中谷潤人の名参謀ルディ・ヘルナンデス、“人生最高の生徒”のこれからを語る 「10発パンチを打つ代わりに、4発しか打たなくなる」

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ボクシング元世界3階級制覇王者・中谷潤人(28)=M・T=を指導するルディ・ヘルナンデス・トレーナーが、4日掲載のCoCoKARAnextの独占インタビュー後編で愛弟子の今後を語った。中谷を「最高のボクシングの生徒」と呼び、28歳を迎えた今後は「10発パンチを打つ代わりに、4発しか打たなくなる」と予告。復帰戦は来年初めになる可能性に触れ、井上尚弥との再戦にも意欲を示した。
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「最高のジュントがこれから出てくる」
インタビューは、スポーツライターの杉浦大介が9月中旬、ロサンゼルスのLAジムを訪ねて行った。5月2日の東京ドームで井上に敗れた一戦を振り返る企画で、ファイトプランを軸にした前編が3日、中谷の今後と再戦の可能性を扱った後編がきのう4日に掲載された。
後編で、中谷が今後どんなボクサーになっていくかを問われたヘルナンデスは、こう切り出している。
「ジュントはもう22歳ではないということを理解してほしい。年齢を重ね、最高のジュントがこれから出てくると思っている」
続けて口にしたのが、中谷への最大級の評価だった。「私がこれまで指導してきた中で、最高のボクシングの生徒だ」。指導の中身だけでなく、なぜそう教えるのかという理由まで理解している点を、その根拠に挙げた。
ヘルナンデスは人の成長を年齢の節目で説明する。15歳、18歳、21歳、24歳と考え方が変わり、24歳では自分がどんな人間かという感覚が出てくるという。そして28歳。「今度は身体が強くなるだけではなく、頭も賢くなる」と語り、ちょうどその年齢にいる中谷の変化を予告した。
10発から4発へ、ヘルナンデスが描く「次のバージョン」
タイトルにもなった言葉は、この流れの中で出てきた。
「10発パンチを打つ代わりに、4発しか打たなくなる。でも、その4発を、若い頃に10発打っていた時よりもずっと効果的に使えるようになる」
手数を減らす代わりに、1発ごとの精度と効果を上げる。ヘルナンデスが描く中谷の姿は、量から質への移行だ。「今の彼は少し落ち着いて、リラックスしている」とも話し、どこを打ち、どこに当て、何をすべきかが分かってきたと手応えを示した。
インタビューの中では「次のバージョンのジュント」という表現も使っている。これまでとは違う中谷を、今後の試合で見ることになるという見立てだ。
井上戦は、ヒット数の少ない技術戦だった。ヘルナンデスは前編で、両者のヒット数が少なかった試合展開について問われ、ボクシングは「いつもパンチの強さだけで決まるわけじゃない」と答えている。特定の場所に当てればダメージは大きくなる。その考え方は、後編の「4発」の話にもそのまま通じる。
7ラウンドまで慎重に、前編で明かしたファイトプラン
中谷にとってプロ33戦目での初黒星となった一戦を、改めて整理しておく。
5月2日、東京ドームで行われた世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ。32戦全勝同士の対戦は、王者の井上が116-112、116-112、115-113の3-0判定で中谷を下した。中谷はこの試合で左眼窩(がんか)底を骨折し、手術を受けている。
3日掲載の前編で、ヘルナンデスは当時の作戦を明かしていた。7ラウンドまで慎重に戦うプランで、発案者は自分だったという。7ラウンド終了後、コーナーに戻った中谷から「相手のパンチでダメージは受けていない」と告げられ、8回以降は攻める展開に切り替えた。だが11回、井上のアッパーが中谷の目の周辺をとらえる。ヘルナンデスはこの一撃を「本当に完璧なアッパーだった」と振り返り、10回のバッティングは言い訳にならないとした。
試合後、ヘルナンデスは中谷に謝ったという。「私が君を失敗させた」。中谷は「謝る必要はない」と応じ、「僕たちはチームとして、一緒にここまで来たんだ」と返したと明かしている。2人の師弟関係は、中谷が15歳のころから続く。
東京ドームの一戦を前に、雑誌「Number PLUS」は4月に完全保存版の特集号を出している。
復帰は来年初めか、結婚には「責任感が強い」
後編では、具体的な今後にも話が及んだ。復帰戦は来年初めになるのかという質問に、ヘルナンデスは「そうなるかもしれない」と答えた。「もうトレーニングを始めているし、身体も動かしているからね」と続け、あとは状況次第だとした。
中谷は8月1日に相模原市の所属ジムで練習を再開している。そのとき本人は次戦について「年内は現実的じゃないと思います」と話し、年明けを考えていた。9月30日に神奈川県警相模原警察署の一日署長を務めた際も、再起戦は未定のまま。9月27日に西田凌佑を破ってIBF世界スーパーバンタム級暫定王者となったサム・グッドマン(オーストラリア)を、4階級制覇の「ターゲットの一人」に挙げている。
関連記事:中谷潤人、サム・グッドマンは「ターゲットの一人になると思います」 4階級制覇の標的に西田凌佑を破ったIBF暫定王者の名、相模原で一日警察署長を務めた場で語る
7月にプロゴルファーの田村亜矢との結婚を発表した私生活についても、ヘルナンデスは触れた。いつも冗談で「結婚するな、結婚するな」と言っていると笑いながら明かしつつ、中谷の素晴らしさは責任感の強さにあると強調する。比べたのは、元WBA、WBC世界スーパーフェザー級王者で兄のヘナロ・ヘルナンデスだった。
「2人とも本当に責任感が強い。自分たちの仕事の邪魔になるものを何も入れない」
相手が「プロアスリートだった女性」であることにも触れ、ボクサーがどんな犠牲を払うのかを理解してもらえるはずだと語った。
井上との再戦は「1ラウンドから戦う」
インタビューの最後のテーマは、井上との再戦だった。
「もちろん再戦はしたい」。ヘルナンデスは即答したうえで、個人的な感情ではなく「これは我々の仕事なんだ」と付け加えた。井上については、これまで言ってきたとおり「日本史上最高のボクサー」だと考えていると改めて口にしている。
再戦が実現した場合の作戦は、はっきり変わる。ヘルナンデスは隠すつもりはないと前置きし、次は1ラウンドから戦うと明言した。観客に立ち上がって2人の戦いを見てほしいという思いがあるという。
「3、4ラウンドのエキサイティングな試合と、12ラウンドの試合だったら、どちらを見たい?」
そう問いかけたヘルナンデスは、2度目の試合は最初の試合より良く、さらに素晴らしいものになる可能性があると「本当に思っている」と語った。
もっとも、中谷の次戦は現時点で発表されていない。7ラウンドまで待つ作戦を選んだ名参謀は、次は初回から仕掛けると言い切った。10発ではなく4発で勝負する28歳の中谷が、どのリングでその言葉を形にするのか。復帰の日程が、最初の答えになる。
中谷のこれまでの歩みは、電子書籍「超える 中谷潤人ドキュメント」にまとめられている。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]









































































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