西村優菜、米ツアー初優勝 通算21アンダーの完全優勝、岩井明愛は2位タイ

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
女子ゴルフの西村優菜(26)=スターツ=が、米女子ツアーのウォルマートNWアーカンソー選手権で初優勝した。最終日の9月27日(日本時間28日)に66で回り、通算21アンダーで初日から各ラウンドを首位で終える完全優勝だった。2位とは5打差。最終日に62をマークした岩井明愛が2位タイに入った。
3日間とも単独首位、大会記録タイの192
大会は米アーカンソー州ロジャースのピナクルCC(6438ヤード、パー71)で9月25日から27日まで、3日間54ホールで行われた。賞金総額は300万ドルで、優勝賞金は45万ドル。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の換算で約7100万円になる。
西村は初日にボギーなしの1イーグル、6バーディーで63を出し、1打差の単独首位で滑り出した。フェアウェイキープ率とパーオン率はともに100%。ホールアウト後には「芝質が日本に似ていてやりやすい」と、コースとの相性の良さを口にしている。2日目も9バーディー、1ボギーの63を並べ、2位に5打差をつけて最終日へ向かった。
| 日程(現地) | 西村のスコア | 通算 | 順位 | 2位との差 |
|---|---|---|---|---|
| 第1日(9月25日) | 63 | 8アンダー | 単独首位 | 1打リード |
| 第2日(9月26日) | 63 | 16アンダー | 単独首位 | 5打リード |
| 最終日(9月27日) | 66 | 21アンダー | 優勝 | 5打差 |
トータル192ストロークは、2018年大会で畑岡奈紗がマークした大会記録に並ぶ数字だ。この大会を制した日本勢は2012年の宮里藍、2018年と2021年の畑岡に続いて3人目となった。
前半で一度は逆転許す、14番のイーグルで突き放す
大量リードがあっても、最終日は楽な一日ではなかった。3番パー3でバーディーを先行させたものの、雨を含んだ地面でボールが転がらず、2打目に225ヤードを残した4番でボギー。6番パー3は3パットで落とし、「流れが悪い」と焦りが出たという。
追ってきたのは、31位から10番ホールスタートで出た岩井明愛だった。後半の5連続バーディーを含む9バーディー、ノーボギーの62で一気に16アンダーまで伸ばし、西村は7番を終えた時点で首位を明け渡した。
追う立場になって、かえって気持ちは軽くなる。8番では左の木を避けて5番ウッドでドローをかけ、2メートルにつけてバーディー。首位タイで折り返すと、11番パー3ではガードバンカーからのチップインで再び前に出た。
勝負を決めたのは14番パー5だった。グリーン手前を大きなクリークが横切るホールで、西村は3番ウッドで2オンを狙う。キャディーと短く相談したうえで打った2打目はピン右奥にとまり、フックラインのパットを沈めてイーグル。優勝後の会見では、距離に迷ったものの、最後まで攻めると自分に言い聞かせて打ったと明かしている。15番パー3、最終18番パー5でもバーディーを重ね、終わってみれば後半だけで5つ伸ばす30だった。
「やっと勝てた」涙の優勝インタビュー
18番のパットを沈めた西村は、優勝インタビューで目を潤ませた。スポーツ報知によると、「今日の前半は苦しかったけど、後半にしっかりエンジンかけてやろうと思っていた。やっと勝てたなという感じです。特にこの2年間は苦しかったので、良かったと思います」と語っている。
米ツアーの公式サイトによると、憧れの宮里藍について、自分がゴルフをしている理由そのものだと語り、苦しいときには電話で支えてもらっていたことも明かした。早い時間にスタートした日本勢の仲間たちは、プレーを終えた後もコースに残り、優勝の瞬間を待っていたという。会見では「夢のひとつがかなった」と話し、次の目標を問われると「最終目標はやっぱりメジャー優勝」と言い切った。
JLPGAの小林浩美会長は「これまで悔しい思いをいっぱいして、どれだけくじけそうになったか」とコメントを寄せ、国内での優勝経験と米ツアーで積み上げた力が実を結んだ勝利だとたたえた。
予選会から這い上がった参戦4年目
大阪府堺市出身の西村は身長150センチ。国内ツアーでは2020年の樋口久子三菱電機レディスで初優勝し、2021年には公式戦のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップを含む3勝を挙げた。国内通算は6勝で、最後の優勝は2022年のニッポンハムレディスクラシックだった。
予選会を経て2023年に米ツアーへ本格参戦した。ルーキーだった2023年には、この大会で初めて最終日最終組を回り、3位タイに入っている。米ツアーに定着するきっかけになったのも、同じピナクルCCだった。
その後は苦しい時期が続いた。2025年は年間ポイントランキング115位に沈み、予選会に回って限定的な出場資格を守った。4年目の今季も大会前までのトップ10入りは、古江彩佳と組んだダブルス戦のダウ選手権(5位)だけ。ポイントランキングは103位で、来季の出場資格が見えない状況だった。
9月には国内ツアーの住友生命Vitalityレディス東海クラシックに主催者推薦で出場し、通算6アンダーの22位タイで終えている。2021年に優勝した大会で、その翌週の米ツアーで初優勝をつかんだ。
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勝利で状況は一変する。本人が「予選会に行かなくていいのがうれしい」と話したとおり、2028年までのツアー出場権を手にした。年間ポイントランキングも103位から36位に上がり、上位60人が出場できる今季最終戦の出場圏内に入った。大会後に更新された女子世界ランキングでは、350位から123位へ227人を抜いて浮上した。
日本勢は今季3人目、岩井明愛は2位タイ
米ツアー公式サイトによると、西村は日本出身の選手として24人目のツアー優勝者になった。今季の日本勢の優勝は、2勝を挙げている山下美夢有、8月のAIG女子オープンを制した桑木志帆に続いて3人目となる。今季の初優勝者としてはツアー全体で3人目。
2位タイの岩井明愛は、2025年のスタンダード・ポートランド・クラシックで米ツアー初優勝を挙げている。最終日はパーオンを18ホール中17ホールで決め、パット数は26。16アンダーでシャネッティ・ワナセン(タイ)、チョン・インジ(韓国)と並んだ。日本勢のワンツーフィニッシュは、山下が優勝し吉田優利が2位に入った8月のCPKC女子オープン以来となった。
ほかの日本勢は、山下が14アンダーの8位タイ。初日81位タイと出遅れながら、2日目以降に63、66を並べた。吉田は12アンダーの15位タイ、原英莉花が10アンダーの25位タイ、畑岡が9アンダーの31位タイで続く。8アンダーの34位タイには西郷真央、岩井千怜、笹生優花が並び、西郷は最終日の3番パー3で米ツアー初のホールインワンを決めた。竹田麗央は7アンダーの45位タイ、渋野日向子は3アンダーの67位だった。
米ツアーは10月1日開幕のハワイのロッテ選手権を経て、10月中旬からアジアシリーズに入る。予選会の心配から解き放たれた26歳は、次の目標にメジャーを掲げている。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]








































































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