広島、2026年ドラフト1位を公表せず 田村恵スカウト部長「まだ決まっていません」、過去4年の1位と今年の上位候補

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広島東洋カープは10月9日、マツダスタジアム内の球団事務所でスカウト会議を開き、10月22日のドラフト会議で1位指名する選手を公表しなかった。田村恵スカウト部長は「まだ決まっていません」と説明し、新井貴浩監督の意見を聞いたうえで、ドラフト前日と当日の会議で決める方針を示した。広島は2022年から4年続けてこの時期に1位を公表しており、見送りは5年ぶりとなった。
4年続いた「1位公表」が止まった10月9日
広島にとって10月のスカウト会議は、例年なら1位指名選手の名前が出る場だった。2022年の斉藤優汰、2023年の常廣羽也斗、2024年の宗山塁、2025年の立石正広。いずれもドラフト前最後の広島での会議で名前を明かし、そのまま本番の入札に臨んでいる。
2026年は違った。9日の会議は5回目で、話し合いは約2時間に及ぶ。指名候補88人を確認し、これまで映像で見られていなかった選手を中心に約20人の映像もチェックしたが、1位の名前は最後まで出なかった。
前回の会議では大学生と社会人から70人を候補に挙げ、50人分の映像を確認している。候補を絞り込む段階に入りながら、最上位の1人だけは白紙のまま。
ドラフト前最後の広島での会議で1位を伏せたのは、5年ぶりとなった。
「まだ決まっていません」田村部長が語った決め方
会議後の取材で、田村部長は1位について「まだ決まっていません。監督との話を踏まえて、またドラフト前日に会議をするという形を取ります」と答えた。「決まっていません。これからですよね」とも話し、この後に新井監督と話し合い、前日と当日にも会議を開く段取りを明かしている。
投手か野手か、という大枠も固まっていない。田村部長は「まだ方向性が定まっていない。投手か野手かもまだ…。監督の意見もある」と語り、ポジションについても「そこまでもいっていない」と説明した。
最終判断の場は東京になる。次の会議はドラフト前日の10月21日に東京で開く予定で、田村部長は「最終的には東京で決まるのではないか。もちろん他球団の動向もあるので、前日に決まるかどうかも…」と見通しを口にした。
見送りの背景に挙がったのが、横浜高の織田翔希投手だ。織田はNPBとMLBの両方を視野に入れ、10月15日に進路を明かす会見を開く。田村部長は「カープも横浜高校に面談に行かせてもらって、話をさせてもらう予定だが、そういうのも含めて。織田くんは、20年に一人ぐらいのレベル。彼が進路も決めていない状況で…」と、その影響を認めた。
関連記事:織田翔希、15日に進路会見 横浜高が発表、プロ志望届提出済みでメジャーも視野
過去4年の1位指名、公表した選手と抽選の結果
公表した選手をそのまま獲得できたのは、4年のうち2年だった。年ごとの結果は次のとおり。
| ドラフト年 | 公表した1位 | 1回目入札の結果 | 広島が交渉権を得た1位 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 斉藤優汰(苫小牧中央高・投手) | 単独指名で広島が交渉権 | 斉藤優汰 |
| 2023年 | 常廣羽也斗(青山学院大・投手) | 広島と楽天が競合、抽選で広島が交渉権 | 常廣羽也斗 |
| 2024年 | 宗山塁(明治大・内野手) | 広島・西武・楽天・日本ハム・ソフトバンクの5球団が競合、抽選で楽天が交渉権 | 佐々木泰(青山学院大・内野手、外れ1位で単独指名) |
| 2025年 | 立石正広(創価大・内野手) | 広島・日本ハム・阪神の3球団が競合、抽選で阪神が交渉権 | 平川蓮(仙台大・外野手、外れ1位で日本ハムと競合し、抽選で広島が交渉権) |
2022年の斉藤は高校生投手で単独指名、2023年の常廣は楽天との2球団競合を新井監督がくじで制した。ゲン担ぎはせず「力で引く」と宣言して臨んだ抽選で、引き当てた瞬間には「ヨシッ」と声を上げている。
流れが変わったのは2024年だ。広島は12球団で唯一、1位を事前に公表して宗山の指名に向かった。くじは前年に続いて新井監督が担当し、「今年も力で引き当てたい」と話していたが、5球団の抽選で楽天に交渉権が渡り、2回目の入札で青山学院大の佐々木泰を単独で指名している。
宗山の1位を公表した2024年10月11日、田村部長は「対象選手の中で一番高く評価した」と説明し、「決まっていることを隠すことはない。誠意を見せる意味でも公表する」と続けた。宗山は広島県三次市の出身で、広陵高から明治大へ進んだ遊撃手。部長は「地元から出たスーパースター候補」とも評していた。
2025年は10月13日、12球団で最も早く立石の1位指名を公表した。立石は広島の隣の山口県防府市出身で、地元に近いスター候補でもあった。田村部長は当時「1番評価した選手」と語っていたものの、3球団の抽選は阪神が引き当てる。外れ1位では仙台大の平川蓮を指名し、日本ハムとの抽選を制して交渉権を手にした。
2年続けて抽選で目玉選手を逃し、迎えた2026年。田村部長は他球団の動向も踏まえて決める考えを示し、入札の直前まで選択肢を残す道を選んだ。
今年の上位候補に挙がる4人
これまでの会議で名前が出ている上位候補は、大学生3人と高校生1人だ。
青山学院大の鈴木泰成投手(4年、東海大菅生高出身)と、近畿大の宮原廉投手(4年、崇徳高出身)は、田村部長が前回の会議で「鈴木くん、宮原くんは素晴らしい投手」と高く評価した2人になる。青山学院大の渡部海捕手(4年、智弁和歌山高出身)についても「捕手として素晴らしいものをもっている」と話していた。
3人はそろって、7月に台湾で開かれたワールドカレッジベースボールチャンピオンシップに臨む大学日本代表28人に選ばれている。主将は渡部が務め、日本は決勝で米国を6-3で破って大会初優勝を果たした。
身長187cmの右腕・鈴木は、7月の大学日本代表の練習試合で自己最速の155キロを計測した。その数字を秋に上回ったのが宮原だ。関西学生野球の秋季リーグで156キロを出し、9月の立命館大戦では1失点で完投している。宮原は広島県出身で、崇徳高から近畿大に進んだ。
渡部は智弁和歌山高2年だった2021年夏、正捕手として甲子園の優勝を経験している。
ここに織田が加わる。田村部長は9日、「重複するような投手もいますし、能力の高い捕手もいますし、大学生の投手はすごくレベルが高い。横浜の織田君も10年、15年、20年に1人のレベル。1位レベルの選手は多いと思います」と、候補の層の厚さを語った。
織田は2年春から4季続けて甲子園に出場した右腕で、最速は157キロ。夏の甲子園の後はU-18日本代表として台湾でのアジア選手権に加わり、スーパーラウンドの台湾戦で先発して6回3安打1失点に抑え、準優勝に貢献した。
投手なら大学生の鈴木、宮原か、高校生の織田。捕手なら渡部。補強ポイントは捕手、二遊間、投手と複数あり、どこに1位を使うかで指名の顔ぶれは大きく変わる。
チームの2026年は61勝78敗4分けの4位で終わった。全143試合を終えた時点で、チーム打率.223と総得点431はどちらもセ・リーグ6球団で最も低い。10月7日の最終戦は甲子園で阪神に延長11回サヨナラ負けを喫し、新井監督は「プロ野球は現状維持では取り残される」と来季への奮起を求めた。
編成部門の体制も動く。10月7日には、元ヤクルトGMの小川淳司氏を編成部門に招へいする方針が明らかになった。
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10月15日の織田会見、21日の東京会議を経て22日の本番へ
2026年のドラフト会議は10月22日(木)、16時50分に始まる予定だ。広島の日程は、15日の織田の進路表明、21日の東京での会議、22日当日の会議と続く。
1位指名は12球団が同時に入札し、重なれば抽選で交渉権が決まる。4年続けた公表をやめた広島が誰の名前を書くのかは、10月22日の1回目の入札で明らかになる。
[文/構成 by スポーツライター TAKU]









































































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