梶裕貴が新会社FRACTAL設立、音声AIと声優マネジメント事業を本格始動

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声優の梶裕貴が4月9日、新会社「株式会社FRACTAL」を設立し、代表取締役社長CEOに就任した。前日に長年所属した事務所から独立している。自身の声を元にしたAIプロジェクトを軸に、音声AI事業と声優マネジメントを展開する。人間とAIが共存する新しい表現の開拓へ乗り出した。
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梶裕貴が新会社設立、CEO就任で独立
声優の梶裕貴(40)が4月9日、自ら代表取締役社長CEOを務める新会社「株式会社FRACTAL」を設立した。同社は東京都中央区に拠点を置く。前日の8日をもって約13年間所属した事務所ヴィムスから独立し、新たなスタートを切った。
事業の柱は二つだ。一つは声優マネジメント事業、もう一つは自身の声を元にした音声AIプロジェクト「そよぎフラクタル」を軸とする音声AI事業を展開する。
梶は2004年にデビューして以来、「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役や「僕のヒーローアカデミア」の轟焦凍役など、数多くの話題作で主要キャラクターを演じてきた。2013年度には史上初の2年連続で声優アワード主演男優賞を受賞している。第一線で活躍を続けるトップ声優が、自ら会社を立ち上げて経営トップに就く異例の展開となった。
20周年を機に動き出したAIプロジェクト
転機は2024年に訪れた。声優活動20周年を記念し、音声AIと人間の共創を目指すプロジェクト「そよぎフラクタル」を始動する。自身の声を元にした音声合成ソフト「梵そよぎ」を開発し、クラウドファンディングでは目標額の1000万円を大きく上回る約3400万円の支援を集めた。
このプロジェクトは、プロアマ問わずクリエイターが自由に作品を生み出せる場所づくりを目的としている。イラストレーターの米山舞がキャラクターデザインを手がけ、作曲家の澤野弘之がメインテーマを担当するなど、著名なクリエイターも賛同して参加した。その後、CeVIO AI版やVoiSona版のソングボイスおよびトークボイスが正式に発売され、一般ユーザーへの普及が進む。
順調な滑り出しを見せた。だが、水面下ではさらなる大舞台に向けた準備が進んでいたのだ。
2026年3月8日、東京ガーデンシアターで3Dエンタテインメントライブ「梵そよぎ 1st EXPO『0rigin』」を開催し、昼夜2公演を成功させた。このイベントでは、SpiralAI株式会社の次世代LLM基盤「Geppetto2」やリアルタイムAI音声合成技術「Kotodama」を活用する。ステージ上でAIキャラクターが観客の質問にリアルタイムで答えるという、これまでにない体験を実現した。
さらに、2026年にはNintendo Switch向けアドベンチャーゲーム「Re:cord NOAH Fractal of Oblivion」の発売も控えている。下野紘や小西克幸ら人気声優陣が出演し、コンテンツの幅を広げた。これらの実績を引っ提げ、翌月に法人化へ踏み切る。
「風を読む蝶」に込めた決意
なぜ自ら会社を立ち上げたのか。
答えは2月に発表した独立の辞にあった。スポーツ報知の報道によると、梶は「人間とAIが共鳴し合う、声の表現における歴史の改革」を目指すと明かしている。テクノロジーが進化する中、あえてその渦中に飛び込み、自ら舵を取る覚悟を示した。さらに「生身の人間だからこそ生み出せる”声の魂”の価値を誰よりも信じ、守り抜きたい」と語る。
新会社のロゴには、幸運の蝶と呼ばれるユリシスバタフライのデザインを採用した。公式サイトの発表で、梶は「蝶が触角を使って風を読み、進路を決めるように、私たちも常に時代の変化を敏感に捉え、新しいアイデアのもと進み続ける存在でありたい」とコメントを寄せる。
続けて「自分にしか創り出せないクリエイティブの形を目指し、声優として、CEOとして、皆様の心に届く表現を追求し続けてまいります」と決意を述べた。
ファンや業界から相次ぐエール
この決断に対し、SNSでは驚きと期待が交錯する。
X(旧Twitter)では「リスクを恐れず先頭を走る梶君、凄い」と同業の声優から称賛が寄せられた。ファンからも「新しい景色を見せてほしい」「AIと人間の共存を応援する」といった投稿が相次ぎ、未知の領域へ挑む姿勢が好意的に受け止められている。
また、プロジェクトに技術提供を行う株式会社テクノスピーチの代表取締役は、公式サイト上で「音声における『AIと人間の共栄共存』のフラグシップとなる」と期待感を示した。
声優業界の未来をどう描くか
AI技術の発展は、声優業界に大きな波紋を呼んできた。無断学習による権利侵害や仕事の奪い合いが懸念される中、トップ声優が自らAI事業を主導する意味は重い。規制や反発ではなく、技術を正しく活用して新しいエンターテインメントを創り出す道を選んだ。
今、彼は経営者として新たなスタートラインに立つ。思えば20年前、一人の新人声優としてマイクの前に立った。そして再び今、誰も歩んだことのない道を切り拓こうとしている。
人間とAIの共存は実現するのか。声優・梶裕貴の挑戦が、業界の未来を左右する重要なきっかけとなるかもしれない。
[文/構成 by たかなし もか]



























































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