岩田寛、45歳でコスモスカップ優勝 今季2勝目は史上7人目となる45歳以上の複数回V

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男子ゴルフの国内ツアー新規大会「ドラッグストア・コスモスカップ」は10月4日、静岡県のグランフィールズカントリークラブで最終ラウンドがあり、岩田寛(45)=JCRファーマ=が通算13アンダーで初代王者になった。6月の「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」に続く今季2勝目で、ツアー通算9勝目。45歳以上での年間複数回優勝は、日本ゴルフツアー機構(JGTO)によると史上7人目だ。
5打差のリードが1打差に 18番で決着
大会は今季から新設され、7156ヤード、パー70の設定で10月1日に開幕した。選手会副会長の堀川未来夢が5月の中日クラウンズで優勝した後、コスモス薬品に開催を直談判したのが始まりだ。会場のグランフィールズカントリークラブにJGTOから正式に話が持ち込まれたのは6月で、開催発表は7月7日。最終日の観衆は3086人だった。
5打差の単独首位から出た最終日は、4日間でもっとも強い風が吹いた。尾根の上に切られたピンも多く、岩田は3番で3パットのボギーが先行する。それでも5番パー5で2〜3メートル、7番パー3では10メートル近いスライスラインを沈めて立て直し、2位に6打差をつけて後半へ入った。
だが、ここから流れが変わる。13番はティーショットを左に曲げてボギー。15番では右の10番ホール方向へ打ち込み、ダブルボギーを叩いた。14番でバーディーを奪っていた勝亦悠斗(32)=コヤマ・ミライエ=との差は、このダブルボギーで2打に縮まる。岩田が17番パー3で3パットのボギーを喫すると、差はわずか1打になった。
最終18番。先に勝亦が6メートルのバーディーパットを決めて雄たけびを上げ、キャディーとハイタッチを交わす。並ばれた岩田は約3メートルのスライスラインを沈め返し、1打差で逃げ切った。この日は3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの「72」。4日間のスコアは66、65、64、72で、優勝賞金3000万円を手にした。
| 順位 | 選手 | 通算スコア | 最終日 |
|---|---|---|---|
| 優勝 | 岩田寛 | 13アンダー(267) | 72 |
| 2位 | 勝亦悠斗 | 12アンダー(268) | 68 |
| 3位 | 永野竜太郎 | 8アンダー | 66 |
| 4位タイ | 中野麟太朗、香妻陣一朗、藤本佳則、三島泰哉、小田祥平 | 5アンダー | ― |
静岡県富士市出身の勝亦は、初日に「63」を出して2日目には単独首位に立っていた。地元でのツアー初優勝こそ逃したものの、自己最高の2位で、来季の初シードも手中に収めている。18番のハイタッチについて、岩田は「この野郎と思った。見たか!と、こみ上げるものがあった」と冗談めかし、JGTOの取材には「あれがなければ僕は入ってなかったかもしれないです」と、年下のライバルをたたえた。
関連記事:勝亦悠斗、コスモスカップ第2日で単独首位に浮上 レギュラーツアー未勝利、岩田寛に1打差の通算10アンダー
AONらに続く記録 藤田寛之以来12年ぶり
45歳以降に同じシーズンで2勝以上を挙げた選手は、これまで杉原輝雄、青木功、尾崎将司、中嶋常幸、尾崎直道、藤田寛之の6人しかいない。尾崎将司は1992年から99年まで8年続けて記録し、杉原と青木はそれぞれ3度。中嶋は2002年、尾崎直道は2005年、藤田は2014年に1度ずつ果たした。岩田の名前が加わるのは、藤田以来12年ぶりとなった。
本人の受け止めは控えめだった。「恐れ多い。まだまだ足元にも及んでいない」と首を振り、手放しで喜ぶ様子はない。後半の乱れを「途中がすごく残念。情けない」と悔やみ、悔しさはうれしさの「7倍」だという。優勝インタビューでは「大量リードは初めてだったので、どうなるか分からなくて」と明かし、「ちょっと負けたかもと思いました」と笑った。
40代の勝ち星が多いのも特徴だ。2014年のフジサンケイクラシックでツアー初優勝を挙げた岩田は、通算9勝のうち7勝を40代で積み上げてきた。初めての年間2勝は2024年で、日本ゴルフツアー選手権とカシオワールドオープンを制している。6月の日本ゴルフツアー選手権では、同大会2勝目を自身の最年長優勝記録の更新で飾った。
海外への思いと「毎週のように」替えるクラブ
仙台市生まれで、仙台育英高から東北福祉大を経て2004年にプロ転向した。2015年8月の全米プロ選手権では2日目に「63」をマークし、当時のメジャー最少スコアに並ぶ。翌16年は米PGAツアーを主戦場にしたがシード権には届かず、17年から日本に軸足を戻した経緯がある。
それでも海外への気持ちは消えていない。米ツアーでの苦しい時期を問われると「アメリカの苦しい時間は、もう本当に覚えてないです。楽しかったなってしか、今は思ってないです」と語った。再挑戦の動機は「単純に上手くなりたいっていうのと、海外でやりたい、ただそれだけ」。2025年には欧州のDPワールドツアーでもプレーしており、シーズン終盤のランキング最上位者に開かれる米欧ツアーへの道を見据える。
道具選びにも、その向上心が表れる。曲がりが出ていたとして、ドライバーを大会直前にタイトリストの「GTS2」へ替えた。6月の優勝後も「韓国で替えたり、ANAオープンで替えたり、先週替えたり、で、また今週替えました」と、ほぼ毎試合のように試行錯誤を続ける。58度のウェッジも今週からグースネック形状に変えた。一方でアイアンを「ミズノプロ S-1」にした理由は「かっこいいから」と笑い、シャフトは「もうテストもしたくない」と替えない。こだわる所と割り切る所が、はっきり分かれている。
ポイントランキング2位に浮上 次週は米ツアー日本大会
JGTOのポイントランキング(10月5日時点)で岩田は2位に上がった。首位は今季1勝の細野勇策。同ランキングに載る獲得賞金は岩田が6846万8188円で、細野の6810万1555円をわずかに上回る。
11月のダンロップフェニックス終了時にポイントランキング首位なら米ツアー最終予選会の出場資格を得られ、年間王者になれば来季の欧州ツアー参戦にも道が開ける。岩田は「両方頭にある。日々努力をして、チャンスが来たらものにしたい」と話している。
次週は10月8日から横浜カントリークラブで行われる米PGAツアーの「ベイカレント・クラシック」に出場する。「45歳になりましたが、輝き続けたいと思います」。そう話した45歳は、休む間もなく世界のトップ選手が集まる舞台へ向かう。
[文/構成 by スポーツライター 南條楓]










































































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