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アリサ・リュウのフリー(FS)曲は「マッカーサーパーク」ドナ・サマーの名曲を五輪で選んだ理由と歴代使用曲一覧

アリサ・リュウのフリー(FS)曲は「マッカーサーパーク」ドナ・サマーの名曲を五輪で選んだ理由と歴代使用曲一覧

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2026年ミラノ・コルティナ五輪で金メダルに輝いたアリサ・リュウ(20)<St. Moritz ISC>。彼女が勝負のフリーで選んだのは、ドナ・サマーの名曲「マッカーサーパーク」だった。当初のレディー・ガガ案から変更された背景には、復帰後の彼女のスケートへの新たな哲学と、芸術性を追求するチームの戦略があった。

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五輪の舞台で響いたディスコナンバー、リュウが金メダルを手にした選択

2026年2月19日、イタリアのミラノで開催された冬季五輪フィギュアスケート女子シングル。最終滑走者として登場したアリサ・リュウは、ドナ・サマーのディスコアンセム「マッカーサーパーク」に乗り、会場を熱狂の渦に巻き込んだ。彼女の演技は金メダルという最高の結果をもたらしたが、この選曲に至るまでには紆余曲折の道のりが存在した。

当初、五輪シーズンのフリープログラムはレディー・ガガの楽曲で構成される予定だった。しかし、プログラムの完成は難航し、チームは最終的に前シーズンに世界選手権を制した実績のある「マッカーサーパーク」へ戻す決断を下した。この選択が、結果的に彼女を再び世界の頂点へと導くことになった。

レディー・ガガから「マッカーサーパーク」へ、混乱と決断の五輪シーズン

リュウの2025-26シーズンは、プログラム選考の段階から波乱に満ちていた。コーチのフィリップ・ディググリエルモ氏と振付師のマッシモ・スカリ氏と共に、彼女は新しいフリープログラムとしてレディー・ガガの楽曲メドレーの制作に着手した。リュウ自身が「ポップをやるなら、レディー・ガガが最高」と語るほど意欲的だったが、複数の楽曲を組み合わせる作業は困難を極めた。

さらに、ショートプログラムでも問題が発生する。当初使用予定だった楽曲「This Is How It Feels」の共同歌唱者d4vdが警察の捜査対象となったことを受け、リュウは「自身の価値観に沿った別の方向性を追求する」としてプログラムの変更を発表。急遽、前シーズンに高評価を得た「Promise」を再び採用することになった。

フリーの混乱は続き、2026年1月の全米選手権でようやくレディー・ガガのプログラムを披露したものの、観客やジャッジへの浸透度、完成度を考慮した結果、チームは五輪本番での使用を断念。コーチのディググリエルモ氏が「時間が足りなかった」と語るように、実績と安定感のある「マッカーサーパーク」への回帰が最も現実的な選択肢となった。

「この曲こそがアリサだ」 運命のプログラムとの出会い

「マッカーサーパーク」は、もともとコーチ陣がリュウの個性を表現する曲として提案したものだった。当初、リュウ自身はこの曲を知らず、乗り気ではなかったという。しかし、2024年秋に16分間のバージョンを聴いたことで心境が変化し、この曲を受け入れた。

このプログラムは2025年の世界選手権(ボストン)で初披露され、リュウは完璧な演技で会場を魅了し、19年ぶりにアメリカ女子シングルに世界女王のタイトルをもたらした。演技後、彼女が発した第一声は「一体全体どうなってるの?」だった。この成功体験が、五輪での再登板という決断を後押ししたことは間違いない。

振付師のスカリ氏は、レディー・ガガのプログラムからスライディングしながらスピンする動きなど、いくつかの要素を「マッカーサーパーク」に移植した。リュウの爆発的なエネルギーと芸術性を融合させたこのプログラムは、まさに彼女の代名詞となった。

アリサ・リュウ 歴代プログラム一覧

※横スクロールできます。

シーズンショートプログラム (SP)フリープログラム (FP)
2025–26“Promise” by Laufey & Dan Wilson“MacArthur Park Suite” by Donna Summer
“Lady Gaga Medley (Revamped)” by Lady Gaga
2024–25“Promise” by Laufey & Dan Wilson“MacArthur Park Suite” by Donna Summer
2021–22“Gypsy Dance II” from Don Quixote by Ludwig MinkusViolin Concerto in D op.35 by Pyotr Ilyich Tchaikovsky
2020–21“La Strada – Suite” by Nino Rota“The Storm” by Balázs Havasi
2019–20“Don’t Rain on My Parade” by Barbra Streisand“Illumination” by Jennifer Thomas
2018–19“Don’t Rain on My Parade” by Barbra StreisandMusic from The Witches of Eastwick by John Williams
2017–18“Spanish Flame” by Maxime RodriguezMusic from Les Misérables by Claude-Michel Schönberg
2016–17“Puttin’ On the Ritz” by Irving Berlin“Sing, Sing, Sing (With a Swing)” by Benny Goodman

「彼女が戻ってきてくれて嬉しい」ライバルも称賛する新たなスケート観

2022年の北京五輪後に一度は引退したリュウ。彼女の復帰を、ライバルも歓迎している。3度の世界女王である坂本花織(25)<シスメックス>は、2024年の大会で「彼女が戻ってきてくれて本当に、本当に嬉しい。スケートが本当に好きで戻ってきたに違いない」と語った。

この言葉にリュウは感動したと明かしている。2024年1月のスキー旅行で感じたアドレナリンをきっかけに復帰を決意し、同年3月1日にInstagramで正式に発表した彼女は、以前とは全く違う心境で競技に臨んでいる。「今は自分のために全てをやっている。それがスケーターとして私をより良くしてくれる」と彼女は語る。

かつては結果を求められ、精神的に追い詰められた時期もあった。しかし、一度リンクを離れたことで新たな視点を獲得した。「自分のアートを見せたい。メダルは必要ない」という彼女の言葉は、勝敗を超えた次元でスケートを捉える現在の心境を象徴している。

「自分の運命は自分で決める」リュウが示すアスリートの新たな姿

五輪金メダリストとなっても、リュウの探求心は尽きない。彼女は結果に一喜一憂することなく、音楽、ファッション、ダンスといった芸術的要素をスケートに融合させることに喜びを見出している。その自由なスタイルは、時に周囲を驚かせるが、コーチのスカリ氏は「このやり方が彼女の個性とエネルギーを育む」と理解を示す。

「たとえ五輪でミスをして最下位になったとしても、それはひどい状況だとは思わない」とリュウは言い切る。この大胆不敵な姿勢こそが、プレッシャーのかかる大舞台で彼女を輝かせる原動力なのかもしれない。

一度は競技人生に終止符を打った天才少女は、より成熟したアーティストとして再び世界の頂点に立った。彼女が今後どのような「アート」を氷上で見せてくれるのか、その一挙手一投足から目が離せない。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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