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ゴジラ-0.0にキングギドラ登場、山崎監督『約55年かけて』 NY映画祭で世界初披露

ゴジラ-0.0にキングギドラ登場、山崎監督『約55年かけて』 NY映画祭で世界初披露

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山崎貴監督(62)の新作映画『ゴジラ-0.0』が現地時間9月26日(日本時間27日)、第64回ニューヨーク映画祭で世界初上映された。上映後の質疑応答で、宇宙怪獣キングギドラが登場することが初めて明かされた。長野県松本市出身の山崎監督は「約55年かけて、幼少期から思い描いていたキングギドラを登場させることができました」と語った。日本公開は11月3日。

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1000人超の会場で世界初上映、Q&Aでギドラを明言

舞台はニューヨークのリンカーン・センター内にあるアリス・タリー・ホールだった。『ゴジラ-0.0』は映画祭のスポットライト・ガラ部門に選ばれ、1000人を超える観客の前でワールドプレミアを迎えた。監督の山崎と、主演の神木隆之介(33)、ヒロインの浜辺美波(26)が現地入りし、プレスカンファレンス、レッドカーペット、公式上映と一日がかりの日程をこなした。

キングギドラの名前が出たのは、上映後のQ&Aだった。登場させた理由を問われた山崎監督は、冒頭の「約55年かけて」の言葉で答えている。会場は大歓声に包まれた。

公開前、物語の中身はほとんど伏せられていた。明かされていたのは、前作『ゴジラ-1.0』の2年後にあたる1949年の日本が舞台という点くらいだ。それでもファンの考察は止まらなかった。予告編の「あれはゴジラではない」というせりふや、金属音のような鳴き声から、キングギドラの登場を予想する声が早くから多かった。9月8日に公開された予告映像は、日本版と海外版を合わせて公開から1週間で1400万回再生を超えている。

ニューヨーク映画祭は、フィルム・アット・リンカーン・センターが主催し、1963年に始まった。日本映画では是枝裕和監督の『万引き家族』や濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が選ばれてきた。1954年11月3日公開の初代『ゴジラ』から続くシリーズが、この映画祭に出品されたのは初めてになる。

「約55年」の起点は松本の銭湯に貼られたポスター

キングギドラが初めてスクリーンに現れたのは、1964年12月20日公開の『三大怪獣 地球最大の決戦』(本多猪四郎監督)だった。黒部峡谷に落ちた隕石から生まれたギドラは、長野県の松本城の上空を通過する。ゴジラ、ラドン、モスラの3体が手を組んで立ち向かう筋立てで、ギドラはその後もシリーズ最大の敵役として何度も登場する。

山崎監督にとって、この作品は特別な1本になる。『ゴジラ-1.0』公開前の2023年9月29日、東京・池袋で開かれた自選のゴジラ上映会で、監督は同作を選んだ理由を「僕にとって因縁の作品なんです…」と切り出していた。

その日語られたのは、少年時代の思い出だった。「1964年は僕が生まれた年。小学3年生の時に家のお風呂が壊れて家族で銭湯に行くことになり、そこにこの作品のリバイバル上映のポスターが貼ってあったんです。それを見る限り、どうやら松本城を壊すらしい」。地元の城が怪獣に襲われると知った少年は、父に「もう他に映画を観せてくれなくていいからこれだけは連れてってくれ」と頼み込んだ。願いはかなったものの、その後は「約束だから」と映画館へ連れて行ってもらえなくなったという。会場は笑いに包まれた。

同じ上映会には、1964年版のキングギドラの造形を手がけた村瀬継蔵も登壇した。山崎監督はギドラについて「キングギドラはシルエットが天才的で、ドラゴンの神々しさも持っていて、とにかくすごい」と絶賛している。

銭湯のポスターに胸を躍らせた少年が、62歳の監督となり、自らの手でギドラを描いた。ニューヨークでの「約55年」という言葉は、この記憶の延長線上にある。

原点となった『三大怪獣 地球最大の決戦』は、4Kリマスター版のBlu-rayが発売されている。

『ゴジラ-1.0』のオスカーから続く物語

前作『ゴジラ-1.0』は2023年11月3日に公開された。戦争で「無(ゼロ)」になった日本を、ゴジラが「負(マイナス)」へ突き落とす物語だ。2024年3月(現地時間10日)の第96回アカデミー賞では視覚効果賞を受け、日本映画として初めて同賞を手にしている。監督・脚本に加えVFXも担った山崎監督は、オスカー像を受け取った4人のうちの1人だった。

続編の話は早くから動いていた。プレスカンファレンスで山崎監督は、関係者に前作を見てもらった頃から少しずつ話が出始め、前作の公開初日には続編が決まっていたと明かした。ネット上にあふれた続編の予想も意識したという。「作品を創る側としてはお客さんの憶測通りでは悔しいので(笑)、ビックリするような方向にもっていこうと意識しましたし、そういった情報が凄くいい刺激にもなりました」。

タイトルの「-0.0」にも触れた。「ある分野ではゼロにマイナスをつけると、ゼロに向かっていく力のようなものを表現しているようなんです」と説明し、中心に置いたのは、せめて普通の暮らしを営みたいと願う敷島家の思いだと語る。そのうえで「もし万が一、3作目を作る! となった時に、どうしたらいいかすごく難しいなと思っています(笑)」と続け、笑いを誘った。

神木が演じる元戦闘機乗りの敷島浩一、浜辺が演じる典子は前作から続投する。山田裕貴、佐々木蔵之介、安藤サクラ、吉岡秀隆らおなじみの顔ぶれに、國村隼、長澤まさみ、田中泯らが加わった。

関連記事:『ゴジラ-0.0』邦画初IMAXで制作、田中泯の生物学者役にファン『すごすぎる』『あり得ないキャスティング』

オスカー受賞作をもう一度見返したい人向けには、『ゴジラ-1.0』の2枚組Blu-rayが2024年5月1日に発売されている。

神木「胸にグワーッと」、観客は総立ちの拍手

3人は客席で観客と一緒に本編を見届けた。ゴジラが姿を現した場面では悲鳴と歓声が入り交じり、本編が終わると拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーションが続いた。

神木は直前の9月24日(日本時間25日)、ロサンゼルスのドジャー・スタジアムでドジャース対パドレス戦の始球式を務めたばかりだった。背番号「-0.0」のユニホーム姿で投げた2日後に、今度はニューヨークの映画祭に立つ。上映後は「スタンディングオベーションの圧がすごかったです! なんだか胸にグワーッときました!」と興奮を隠さなかった。

浜辺にとっては、アジア以外の海外映画祭に参加するのは初めての経験になる。「一緒に上映を観ていたので、観客の皆さんの反応を間近で見ることができてすごく楽しくていい経験になりました」と振り返った。前作に続いて明子役を務めた永谷咲笑の成長ぶりにも触れ、「私たちもすごく助けられました」と感謝している。

山崎監督の表情には、安堵がにじむ。「海外でプレミアをやるのは、どういうリアクションが来るか分からなかったので、正直怖かったです。温かい反応をいただけてひとまず安心しました」。

現地の観客からは「ゴジラ映画は全38作観てきましたが、これが最高傑作かもしれません」「冒頭の4分間が本当に凄かったです」といった感想が寄せられた。

11月3日公開、IMAX31館では0時から最速上映

『ゴジラ-0.0』は11月3日(火・祝)に全国で公開される。初代『ゴジラ』、前作『ゴジラ-1.0』と同じ11月3日だ。北米では3日後の11月6日に公開され、同じ週に中南米、欧州、アジア、中東、オーストラリア、ニュージーランドでもほぼ同時に公開される予定になっている。

邦画で初めて「Filmed for IMAX」の認定を受けた作品でもある。IMAXの映像処理と音響設計を撮影段階から取り入れており、公開初日の11月3日午前0時からは全国のIMAX劇場31館で最速上映が行われる。最速上映のチケットは10月3日午前0時から各劇場の公式サイトで売り出す。

公開直後の11月6日からは、前作と本作の製作資料を集めた特別展「ゴジラ博 マイナスの世界」も大丸東京店で始まる。

関連記事:ゴジラ博 マイナスの世界、2026年11月より東京・大阪2会場で開催 大丸東京店と大丸梅田店

公開までに前作やギドラの初登場作を見ておきたい人もいるだろう。9月28日時点で、『ゴジラ-1.0』と『三大怪獣 地球最大の決戦』はどちらもU-NEXTの見放題作品として配信されている。

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ワールドプレミアでギドラの存在が明かされたことで、物語の残りの謎は11月3日の公開日まで持ち越しになる。62年前に松本城の上空を飛んだ三つ首の怪獣が、山崎監督の手でどんな姿になったのか。答えはスクリーンで確かめるしかない。

[文/構成 by エンタメライター 和泉ユウスケ]

寄稿者

和泉ユウスケ
映画とアニメのことばかり書いているライターの和泉です。Webメディアで映画レビューを書き始めて9年になりました。深夜アニメは毎クール20本前後を追いかけ、映画館には月に数回、公開初日にもよく出没します。公開日・配信日・キャスト情報は正確に、ネタバレには慎重にお届けします。

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