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小川淳司元ヤクルトGM、広島が編成部門に招へいへ 21・22年のリーグ連覇を支え、来年1月から関東拠点で始動予定

小川淳司元ヤクルトGM、広島が編成部門に招へいへ 21・22年のリーグ連覇を支え、来年1月から関東拠点で始動予定

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広島が、ヤクルトで2度の監督とGMを務めた小川淳司氏(69)を来季から編成部門に迎えることが10月7日から8日にかけて分かった。松田元オーナーは8日、球団事務所で招へいを認め、役職を含めた正式発表は近日中の見通しだ。小川氏は来年1月から関東地方を拠点に活動する見込みで、1軍と2軍の試合を視察しながら補強に向けた情報収集を担う。

松田オーナーが招へいを認め、役職は近く正式発表へ

招へいの方針は10月7日に分かった。翌8日、松田オーナーは広島市南区の球団事務所で取材に応じ、小川氏を来季の編成部門に招くことを明らかにした。そのうえで「広い人脈を生かして情報収集や交渉につなげる役割を期待している」と語った。

10月9日時点で、球団は具体的な役職名をまだ公表していない。役職を含めた正式発表は近日中に行われる見通しだ。オーナー自身が招へいを認めた一方、肩書きや契約の中身は球団の発表を待つ段階にある。

活動の拠点は広島ではなく関東になる。小川氏は来年1月から関東地方を拠点に活動する見込みで、1、2軍の試合を視察するなど編成業務に関わる予定だ。現場とフロントの両方で積んだ経験に加え、関東の球団とのパイプも多く、球団は編成面からチームの立て直しを図る。

球団OB中心の編成に、他球団のGM経験者

広島の編成部門は、これまで球団OBを中心に組まれてきた。同じセ・リーグのライバル球団で監督とGMを務めた人物を外から招くのは、異例の人事だ。

背景には成績の低迷がある。2026年の広島は143試合を61勝78敗4分けで終え、セ・リーグ4位。首位の阪神とは17ゲーム差がつき、3年連続のBクラスとなった。本拠地でも34勝36敗1分けと負け越し、新井貴浩監督の就任後では初めてホームで白星が黒星を下回った。

関連記事:新井貴浩監督、本拠地最終戦の挨拶で謝罪し「生まれ変わります」 3年連続Bクラスの広島が阪神に逆転勝ちした最終戦

グラウンドの外でも揺れた1年だった。1月には当時の所属選手が通称「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物エトミデートの使用の疑いで逮捕され、球団は2月に契約を解除した。10月1日には、内野手を中心とする4選手と来季の契約を結ばないと発表している。球団は4選手が指定薬物を使用した事実は確認できていないと説明したうえで、信頼関係を築くのが難しいと判断した。

新井監督は来季も続投し、就任5年目を迎える。10月3日の本拠地最終戦後のセレモニーでは、ファンに頭を下げたうえで「我々カープは来シーズン生まれ変わります」と宣言した。編成部門の顔ぶれが変わるのは、その最初の一手になる。

習志野のエースから、ヤクルトひと筋の指導者へ

小川氏は1957年8月30日、千葉県習志野市生まれ。習志野高ではエースとして1975年夏の甲子園で優勝した。中央大で外野手に転向し、社会人の河合楽器を経て、1981年のドラフト4位でヤクルトに入団する。1984年と1985年には右翼のレギュラーに定着した。

1992年に日本ハムへ移り、その年限りで現役を退く。プロでの所属はヤクルトと日本ハムの2球団で、広島でのプレー経験はない。通算成績は940試合で412安打、66本塁打、打率.236だった。

引退の翌年、1993年にヤクルトへ戻ると、スカウト、2軍守備走塁コーチを経て、1999年から2007年まで2軍監督を9年間務めた。2008年からは1軍ヘッドコーチに就く。転機は2010年に訪れた。高田繁監督の辞任を受けて5月に監督代行となり、不振のチームを立て直してシーズンを終えている。

監督としての指揮は2度にわたる。最初は2011年から2014年までで、1年目の2011年はリーグ2位に入った。退任後の2015年から2017年まではシニアディレクターとしてフロントに回り、2018年に監督へ復帰すると、その年も2位でシーズンを終えている。

年立場順位成績
2010年監督代行(5月から)4位59勝36敗3分け(代行期間)
2011年監督2位70勝59敗15分け
2012年監督3位68勝65敗11分け
2013年監督6位57勝83敗4分け
2014年監督6位60勝81敗3分け
2018年監督2位75勝66敗2分け
2019年監督6位59勝82敗2分け

監督代行の期間を含む通算成績は448勝472敗40分け。448勝は、野村克也、若松勉に次ぐ球団歴代3位の数字だ。

GMとして見届けた2年連続のリーグ制覇

2019年限りで監督を退いた小川氏は、2020年から球団初のGMに就いた。チーム編成のトップとして迎えた2年目の2021年、ヤクルトはリーグ優勝から日本一まで駆け上がり、2022年もリーグを制して連覇を果たす。シニアディレクター時代の2015年を含め、ヤクルトのリーグ優勝3度を編成の側から支えた。

手腕が目立ったのがトレードだった。2021年3月1日、ヤクルトの廣岡大志内野手と巨人の田口麗斗投手の交換トレードが成立する。開幕まで1カ月を切った時期に、同じリーグの球団同士が主力級の選手を入れ替えた。左腕の田口はその年からヤクルトの投手陣に加わり、連覇の2シーズンを戦った。補強はトレードだけではない。GM就任1年目の2020年オフには、新外国人のオスナとサンタナを獲得し、国内FA権を持っていた山田哲人、石山泰稚、小川泰弘の3人も残留させた。2021年はサンタナが19本塁打、オスナが13本塁打を放ち、2022年はオスナが20本塁打を記録している。

GMは2025年まで6年間務めた。ヤクルトは2025年12月5日、小川氏が12月31日付でGMを退任し、後任にGM特別補佐だった青木宣親氏が就くと発表している。退団にあたり、小川氏は「いろいろな方と出合って今のポジションがある」と感謝を述べた。今季はゴールドジム女子硬式野球部の監督を務めながら、野球評論家としても活動していた。

トレード停滞とFA権取得、小川氏に求められる仕事

なぜ外部の人材なのか。

答えの一つは、広島の補強の動きの少なさにある。交換トレードは2019年7月を最後に行っておらず、12球団で最も長く遠ざかっている。2022年途中に秋山翔吾を獲得したものの、選手の大きな入れ替えはなかった。他球団と太いパイプを持つ小川氏の人脈は、この停滞を動かす材料になる。

足元の課題も重なる。今季は森下暢仁、床田寛樹の両投手と坂倉将吾の3人が国内FA権を新たに取得した。投打の柱が権利を行使するかどうかで、来季の戦力は大きく変わる。4選手との契約を結ばない決定もあり、内野を中心に空いた穴を埋める作業が待つ。

小川氏の拠点となる関東には、ヤクルト、巨人、DeNA、西武、ロッテの5球団が本拠地を構える。1軍だけでなく2軍の試合にも足を運び、他球団の選手の力量を自分の目で確かめられる環境だ。スカウトから監督、GMまで、ヤクルトで30年以上にわたり現場とフロントを行き来した経験が、広島の編成にどう生かされるのか。

就任5年目の新井監督と、来年1月に動き出す小川氏。「生まれ変わる」と誓った広島の再建は、編成部門から始まる。

[文/構成 by スポーツライター TAKU]

寄稿者

TAKU
ボールを使う競技なら何でも観ます、TAKUです。学生時代はずっとバスケ部、いまは週末にフットサル。スポーツを中心に書くWebライターになって5年です。Bリーグ、バレーボール、ラグビー、テニスを中心に、野球やサッカーも書きます。試合の流れが変わった瞬間を、スコアと一緒に伝えるのが得意です。

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