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ジミー・レノン・ジュニア、松本流星を『リュウセイマツダ』と言い間違い WBO暫定王座戦

ジミー・レノン・ジュニア、松本流星を『リュウセイマツダ』と言い間違い WBO暫定王座戦

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時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

9月27日、トヨタアリーナ東京の4大世界戦第1試合で、米国の名リングアナ、ジミー・レノン・ジュニアが松本流星(28)=帝拳=を「リュウセイマツダ」とコールし、すぐに言い直した。場面は試合前の選手紹介。松本はラッセル・アコスタ(27)=メキシコ=に3-0で判定勝ちし、WBO世界ミニマム級暫定王座に就いた。

試合前の選手紹介で「マツダ」とコール

ハプニングが起きたのは、WBO世界ミニマム級暫定王座決定戦の選手紹介だった。アコスタの入場に続いて松本をコールする流れで、レノンは「プリーズウェルカム!リュウセイマツダ!」と呼び込んだ。本人もすぐに誤りに気づき、「マツモト」と言い直している。

勝者のコールではなく、ゴング前の紹介の場面での出来事だ。中継を見ていたファンからはすぐに、Xに「レノンさん『マツダ』って言わなかった?」「リュウセイ マツダァ モト!」といった投稿が相次いだ。

ファンが驚いたのには理由がある。この日のリングアナウンスを任されたのは、日本のボクシングファンにもおなじみのベテランで、名前の読み方の正確さで知られる人物だった。

3-0判定で暫定王座、9戦全勝に

言い間違いの影響は、リング上の動きには見えなかった。サウスポーの松本は、一回り大きいアコスタに対して踏み込みの速さで上回り、ワンツーやアッパーを次々に当てる。4回には左ボディーでアコスタの体をくの字に折り曲げ、11回にも左ボディーで後退させた。最終12回は被弾しながらも最後まで打ち合い、ゴングを聞いた。

採点は118-110、116-112、115-113の3-0。全勝同士の対戦を制した松本の戦績は9戦全勝(4KO)となり、アコスタは17勝(6KO)1敗で初黒星を喫した。松本にとっては、WBA世界ミニマム級王座に続く2本目の世界ベルトだ。

関連記事:松本流星、アコスタに3-0判定でWBO暫定王座獲得 9戦全勝で「夢はかなえられる」

試合後、松本は「ホッとしている」と口にした。同じ興行には帝拳ジムから坪井智也、那須川天心も世界戦に出場しており、リング上のインタビューでは「いいバトンをつなげたと思うので、あとは任せました」と同門の2人に呼びかけている。一方で「とどめを刺すことができなかった」と課題も挙げた。

松本は8月8日に小学校時代の同級生と結婚しており、この試合は結婚後の初戦でもあった。

「It’s Showtime!」で知られる名リングアナ

ジミー・レノン・ジュニアは1958年8月5日、米カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。父のジミー・レノン・シニアも名の知れたリングアナウンサーで、父の勧めを受けて1981年に初めてリングでマイクを握った。国際ボクシング殿堂によると、1991年から米国の中継「SHOWTIME」のリングアナを務め、試合前の決めぜりふ「It’s Showtime!」を広めた。2013年には国際ボクシング殿堂入りを果たしている。

日本との縁も深い。本人が初めて担当した大一番は、1990年に日本で行われたマイク・タイソン対ジェームス・”バスター”・ダグラス戦だった。王者タイソンがダグラスに敗れた一戦を、リング中央から伝えたのがレノンだった。

2024年5月6日に東京ドームで行われた井上尚弥対ルイス・ネリの世界スーパーバンタム級4団体統一戦でもコールを担当している。この時は米ラスベガスでのサウル・”カネロ”・アルバレス対ハイメ・ムンギア戦で入場時のコールだけを務めてすぐに東京へ向かい、4団体統一戦をはしごした。2025年5月に米ラスベガスで行われた井上尚弥対ラモン・カルデナス戦では、日本語や英語、スペイン語を交えて両選手を紹介し、締めの言葉に「今晩のメインイベントの時間です!」と日本語を選んでいる。

国際ボクシング殿堂は、難しい名前でも正確に発音する力を持ち、外国の選手をその母国語で紹介することも多いとレノンを紹介している。発音への配慮で信頼を集めてきたリングアナだからこそ、名字を取り違えた「マツダ」は目立った。とはいえ本人がすぐに言い直しており、試合の進行に影響はなかった。

同じ日の世界戦は明暗

4大世界戦のうち、日本勢で勝ったのは松本と、メインイベントで防衛した井上拓真(大橋)だった。

第2試合のWBC世界スーパーフライ級王座決定戦では、坪井智也(帝拳)がリカルド・マラジカ(南アフリカ)に1-2の判定で敗れた。8回終了時の公開採点では2人のジャッジが坪井をリードとしていたが、終盤に逆転された。日本最速タイとなるプロ5戦目での世界王座には届かなかった。

IBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦は、サム・グッドマン(オーストラリア)が西田凌佑(六島)を0-3の判定で下した。スコアは114-111、115-110、116-109。グッドマンはこの勝利で暫定王座に就き、同級4団体統一王者の井上尚弥への挑戦を意識する発言を残した。

メインのWBC世界バンタム級タイトルマッチは、王者の井上拓真が挑戦者の那須川天心(帝拳)を3-0の判定(114-113、116-111、116-111)で退け、2度目の防衛に成功した。7回には那須川がダウンを奪う場面もあった。

見逃し配信と松本の今後

『Prime Video Boxing 16』はPrime Videoの独占ライブ配信で、日本のプライム会員は追加料金なしで視聴できた。9月28日時点では、Prime Videoの作品ページで見逃し配信として公開されている。

\ 4大世界戦はPrime Videoで見逃し配信 /

Prime Videoで配信ページを確認する

松本の手にしたベルトは「暫定」の2文字がつく。WBAスーパー・WBO統一世界ミニマム級王者のオスカー・コラーゾ(プエルトリコ)は10月に階級を上げて世界挑戦する予定だった。コラーゾがその試合に臨んだ時点で、松本対アコスタの勝者が正規王者に昇格する見通しだったが、コラーゾのけがで試合は中止となり、先行きは決まっていない。

松本自身は「本当に強いチャンピオンだと思われるようになりたい」と先を見る。ミニマム級には、松本が返上したWBA王座を9月2日に手にした石井武志(大橋)もいる。選手紹介のハプニングから始まった一夜は、2本目のベルトを巻いて終わった。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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