リリー・フランキー主演映画、邦題は『ひとりで死ぬのはイヤだから』 2027年1月16日公開

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リリー・フランキー(62)が主演した日本・マレーシア・フィリピン合作映画『Diamonds in the Sand』が、『ひとりで死ぬのはイヤだから』の邦題で2027年1月16日に公開される。配給はSpanic Films。東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次上映する。孤独死を恐れる東京の会社員がフィリピン・マニラへ渡る物語で、10月7日には日本版の予告編とポスタービジュアルも解禁された。
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原題『Diamonds in the Sand』に邦題、ポレポレ東中野から全国へ
邦題と公開日の発表は10月7日だった。原題は『Diamonds in the Sand』。2024年製作、上映時間は102分で、日本・フィリピン・マレーシアの3カ国による国際共同製作となる。監督と脚本はフィリピン・マニラを拠点に活動するジャヌス・ヴィクトリアが務めた。
劇場公開は2027年1月16日の土曜日から。東京・中野区のミニシアター、ポレポレ東中野を皮切りに全国で順次公開される。配給はSpanic Films、宣伝はPlaytimeが担当する。
作品が日本の観客の前に初めて出たのは2024年11月23日だった。第25回東京フィルメックスの「メイド・イン・ジャパン」部門でワールドプレミア上映され、会場の丸の内TOEIにはリリー、ヴィクトリア監督、プロデューサーのローナ・ティーと曽我満寿美が登壇。当時は日本での劇場公開が決まっておらず、それから約2年を経て邦題とともに公開日が固まった。
「孤独のない国」へ、ひとり暮らしの会社員が向かう先
主人公は、離婚して東京でひとり暮らしをするサラリーマンのヨージ(リリー・フランキー)。気にかけてくれた母親(吉行和子)が亡くなり、意味のある人間関係がほとんど残っていないことに気づいた彼は、生きる意味を見失っていく。
転機は2つ重なる。1つは、日本で介護士として働くフィリピン人女性ミネルバとの出会い。もう1つは、名前も知らない隣人の老人が亡くなり、その死が孤独死と判定された出来事だった。同じ最期を迎えたくないヨージは、慎重な性格を捨て、ミネルバを追ってマニラへ向かう。
マニラでヨージを待つのは、ミネルバの21歳の娘エンジェルとの出会いや、慣れない都市の騒がしさだ。配給側は本作を、年間7万人超といわれる日本の孤独死をテーマにしたヒューマンドラマと紹介し、ヨージが向かうフィリピンを「孤独のない国」と表している。公式サイトのポスタービジュアルには、「ヨージ、55歳、サラリーマン。」の言葉とともに、「人と関わるのが面倒くさい」を辞めたという一文が添えられた。
10月7日に解禁された日本版予告編は100秒。海外版の特別映像では、ヨージが「フィリピンには孤独はないんだ?」と尋ねる場面や、母親から「あなた、幸せだったことあるの?」と聞かれて静かにほほえむ姿が映し出されていた。
長編デビューまで11年、ジャヌス・ヴィクトリア監督の歩み
ヴィクトリア監督はフィリピンの放送局やデジタル配信向けに時事ドキュメンタリーを手がけてきた脚本家・監督だ。これまでに『マニラの神話』を含む6本の短編映画のほか、東京のアパートでの孤独死を追ったドキュメンタリー短編『沈黙との出会い』を制作している。
日本の孤独死に関心を持ったきっかけについて、配給側は、彼女が米誌TIMEで特集された日本の孤独死に衝撃を受けたことだと説明する。企画は2013年、アジアの若手映画人を育てるタレンツ・トーキョー(当時の名称はタレント・キャンパス・トーキョー)で受賞し、そこから長編化への道を歩き始めた。
完成までには長い時間がかかった。マレーシアのプロデューサー、ティーは2025年2月、海外セールス契約の発表にあわせて、ヴィクトリアが2013年から数々の困難を乗り越えて作品を完成させたとたたえている。本作は、ヴィクトリアにとって初の長編監督作となった。
撮影は黒沢清監督の『トウキョウソナタ』などで知られるベテランの芦澤明子が担当し、日本とフィリピンそれぞれの空気を映像に収めた。照明は御木茂則、編集はスー・ムン・タイ、音楽はジャイ・サルダジェノが手がける。製作にはティー、ダン・ヴィレガス、曽我が名を連ねた。
リリー・フランキー「この役のために45年間一人暮らし」
リリーはワールドプレミアの舞台挨拶で、会場を見渡して「お客さんがたくさん来てくれて、よかったですね」と監督にほほえんだ。初上映を迎えた心境を聞かれると、「ジャヌスが長年大切にしてきた作品です」と監督の思いに触れたうえで、日本とフィリピンの受け止め方の違いを語った。
「日本では孤独死は日常的なイメージですが、家族と一緒に暮らす文化のフィリピンではあまり知られていない現象だそうです」。そう前置きしたうえで、「俺はこの役のために45年間一人暮らししていますからね(笑)。肉体的にも、精神的にも、孤独死に向き合う人間の役が自然に演じられました」と冗談まじりに語り、「日本のおじさんたちの孤独が描かれています」と作品の中身に触れた。
フィリピンでの撮影についても言葉を残している。現地スタッフが目を輝かせて映画を撮る姿に感動したといい、「日本の若者はこんなふうに撮影しているかな?と考えさせられましたね」と明かした。
リリーはイラストレーター、作家としても知られ、俳優としては是枝裕和監督の『そして父になる』『万引き家族』などで評価を集めてきた。『万引き家族』と、リリーが出演した塚本晋也監督の『野火』は、いずれも10月8日時点でU-NEXTの見放題作品として配信されている。
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2026年は、9月11日に公開された塚本監督の『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』にも出演し、全編英語の芝居に挑んだ。こちらはベトナム戦争の元米兵アレン・ネルソンの実話を描いた作品で、リリーは主人公の活動を支える日本人の役。『ひとりで死ぬのはイヤだから』とは別の作品になる。
関連記事:塚本晋也監督『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』に約8分のスタンディングオベーション ベネチア国際映画祭
吉行和子、渡辺いっけいら日比の俳優が共演
共演陣は日本とフィリピンの俳優が並ぶ。ヨージの母親役は、2025年9月2日に90歳で亡くなった吉行和子。フィリピンからはマリア・イザベル・ロペス、ソリマン・クルス、チャーリー・ディゾンが出演した。
日本側の顔ぶれも厚い。公式サイトのクレジットには渡辺いっけい、古舘寛治、岩松了、片岡礼子の名前が並ぶ。ほかに佐久間哲、横内亜弓、渡辺裕也、佐藤貴史らも出演している。
ウディネで新人監督賞、ロンドン映画祭のコンペにも
東京での初上映のあと、作品は海外の映画祭を回った。2025年春、イタリアの第27回ウディネ・ファーイースト映画祭で、初監督作を対象とする最優秀新人監督賞(ホワイト・マルベリー賞)を受賞。同年秋の第69回BFIロンドン映画祭では、長編デビュー作が競うファースト・フィーチャー・コンペティションに選ばれ、サザーランド賞の候補になった。
フィリピンでは2025年11月、第13回QCinema国際映画祭で上映され、アジアン・ネクスト・ウェーブ部門の最優秀脚本賞を手にした。海外セールスを担うFree Stone Productionsの資料によると、2025年から2026年にかけて台北、シンガポール、トロント、ロサンゼルスなどの映画祭でも上映され、東京フィルメックスを含めた上映歴は21の映画祭に及ぶ。
ワールドプレミアから約2年、海外の映画祭で評価を積み上げた作品が、2027年1月、ようやく日本の劇場に戻ってくる。
[文/構成 by エンタメライター 真柴 ことね]










































































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