坂本花織のショート(SP)曲は『Time To Say Goodbye』ラストシーズンに込めた20年の思い出【ミラノ冬季オリンピック2026】

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ミラノ・コルティナ五輪フィギュアスケート女子シングルで、坂本花織(25)<シスメックス>がショートプログラム(SP)で2位発進した。今季限りでの引退を表明しており、集大成のショート(SP)曲は『Time To Say Goodbye』。20年以上の競技人生を振り返る思いを込めた演技で、首位と僅差につけ、金メダル獲得へ望みをつなぐ。
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女王の貫禄、SP2位発進 金へ僅差
ミラノ・コルティナ冬季五輪のフィギュアスケート女子シングルは17日(日本時間18日)、ショートプログラム(SP)が行われた。今季限りでの現役引退を表明している世界選手権3連覇の坂本花織(25)<シスメックス>は77.23点を記録し、2位につけた。首位はトリプルアクセルを成功させた17歳の中井亜美(17)<TOKIOインカラミ>で78.71点、3位にはアリサ・リュウ(20)<アメリカ>が76.59点で続く。
最終グループの4番手、全体29人中27番滑走で登場した坂本。選んだ曲は、自身のスケート人生を凝縮した『Time To Say Goodbye』だった。冒頭のダブルアクセルを危なげなく着氷させると、続く3回転ルッツも成功。演技構成点でも高い評価を得て、世界女王の貫禄を見せつけた。
後半の3回転フリップ―3回転トウループの連続ジャンプでわずかな減点があったが、大きなミスなく演技をまとめた。演技を終えると、安堵の笑顔が咲き、観客の歓声に応える。首位の中井とは1.48点差で、19日(日本時間20日)のフリーで逆転での金メダル獲得を狙う。
「次に進むため」の別れの曲 4季ぶりタッグで集大成
今季のショートプログラム(SP)曲『Time To Say Goodbye』は、坂本にとって特別な意味を持つ。2025年6月に今シーズン限りでの現役引退を表明。4歳でスケートを始めてから20年以上のキャリアの集大成として、このプログラムに臨む。
「曲名はさよなら、という感じなんですけど、ここで終わりというよりかは、次の自分に向けてみたいな感じで、次に進むためのショートプログラム」。坂本は以前、プログラムの意図をこう説明した。過去を振り返り、今の自分ができあがった過程を滑りで示す。別れは終わりではなく、新たな始まりだ。
振付は、北京五輪で銅メダルを獲得したシーズン以来、4季ぶりにフランスのブノワ・リショー氏に依頼した。「今年はどうしてもブノア先生にお願いしたいっていう自分の強い意志があった」と語る。独創的で動きの大きい同氏の振付が自分に合っていると感じ、悔いを残さないための選択だった。
「9割方できた」 仲間から力、楽しんだ五輪
「緊張はありましたけど、すごく楽しんで滑ることができました。満足度はかなり高いです」。演技後のインタビューで、坂本は晴れやかな表情を見せた。団体戦から個人戦までの間、日本チームの仲間を全力で応援する姿があった。その仲間たちの演技が、自身の力になったという。
特にペアの三浦璃来、木原龍一組の金メダルが「一番大きな刺激」になったと明かす。「不安や恐怖もすごく感じていたんですけど、それでも諦めずにやればメダルが取れるんだって、みんなが証明してくれた」。仲間の活躍が、女王の背中を押した。
この大舞台で「自分の演技が9割方できた。そこは自分を褒めてあげたいなと思っています」と手応えを口にした。団体戦SPで記録した今季世界最高の78.88点には及ばなかったが、金メダルを十分に射程圏内に捉える演技だった。
「ボロボロ泣いてる」SNSに感動と惜別の声
坂本の集大成の演技は、音楽界にも影響を広げた。団体戦での演技後、サラ・ブライトマンの『Time To Say Goodbye』のダウンロード数が前日比で2050%を記録。ブライトマン本人も自身のX(旧ツイッター)で「素晴らしい演技をありがとう」と祝福のメッセージを送った。
個人戦SPの演技を受け、SNS上ではファンからの感動と引退を惜しむ声が相次いだ。Xでは「彼女の最後のオリンピックにふさわしい曲」「プレッシャーは相当なものだったろうに、きれいな音色に沿ってしっとり滑り切った」「ボロボロ泣いてる」といった投稿が並ぶ。
また、「これが本当に最後の演技なんだなあって思うと、ひとつひとつの演技は本当に美しいのに、寂しい」など、競技者としての坂本との別れを惜しむコメントも見られた。
勝負はフリー『愛の讃歌』へ 日本勢の表彰台独占も
メダルの行方は、日本時間20日午前3時から行われるフリースケーティング(FS)で決まる。SPを終え、首位の中井、2位の坂本、4位の千葉百音(20)<木下グループ>と、日本勢3人がトップ4に入る好位置につけた。日本女子の五輪表彰台独占も現実味を帯びる。
坂本のFSプログラムは、エディット・ピアフの『愛の讃歌』。2014年ソチ五輪で鈴木明子が演じたのを見て以来、引退シーズンに使うと心に決めていた曲だ。自身のスケートへの愛情を表現するプログラムで、有終の美を飾る。
「今日のことはしっかり反省しつつ、フリーでも自分らしい演技ができるように。最後の最後まで集中して頑張ります」。3度目の五輪、最後の戦いに向けて、女王は静かに闘志を燃やす。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]































































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