ヒルナンデス来春終了へ、なぜ? 14年の歴史に幕か、背景に制作費高騰とテレビ局の変革

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2011年から続く日本テレビの昼の長寿番組『ヒルナンデス!』が、2026年春に終了すると報じられた。複数の関係者によると、主な要因は番組制作費の高騰であり、特にMC南原清隆の高額な出演料が経営を圧迫したとされる。テレビ業界全体の広告収入減や、長寿番組依存からの脱却を目指す局の刷新意図も背景にあると見られる。
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14年の歴史に終止符か、お昼の顔に浮上した終了報道
2011年3月28日の放送開始以来、約14年にわたり日本テレビ系列のお昼の顔として親しまれてきた生活情報バラエティ番組『ヒルナンデス!』。その長寿番組が、2026年春をもって終了する方向で調整されていることが、2025年12月6日までに複数のメディアによって報じられた。メインMCを務めるウッチャンナンチャンの南原清隆(60)には、すでに9月下旬にその方針が伝えられたという。なぜ、長きにわたり安定した人気を保ってきた番組に幕が引かれようとしているのか。その背景には、単なる視聴率やマンネリ化といった言葉だけでは片付けられない、現代のテレビ業界が抱える構造的な課題が存在する。
「若者向けバラエティ」への転換で一時代を築く
『ヒルナンデス!』は、前番組である『DON!』の後継として2011年にスタートした。それまでの『午後は○○おもいッきりテレビ』に代表される「おもいッきりシリーズ」が40代以上の中高年主婦を主なターゲットとしたワイドショーであったのに対し、『ヒルナンデス!』はターゲットを「20代から30代の若い女性」に設定。グルメやファッション、レジャーといった情報をクイズやロケ企画を交えて紹介する「生活情報バラエティ」という新たなジャンルを確立した。この路線転換は、同時間帯の王者であったフジテレビ『笑っていいとも!』との差別化を図る上で大きな意味を持った。
番組の顔である南原清隆を中心に、曜日ごとに変わる豪華なレギュラー陣が番組の大きな魅力であった。ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)のタレントや人気お笑い芸人、モデルなどが多数出演し、華やかなスタジオを演出。特に、初代アシスタントを務めた水卜麻美アナウンサーの存在は大きく、彼女の明るいキャラクターと食レポは番組の人気を不動のものにした。番組開始当初は視聴率で苦戦したものの、徐々に支持を拡大。2012年2月7日には、番組最高の平均視聴率7.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録し、同日の『笑っていいとも!』を上回る快挙を成し遂げたこともあった。
終了の引き金か、最大の要因は「制作費の高騰」
複数の報道で一致して指摘されている終了の最大の要因は、番組制作費の高騰である。あるテレビ局関係者は、次のように証言している。
「終了のおもな要因は、番組制作費の高騰だと聞いています。経費削減が求められるなか、人気出演者たちの出演料が圧迫していったようです。ひな壇のタレントの出演料は1本30万円程度ながら、MCの南原さんは100万を超えますので、南原さんだけで年間3億円ほどになってしまいます。南原さんもショックを隠せなかったといいます」
テレビ業界は、インターネット広告市場の拡大に伴い、地上波テレビ広告収入の伸び悩みに直面している。各局は経費削減、特に番組制作費の抑制を急務としており、高額な出演料がかかる大御所タレントを起用した番組は、その見直しの対象となりやすい。あるテレビ誌編集者は、「いい作品を作るためには出演者のギャラを抑える必要がある。そうなると、高額のギャラを取っているベテラン、大御所が整理の対象となるわけです。『ヒルナンデス!』はその試金石といえるでしょう」と指摘しており、今回の動きがテレビ界全体の潮流である可能性を示唆している。
複数の要因が絡み合う背景
制作費の問題に加え、いくつかの複合的な要因が終了報道の背景にあると見られている。
視聴率指標の変化と「コアターゲット」戦略
かつてテレビ局の評価指標は「世帯視聴率」が中心だったが、近年は広告主のニーズに応えるため、消費意欲が高いとされる若年層〜中年層の視聴率、いわゆる「コアターゲット」の個人視聴率が重視されるようになった。日本テレビは13〜49歳をコアターゲットとして設定しており、この層に響かない番組は、たとえ世帯視聴率が高くても見直しの対象となり得る。長寿番組であるがゆえの視聴者層の高齢化やマンネリ化が、このコアターゲット戦略と合致しなくなった可能性は否定できない。














































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