『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』公開9日間で興行収入10億円突破 川口春奈主演・高杉真宙共演、実話の手記が原作

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俳優の川口春奈が主演する映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日の公開から9日間で興行収入10億円を突破した。10月10日までの累計は興収11億2135万7090円、動員76万1125人。21歳でステージIVの大腸がんを宣告され、24歳で亡くなった遠藤和さんの手記が原作で、夫・将一さん役を高杉真宙が演じる。
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公開9日間で興収11億円、2週目の土曜は前週比114%
興収10億円突破は10月11日に公表された。10月10日(土)までの累計は興行収入11億2135万7090円、動員76万1125人。邦画でヒットの目安とされる10億円の線を、公開から10日を待たずに越えたことになる。
数字の伸び方にも特徴があった。公開2週目にあたる10月10日の興行収入は、前週の土曜日と比べて114%に伸びている。公開2週目に入って前週を上回る伸びは「異例」と報じられた。全国各地で満席の上映回が目立ったという。
公開初週の成績も好調だった。10月2日(金)から4日(日)までの全国映画動員ランキングで初登場1位。全国353館で公開され、初日からの3日間で動員約29万1000人、興収4億4081万円を記録した。金・土・日の3日間は、日を追うごとに動員が増える右肩上がりの推移だった。
病と向き合う人や家族を描いたヒット作と比べると、立ち上がりの強さが分かる。2022年公開の『余命10年』は初動3日間で動員22万8000人、興収3億円で、最終興収は30億円に達した。2017年公開の『8年越しの花嫁 奇跡の実話』は土日2日間で動員20万3800人、興収2億6300万円から最終興収28億2000万円まで伸ばしている。『8年越しの花嫁』は土日2日間の集計のため単純には比べられないが、本作の初動は『余命10年』を大きく上回り、『8年越しの花嫁』ともおおよそ同じ水準だ。
配給は東映。実写の日本映画で女性監督の作品が週末ランキング1位になるのは、約1年半ぶりだった。
原作は遠藤和さんが亡くなる10日前まで綴った手記
原作は、遠藤和(のどか)さんが綴った手記だ。日本テレビ系『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』の人気企画「結婚式の旅」で紹介され、反響を呼んだ夫婦の実話をもとにしている。
和さんは1997年、青森県生まれ。2018年、21歳のときにステージIVの大腸がんを宣告された。5年生存率は13%という診断だった。それでも22歳で6歳年上の将一さんと結婚し、抗がん剤治療を中断してでも子どもに会うことを選んで、23歳で長女を出産する。子育ての日々は、亡くなる10日前まで日記に書き続けた。和さんは2021年9月8日、24歳で亡くなった。
単行本は2021年12月に小学館から刊行され、2026年6月5日には娘と父の5年間の暮らしを綴った約1万8000字の特別寄稿を加えた文庫版が小学館文庫から出ている。
映画化のきっかけは、この手記に出会ったプロデューサーだった。抗がん剤治療を中断してまで子どもを産むという、正解のない問いに向き合い続けた遠藤夫妻の姿に勇気をもらい、映画化を決めたという。
将一さんは公開決定の際、映画化の話を受けたのは3年前で、脚本の読み合わせに2年をかけたことを明かしている。「完成した映画には確かに、あの頃のみんながいました」とのコメントも寄せた。
山戸結希監督が描く青森の夫婦と櫛引家の人々
物語の舞台は青森。遠藤和を川口春奈、夫の将一を高杉真宙が演じる。和の実家・櫛引家の三姉妹のうち、しっかり者の次女・遥を松本穂香、あどけなさが残る末っ子の結花を中島瑠菜が務めた。家族を支える父・慎吾をデビット伊東、娘の本音を誰よりも理解する母・美智子を小林聡美が演じている。ほかに清水くるみ、笠原秀幸、豊本明長、一ノ瀬颯、星野真里、森田望智らが出演する。
監督は『溺れるナイフ』(2016年)で知られる山戸結希で、長編映画は7年ぶりとなる。脚本は樋口幸之助、山戸結希、藤野眞功の3人が手がけた。音楽はVampillia、主題歌はVaundyの「しわあわせ」だ。
川口にとっては7年ぶりの映画主演。がんが進行していく姿を表すため、撮影は物語の順番どおりに進める順撮りで行われ、約2カ月の撮影期間に合わせて最終的に10キロ減量した。川口は公開決定時のコメントで「和さんの人生を自らの身体で残すことができたらと強く思い、肉体的にも精神的にも全てを捧げる覚悟で取り組みました」と明かしている。
高杉は本作が川口との初共演だった。「僕も和さんにとっての将一さんのようになれるよう、寄り添い支える立場として同じ時間を過ごしました」と役への向き合い方を語った。
川口は8月2日、サッカー日本代表の板倉滉との結婚と第1子の妊娠を発表している。本作の公開前のイベントにも登壇し、作品への思いを伝えてきた。
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公開前夜の舞台挨拶に届いた将一さんの手紙
公開前日の10月1日には、東京・豊洲のユナイテッド・シネマ豊洲で公開前夜舞台挨拶が開かれた。川口、高杉、松本、中島、デビット伊東、小林聡美、山戸監督が登壇している。
川口は「撮影当時はたくさん悩んで、孤独になりながら、これで合っているのかと葛藤していた時期もありました」と撮影の日々を打ち明けた。そのうえで「こういう一人の女性がいたこと。家族がいたことをシンプルに知っていただいて、たくさんの方に届いてくれたら」と続けている。
高杉は「今回の作品は、生半可な覚悟ではなし得なかったと思っている」と話し、どのシーンでも川口からその覚悟を感じたと明かした。「川口さんあってこそだと思っています」と主演への敬意も口にした。
会場では、キャストと監督へのサプライズとして将一さんからの手紙が読み上げられた。手紙には「出会ってからも、がんと分かってからの3年間も、僕らは精一杯生きました。後悔はしていません」とつづられ、大切な人との一日一日は当たり前が約束されたものではないと観客に呼びかけている。「僕はそのことを、和に教えてもらいました」という一文もあった。
手紙を受けて川口は、将一さんと家族が映画を託してくれたことへの感謝を述べた。最後には「この作品に出会えたこと、山戸監督に出会えたこと。ご家族、将一さん、和さんに出会えたこと。この作品に携われたこと。すべてが奇跡のようだと思っています」と語り、会場から大きな拍手が送られた。山戸監督は「この世界にたった一人の和さんからのバトンが、この世界にたった一人のあなたへと贈られることを祈っています」と思いを託した。
家族と観る観客が広げる口コミ
公開後、SNSには鑑賞した人の感想が相次いだ。「家族や大切な人との1分1秒を大切にしようと思えた」「久々に嗚咽するほど大号泣した」といった投稿のほか、「家族と一緒に観てきたけど皆で号泣した」「娘と観てきました。家族っていいなぁとボロボロ泣いてしまった」と、家族で劇場に足を運んだ人の感想も目立つ。映画の公式Instagramのフォロワーは10万人を超えた。
初動で比べた『余命10年』や『8年越しの花嫁 奇跡の実話』は、いずれも最終興収が30億円前後に届いた。本作は公開9日間ですでに11億円を超え、2週目の土曜日も興収が前週を上回った。和さんが娘と夫に遺した日記は、映画になって多くの観客のもとへ届いている。
[文/構成 by エンタメライター 和泉ユウスケ]


















































































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