文春砲の予告、アイドルファンに走る衝撃

2025年12月22日昼、株式会社文藝春秋が発行する「週刊文春」の公式SNSアカウントは、「【緊急予告】本日の『週刊文春 電子版』は… 12月22日夜配信予定 ▽紅白出場アイドルグループで大量脱退」と投稿した。この短い告知は、瞬く間にアイドルファンの間で広がり、大きな波紋を呼んでいる。予告には「紅白出場」という国民的番組の名前と、「大量脱退」という強い言葉が含まれており、どのグループに何が起きたのか、様々な憶測が飛び交う事態となった。

現時点では対象となるグループ名や脱退の具体的な内容は明かされていない。しかし、「過去に紅白に出場したことがある」のか、「今年の紅白に出場予定だった」のかで対象範囲は大きく変わる。この曖昧さも、ファンの不安と憶測を加速させる一因となっている。

SNSで飛び交う憶測、有力候補はなぜ「ME:I」なのか

文春の予告を受け、X（旧Twitter）や匿名掲示板では、対象グループを特定しようとする投稿が殺到した。その中で、最も有力な候補として名前が挙がっているのが、11人組のガールズグループ「ME:I（ミーアイ）」である。

相次ぐ活動休止が憶測を呼ぶ

ME:Iが有力視される最大の理由は、メンバーの活動休止が相次いでいる現状にある。ME:Iは、オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』を経て2024年4月にデビューし、同年の『第75回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした人気グループだ。

しかし、2024年8月にメンバーの海老原鼓が適応障害で活動を休止（2025年8月に復帰）。その後、2025年に入ってから3月に加藤心、7月に石井蘭が相次いで体調不良や精神的疲弊を理由に休養を発表した。さらに2025年10月には、メンバーの飯田栞月が、所属事務所LAPONEエンタテインメントの先輩グループ「JO1」のメンバー大平祥生との社内恋愛を文春に報じられ、「規定に反する事案」として活動休止処分となった。

これにより、11人組のうち3人が活動休止中という状況が「大量脱退」という言葉と結びつきやすいと考えるファンが多いようだ。SNS上では「休止中のメンバーがそのまま脱退するのでは」といった声が多数見られる。

所属事務所を巡る不穏な空気

ME:Iが所属するLAPONEエンタテインメントを巡る状況も、憶測の一因となっている。同事務所の看板グループであるJO1とME:Iは、2025年の紅白歌合戦に選出されなかった。JO1は3年連続出場からの落選であり、ファンに衝撃を与えた。この背景には、前述の飯田栞月とのスキャンダルに加え、JO1の別メンバーのスキャンダルが影響したとの見方もある。こうした事務所全体の不穏な空気が、今回の「大量脱退」報道と結びつけられている。

その他の候補グループ

一方で、ME:I以外のグループを推測する声もある。大人数グループである乃木坂46やAKB48は常に卒業・加入があるため名前が挙がるが、「卒業」ではなく「脱退」という言葉のニュアンスから、円満な離脱ではない可能性が指摘されている。また、過去に紅白出場経験のあるK-POPグループを挙げる意見も見られるが、いずれも現時点では憶測の域を出ない。

「卒業」ではなく「脱退」 アイドル業界の厳しい現実

今回の騒動で注目されるのが、「卒業」ではなく「脱退」という言葉の選択である。一般的に「卒業」は、本人の意思に基づき、セレモニーなどを伴う円満な形でグループを離れる際に使われる。乃木坂46の西野七瀬が2018年の紅白歌合戦を最後のステージとして卒業した例などがこれにあたる。

対して「脱退」や「契約解除（解雇）」は、契約違反やトラブル、方向性の違いなど、よりネガティブな背景で使われることが多い。2024年だけでも、日本のアイドル業界では1,300人以上が卒業・脱退し、そのうち160人以上が「解雇」されているというデータもある。

解雇の主な理由としては、「ファンとの私的交友」「情報漏洩などの信用失墜行為」「他事務所との接触」などが挙げられる。こうした厳しいルールと現実が、アイドルという職業の裏側には存在している。

報道を待つファン、浮き彫りになる業界の課題

「紅白出場アイドルグループで大量脱退」という衝撃的な予告は、多くのファンを不安に陥れた。現時点では全ての情報が憶測に過ぎず、今夜配信されるという週刊文春の正式な報道を待つほかない。しかし、この一件は、人気アイドルの華やかな世界の裏側にある、過酷な競争、厳しい規律、そして心身の健康問題といった、現代のアイドルビジネスが抱える普遍的な課題を改めて浮き彫りにしたと言えるだろう。どのグループであれ、ファンにとっては受け入れがたいニュースとなる可能性は高い。今後の展開を冷静に見守る必要がある。