台湾周辺”正義使命2025″演習が終了 航空便10万人影響で台湾旅行の安全心配する声も

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中国人民解放軍は2025年12月29日から30日にかけ、台湾周辺で軍事演習「正義使命-2025」を実施した。演習区域は台湾の領海にまで及び、実弾射撃も行われた。この影響で、国際線・国内線合わせて941便、10万人以上の旅客の足が乱れた。台湾当局は、演習の通知がわずか1日前だったことを「国際規範への重大な違反」と強く非難している。
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中国軍、台湾周辺で過去最大規模の演習 空の便10万人に影響
中国人民解放軍東部戦区は2025年12月29日から30日にかけて、台湾を包囲する形で大規模な軍事演習「正義使命-2025」を実施した。陸・海・空軍およびロケット軍を動員し、台湾海峡と台湾本島の北部、南西部、南東部、東部の海空域で訓練を展開。30日には実弾射撃も行われた。この演習は、東アジアの空の交通網に深刻な影響を及ぼし、国際線と国内線を合わせて10万人以上の旅客の移動に支障が出た。
過去最大規模の演習、その狙いと実態
今回の演習は、2022年以降に中国が台湾周辺で実施した7度目の大規模演習であり、その範囲と台湾本島への近接性において過去最大規模となった。中国側は演習の目的を「『台湾独立』分裂勢力と外部干渉勢力に対する厳重な警告」であり、「国家の主権と統一を守るための正当かつ必要な行動」であると主張している。
背景には、12月17日に米国政府が発表した過去最大規模となる111億ドル(約1.6兆円)の対台湾武器売却や、日本の高市早苗首相が国会で「台湾有事は日本の存立危機事態になりうる」と明言したことへの対抗措置との見方が強い。
台湾本島に最接近、領海内に設定された演習区域
演習区域は当初の5カ所から7カ所に拡大され、その一部は台湾が領海と主張する沿岸から12海里(約22キロ)の内側に設定された。台湾本島最南端の鵝鑾鼻(ガランピ)から5海里(約9キロ)未満の距離にまで迫る区域もあり、これは2022年の演習時よりもさらに本島に接近した形である。台湾国防部は、自国の領海内で外国軍が実弾射撃を行うことは極めて挑発的な構図だと指摘している。
30日には、中国軍のロケット軍部隊が福建省の沿岸部から台湾北部の海域に向けて17発、南部の海域に向けて10発の遠距離ロケット弾を発射した。着弾点は台湾の接続水域(24海里)周辺に及んだ。

「港湾封鎖」と「外部介入阻止」を誇示
演習科目には「要港要域封控(主要港湾・重要海域の封鎖)」や「外線立體懾阻(外部からの立体的抑止)」が含まれた。これは、有事の際に台湾の主要港湾である基隆港や高雄港を封鎖し、同時に米国や日本など外部からの軍事支援を阻止する能力(A2/AD、接近阻止・領域拒否)を誇示する狙いがあると専門家は分析している。中国側が演習目的として「外部からの軍事介入抑止」を公に明言したのは今回が初めてである。
中国国営メディアは「正義之盾(正義の盾)」と題したポスターを公開し、米軍の輸送機や潜水艦が台湾に接近するのを阻止する様子を描写。台湾への補給路と、「台独」分子の退路を断つ訓練であることを示唆した。












































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