秋場所の三賞、敢闘賞は藤ノ川と美ノ海 殊勲賞・技能賞は該当者なし、高安・朝乃山は受賞ならず

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大相撲秋場所の三賞が9月27日に決まり、敢闘賞は関脇藤ノ川(21)と西前頭3枚目の美ノ海(33)が受けた。殊勲賞と技能賞は該当者なし。条件付きで候補に挙がった高安、朝乃山、寿之富士はいずれも千秋楽に敗れ、受賞を逃した。
敢闘賞2人、殊勲賞と技能賞は空位に
三賞選考委員会は千秋楽の9月27日、東京・両国国技館で開かれた。取組前の時点で受賞が確定していたのは、新関脇で3大関を破った藤ノ川の敢闘賞だけだった。美ノ海、朝乃山、新入幕の寿之富士の3人には「千秋楽に勝てば敢闘賞」、4日目に横綱大の里から金星を挙げた高安には「千秋楽に勝って勝ち越し、なおかつ大の里が優勝した場合は殊勲賞」という条件が付いた。技能賞は委員会の段階で該当者なしと決まっている。
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結びの一番で大の里が大関安青錦との相星決戦を制し、12勝3敗で優勝。高安の条件のうち「大の里の優勝」は満たされたが、本人が千秋楽に黒星を喫して7勝8敗の負け越しとなり、殊勲賞は消えた。条件を満たしたのは美ノ海ひとりで、敢闘賞は藤ノ川と美ノ海の2人に落ち着く。
殊勲賞の該当者なしは2場所ぶり、技能賞は4場所ぶりとなった。
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| 力士(番付) | 三賞の条件 | 千秋楽の結果 | 最終成績 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 藤ノ川(西関脇) | 敢闘賞(無条件) | 熱海富士にすくい投げで勝ち | 11勝4敗 | 敢闘賞(2度目) |
| 美ノ海(西前頭3枚目) | 敢闘賞(勝てば) | 大栄翔に押し出しで勝ち | 10勝5敗 | 敢闘賞(2度目) |
| 高安(東前頭2枚目) | 殊勲賞(勝って勝ち越し+大の里優勝) | 藤凌駕にすくい投げで負け | 7勝8敗 | 受賞ならず |
| 朝乃山(東前頭6枚目) | 敢闘賞(勝てば) | 義ノ富士に寄り倒しで負け | 10勝5敗 | 受賞ならず |
| 寿之富士(西前頭16枚目) | 敢闘賞(勝てば) | 平戸海に寄り切りで負け | 9勝6敗 | 受賞ならず |
藤ノ川は3大関を総なめ、4度目の三賞
京都府出身、伊勢ノ海部屋の藤ノ川は、東前頭筆頭だった名古屋場所で8勝を挙げ、小結を飛び越えて新関脇に上がった。三役として臨む最初の場所で、6日目に安青錦、9日目に琴桜、12日目に霧島を破り、3大関すべてから白星を奪う。177センチ、125キロの押し相撲が上位陣に通用した。
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終盤まで優勝争いに加わったが、11日目に大の里、13日目に美ノ海に敗れて後退した。千秋楽は関脇同士で熱海富士とぶつかる。二本差したものの一気に土俵際まで運ばれ、そこから右のすくい投げで逆転し、11勝4敗で場所を終えた。
敢闘賞は新入幕だった2025年名古屋場所以来2度目。名古屋場所の殊勲賞に続く2場所連続の三賞で、日本相撲協会の公式記録では殊勲賞1回、敢闘賞2回、技能賞1回の計4度目となる。取組後は「出来過ぎ。欲を言えば、優勝争いがしたかった」と振り返った。藤ノ川のファンを公言する八角理事長(元横綱北勝海)も「8勝が精いっぱいかなと思っていたけど、予想を裏切ってくれた」と評価した。
審判部長の浅香山親方(元大関魁皇)は、来場所も同じ成績なら大関昇進の話になるとの認識を示している。大関昇進の目安は三役で直近3場所33勝。本人は「関脇になったばかり。考えてません」と話し、先を急がなかった。
美ノ海は条件をクリア、沖縄出身初の三役へ
木瀬部屋の美ノ海は、5日目に琴桜、8日目に霧島と2大関を破った。13日目には藤ノ川にも勝っている。一方で7日目に大の里、10日目に安青錦に敗れ、14日目は高安のはたき込みに屈して5敗目。千秋楽は勝てば敢闘賞という一番だった。
相手は小結大栄翔。3連敗中だった相手の突き、押しを下からあてがってしのぎ、前に出て押し出した。10勝5敗。2025年春場所以来2度目の敢闘賞で、三賞もこの2回だけだ。
2桁勝利で、九州場所での新三役昇進が有力になった。沖縄県は47都道府県で唯一、三役力士が出ていない。美ノ海は「相撲に興味を持ってくれる子どもたちが増えれば」とふるさとへの思いを語った。33歳6か月で昇進すれば、昭和以降で琴稲妻に並ぶ年長5位の新三役となる。
高安は負け越し、朝乃山と寿之富士も千秋楽で黒星
最も惜しかったのは高安だった。9月16日の4日目、36歳の元大関は大の里を突き倒して通算7個目の金星を挙げる。初土俵から128場所目での金星は史上1位タイの長さで、前日の3日目には大関霧島も破っていた。優勝した横綱を倒した実績は殊勲賞の選考で重く見られるが、三賞は勝ち越しが前提になる。
その高安は序盤から黒星が先行し、14日目に美ノ海を下して7勝7敗まで戻した。千秋楽の相手は西前頭4枚目の藤凌駕。すくい投げで敗れて7勝8敗となり、結びで大の里が優勝を決める前に受賞の道が閉ざされた。受賞していれば5度目の殊勲賞だった。
朝乃山は14日目まで優勝争いに絡んだ。13日目に10勝目を挙げ、先頭の大の里を1差で追ったが、14日目に藤ノ川の逆転の突き落としを食らって4敗目。千秋楽は西前頭2枚目の義ノ富士に寄り倒され、10勝5敗で終わる。
勝てば2019年九州場所の技能賞以来、40場所ぶりの三賞だった。元大関は「久しぶりの三賞はほしかった」と悔しさをにじませ、「左の上手がほしかった。先に許してしまった」と敗因を挙げた。それでも再入幕から5場所目で初の2桁勝利。来場所は上位総当たりの番付が見込まれる。
モンゴル出身で伊勢ヶ濱部屋の寿之富士は、新入幕の場所で14日目までに9勝を積み上げ、初の三賞に手が届く位置にいた。千秋楽は平戸海に寄り切られて9勝6敗。敢闘賞には届かなかった。
九州場所の番付に向けて
藤ノ川は大関取りの起点となる11勝を挙げ、九州場所は2場所目の関脇として迎える見通しだ。美ノ海は沖縄初の三役昇進が懸かり、朝乃山も上位への復帰が見込まれる。番付は九州場所前に発表される。
殊勲賞と技能賞が空位になった一方、敢闘賞の2人はいずれも3大関のうち複数を倒して星を伸ばした。21歳の関脇と33歳の平幕が同じ賞を分け合い、秋場所の三賞は幕を閉じた。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]








































































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