよう、しっかりと稽古に精進して頑張りたい」と話し、次の目標として「ハイレベルな優勝」を掲げた。九州場所は11月8日、福岡国際センターで初日を迎える。1年前にけがをした土俵で、今度は横綱らしい15日間を見せられるか。
大の里の横綱昇進までの歩みは、地元・石川の北國新聞社が2025年6月に発売した報道写真集『第75代横綱 大の里』にまとめられている。
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[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]








































































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