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蛍光灯→LED交換”費用は誰が負担?” 賃貸住民から困惑の声「大家?自分?ハッキリしてほしい」

蛍光灯→LED交換”費用は誰が負担?” 賃貸住民から困惑の声「大家?自分?ハッキリしてほしい」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

2027年末の蛍光灯製造終了に向け、賃貸物件でのLED交換をめぐる費用負担の疑問が広がっている。原則として、電球など消耗品の交換は借主負担だが、照明器具本体の交換は貸主(大家)の負担だ。ただし、契約内容や「残置物」の扱いによって状況は変わる。トラブルを防ぐため、入居者は勝手に工事をせず、まずは管理会社へ相談することが求められる。

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消耗品か設備か。分かれる費用負担の境界線

賃貸物件の照明が切れたとき、誰が費用を出すのか。国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、明確な基準を示している。

電球や蛍光灯、LED照明のランプ取替えは「消耗品」に該当し、借主が費用を負担する。一方で、照明器具本体が故障した場合は「設備」の修繕となり、貸主が費用を負担して直すのが原則だ。民法第606条も、貸主に「賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務」があると定めている。

入居者が日常的に使うランプの寿命は自己負担で対応し、建物に備え付けられた器具の寿命は大家が責任を持つ。この線引きが、賃貸借契約の基本となる。2020年施行の改正民法では、入居者が修理を依頼したにもかかわらず大家が相当期間放置した場合、入居者が自ら修理して費用を請求できる権利も明文化された。

蛍光灯が買えない。その時、大家の修繕義務は

しかし、事態は単純ではない。2027年末までに一般照明用の蛍光灯の製造と輸出入が全面的に禁止される。市場から蛍光灯ランプが消えれば、借主は自費でランプを交換したくても品物が手に入らなくなる。

この場合、既存の蛍光灯器具をLED専用の器具に交換する費用は誰が持つのか。

関連記事:「まだ使えるから大丈夫」は通用しない——蛍光灯2027年問題、知らないと損する3つの落とし穴とは

不動産法務に詳しいスプリングパートナーズ法律事務所は、自社のウェブサイトで「照明器具の所有者である賃貸人が費用を負担するべきものと考えられる」と見解を示した。消耗品である蛍光灯が手に入らない以上、器具本体の交換は単なる消耗品交換とは解釈し難いという論理だ。

設備が使えなくなれば、生活に支障が出る。貸主の修繕義務の一環として、LED器具へのアップデートが求められる。LED照明は蛍光灯に比べて消費電力が約半分に抑えられ、寿命も約4万時間と長い。大家にとっても、物件の価値を維持する投資となる。

「残置物」の罠。契約書に潜む落とし穴

すべてのケースで大家が費用を出すわけではない。例外となるのが、契約書に潜む特約だ。

入居時に天井に付いていた照明器具が、前の入居者が置いていった「残置物」として扱われている場合がある。重要事項説明書や契約書に「照明器具は残置物であり、貸主は修理・交換の義務を負わない」と記載されていれば、大家に交換を要求できない。借主が自費で新しいLED器具を購入し、設置する必要が生じる。

また、オフィスビルや一部の店舗物件では、内装や照明器具一式を借主が用意する契約になっていることが多い。この場合も、LED化の費用は借主にのしかかる。自分の部屋の照明が「設備」なのか「残置物」なのか、契約書類を確認する作業が欠かせない。

勝手な交換は火災のリスクも。広がる入居者の戸惑い

「大家に言っても替えてくれない」「勝手にLEDにしていいのか」。インターネットの相談掲示板には、入居者からの戸惑いの書き込みが相次ぐ。

しびれを切らした借主が、自己判断で動くことには危険が伴う。既存の蛍光灯器具に、市販の直管型LEDランプをそのまま取り付けると、内部の安定器との相性によっては異常発熱や発火を引き起こす。製品評価技術基盤機構(NITE)は、誤った接続による火災事故が過去10年間で複数件発生していると注意を呼びかける。

さらに、勝手に器具ごと交換すると、退去時に「原状回復」として元の蛍光灯器具に戻すよう求められるトラブルに発展しかねない。日本照明工業会は、安全性の観点からランプのみの交換ではなく、照明器具ごとの交換を推奨している。

補助金活用で動く大家。求められる事前の対話

トラブルを回避する鍵は、事前の相談だ。借主はランプが切れる前に、管理会社や大家へ「蛍光灯が手に入りにくくなるため、LED器具への交換を検討してほしい」と打診する。

大家側も対策に動き出している。東京都墨田区など、一部の自治体では中小事業者向けにLED照明導入の費用を補助する制度を設けた。共用部の廊下やエントランスを含め、補助金を活用して計画的にLED化を進める物件オーナーも増えつつある。共用部のLED化は、電気代の削減だけでなく、夜間の防犯性向上にも直結する。

蛍光灯の製造終了という社会的な変化に対し、貸主と借主が対立するのではなく、情報を共有して安全な住環境を維持する。早めのコミュニケーションが、無用な出費と危険を防ぐ。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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