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二階堂蓮の父は元世界選手権代表・二階堂学さん 親子二代で日本代表の経歴と息子を導いた絆

二階堂蓮の父は元世界選手権代表・二階堂学さん 親子二代で日本代表の経歴と息子を導いた絆

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2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪で、スキージャンプの二階堂蓮(24)が個人ラージヒルで銀、ノーマルヒルで銅と複数のメダルを手にした。彼の父・学さんも1991年世界選手権代表の元ジャンパー。過去3度の引退危機を父の支えで乗り越え、親子二代で日の丸を背負う夢を実現。父がかつて飛んだイタリアの空で、息子が最高の親孝行を果たした。

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五輪の空に舞った銀と銅、父子で掴んだ夢の舞台

イタリアの空に、日本の若きジャンパーが新たな歴史を刻んだ。2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪、スキージャンプ競技。初出場となった二階堂蓮が、個人ノーマルヒルで銅メダル、続く個人ラージヒルでは銀メダルを獲得した。

今大会、既に3つのメダルを手にした二階堂。一つの五輪でジャンプ個人2種目メダルは、1998年長野五輪の船木和喜以来の快挙となった。

表彰台で輝く息子を、観客席から見守る一人の男性がいた。父の二階堂学さんだ。学さんもまた、1991年に世界選手権の日本代表として世界の舞台で戦った元ジャンパーだった。そして、今回の五輪会場であるプレダッツォのジャンプ台は、学さんが現役最後の国際大会として飛んだ世界選手権と全く同じ場所。35年の時を経て、父が夢見た五輪の舞台に息子が立ち、最高の飛躍を見せた。

「父の前でとれたのは本当にうれしかったので強く抱きしめた」。試合後、二階堂は父と抱き合い、喜びを分かち合った。それは、父が夢破れた場所で息子が夢を叶え、最高の親孝行を成し遂げた瞬間だった。

引退危機3度、アルバイト生活…泥から咲いた「蓮」の才能

今でこそ世界の頂点に立つ二階堂だが、その道のりは決して平坦ではなかった。過去に少なくとも3度、競技人生の岐路に立たされている。高校卒業時には有力な実業団チームから声がかからず、一度は引退を考えた。周囲の説得で東海大学へ進んだものの、コロナ禍で活動は制限され、「もっと競技に集中したい」と入学からわずか1年で中退を決意した。

所属先のない「浪人生活」が始まった。同世代のライバルが企業の支援を受けて世界を転戦する中、二階堂は田植えの手伝いなど日雇いのアルバイトで活動費を稼ぐ日々を送った。スポンサーが見つからなければ1年で引退する。そう覚悟を決めていた期限の直前、手を差し伸べたのが現所属の日本ビールだった。この契約の裏には、息子の才能を信じ続けた父・学さんの奔走があった。学さんは知人を通じて同社の社長に会い、息子の受け入れを直談判したという。

母方の祖父が名付けた「蓮」という名前。泥の中から清らかな花を咲かせるその名の通り、幾多の苦難を乗り越え、二階堂の才能は世界の舞台で大きく花開いた。学さんは「いろいろある中で奇麗に咲かせてくれている。なんて名前の通りだな、と」と、息子の姿に目を細めた。

父から受け継いだジャンプの遺伝子と「父さん嫌い」の過去

二階堂のジャンプの原点は、父・学さんの指導にある。小学2年で競技を始め、幼少期から父の教えを受けてきた。空中での優れたバランス感覚と、ダイナミックな前傾姿勢。そのスタイルは、1991年の世界選手権代表に選ばれた父から受け継いだものだ。「今の僕のこのジャンプがあるのは、小さい頃父さんに教えてもらったおかげ」と二階堂自身も語る。

しかし、父子の関係は常に良好だったわけではない。かつて二階堂は「父さん嫌い」と公言していた時期があった。学さんは「ジャンプをやっている時は教えてもらっている人だから、という(関係だった)。でもやっぱり、どこまで行っても親子なんですよ」と当時を振り返る。引退の危機に瀕した息子を「絶対世界に出られるものを持っている」と引き留め続けたのは、父としての愛情と、指導者としての確信だった。

近年、メディアを通じて息子の感謝の言葉を耳にする機会が増えたという学さん。「信じられないような言葉ばっかり出てくるから私も驚いている」。そして迎えた五輪の舞台。メダル獲得後に交わした抱擁で、言葉にしなくても全ての思いが伝わった。「今日2人で抱き合った時は、蓮の今まで言ってきたことが全部伝わった」。父の夢を背負い、父の目の前で掴んだメダルは、親子の絆を何よりも強く結びつけた。

二階堂蓮 プロフィールと主な戦績

幾多の困難を乗り越え、日本ジャンプ界の次代を担うエースへと成長した二階堂蓮。その経歴と輝かしい成績を紹介する。

プロフィール

  • 氏名: 二階堂 蓮(にかいどう れん)
  • 生年月日: 2001年5月24日(24歳)
  • 出身地: 北海道江別市
  • 身長/体重: 167cm / 55kg
  • 所属: 日本ビールスキー部(2022年〜)
  • 学歴: 江別市立大麻泉小学校、江別市立大麻東中学校、下川商業高校、東海大学(中退)
  • 家族: 2026年1月13日に結婚を発表。妻がいる。父・学さんは元スキージャンプ選手。
  • 趣味: 映画観賞、アニメ観賞

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主な戦績

  • 冬季オリンピック(ミラノ・コルティナ 2026)
    • 個人ラージヒル:銀メダル
    • 個人ノーマルヒル:銅メダル
  • ワールドカップ(2025-26シーズン)
    • 個人第14戦(インスブルック):初優勝
    • 個人第5戦(ルカ):2位(初の個人表彰台)
  • 世界選手権
    • 2023年、2025年大会出場
  • 国内主要大会
    • 2023年 NHK杯 優勝(兼 全日本選手権ラージヒル)
    • 2022年 NHK杯 優勝
    • 2022年 全日本スキー選手権ノーマルヒル 優勝
    • 2020年 全国高等学校スキー大会 優勝

物語は最終章へ、狙うはジャンプ最多4つ目のメダル

今大会3つのメダルを獲得した二階堂は、1998年長野五輪の船木和喜に並ぶ日本ジャンプ陣の五輪1大会最多メダル獲得者となった。通算獲得メダル数も3個となり、船木、原田雅彦、葛西紀明、小林陵侑といったレジェンドたちと肩を並べる。しかし、彼の挑戦はまだ終わらない。

最終種目として、今大会から採用された男子スーパー団体が控える。この種目はエースの小林陵侑とペアを組んで挑む。2024-25シーズンのW杯では、このペアで3位に入った実績もある。もしここでメダルを獲得すれば、日本ジャンプ史上初となる五輪1大会4個のメダル獲得者となる。

苦難の道を乗り越え、父の夢と共にたどり着いた大舞台。彗星のごとく現れた24歳の新星の活躍から目が離せない。

[文/構成 by さとう つづり]

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