MediaDogs

新着記事

中村晃、CSファイナル第1戦でFBS福岡放送の解説者デビュー 「選手の時とは全然、違いますね」試合前練習ではボール拾いも

中村晃、CSファイナル第1戦でFBS福岡放送の解説者デビュー 「選手の時とは全然、違いますね」試合前練習ではボール拾いも

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

今季限りで現役を引退したソフトバンクの中村晃(36)が10月14日、パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦で、日本テレビ系列のFBS福岡放送の中継に解説者として初めて出演した。報道によると、試合前はチームの練習でボール拾いなどを手伝ってから放送席に入ったという。初めての解説を「選手の時とは全然、違いますね」と表現した。

練習の手伝いから放送席へ、異例の一日

舞台はみずほPayPayドーム福岡で行われたソフトバンク対日本ハムの第1戦だった。FBS福岡放送は午後6時15分から最大で午後10時までの放送枠を組み、野球中継「DRAMATIC BASEBALL」で生中継した。

番組表には「中村晃がゲスト解説」の文字が入り、番組紹介でも「引退直後の中村晃が初解説!」と打ち出されていた。3年連続のCS突破を狙う小久保ホークスと、ファーストステージを勝ち上がった新庄ファイターズの初戦。その中継の目玉に、9月末にユニホームを脱いだばかりの背番号7が据えられた。番組表の出演者欄では、解説陣に和田毅、攝津正、内川聖一とホークスで中村晃とともに戦ったOBが名を連ね、実況は元木寛人となっていた。

ただ、中村晃の一日は放送席から始まったわけではない。

報道によると、試合前はグラウンドに出てチームの練習を手伝い、ボール拾いなどをこなした。そのあとでマイクの前に座ったため、練習の手伝いと解説の両方をこなす「二刀流」と伝えられている。9月27日に引退試合を終えた中村晃はポストシーズンには出場しない。それでもチームの全体練習などに顔を出し、日本一連覇を狙う後輩たちを支えている。

初めての解説について、中村晃は「選手の時とは全然、違いますね」と語った。やや緊張した様子だったものの、終始落ち着いた口調で解説を進めたと報じられている。19年間、ベンチやグラウンドから見てきた試合を、今度は言葉で伝える側に回った。

ホークスのファイナルステージは、福岡の地元局が分担して中継を受け持つ。球団の放映スケジュールでは、第1戦がFBS福岡放送、第2戦の10月15日はTNCテレビ西日本、第3戦の16日はRKB毎日放送の担当だ。中村晃の初解説は、その初日のFBSの中継で実現した。

第1戦はソフトバンクが逆転勝ち、通算3勝0敗に

中村晃が解説した試合は、ソフトバンクが日本ハムに6-4で逆転勝ちした。

序盤の主導権は日本ハムにあった。ソフトバンクが1回に1点を先制したものの、日本ハムは2回に同点とし、3回にも2点を加えて勝ち越す。ソフトバンク先発のモイネロは3回途中で降板した。

流れが変わったのは2点を追う4回だった。ソフトバンクは相手の失策も絡めてこの回だけで5点を奪い、一気に試合をひっくり返す。日本ハムは7回に郡司裕也のソロ本塁打で2点差に迫ったが、ソフトバンクは継投で逃げ切った。

勝ち投手はドラフト3位の新人・鈴木豪太で、CS初登板での白星となった。日本ハム先発の山﨑福也が敗戦投手、9回を締めた杉山一樹にセーブが付いている。試合時間は3時間14分、入場者は3万9894人だった。

関連記事:ソフトバンク、CSファイナル第1戦で日本ハムに逆転勝ちし3勝0敗 首痛から一転登録の柳田悠岐は出場なし、小久保監督「注射が劇的に効いた」

リーグ優勝したソフトバンクには2勝のアドバンテージがあり、第1戦の勝利で3勝0敗とした。今季から、ファーストステージの勝者が優勝チームに10ゲーム以上離されていた場合などはアドバンテージが1勝から2勝に増える。ソフトバンクは日本ハムに13ゲーム差をつけて優勝しており、制度が導入された今季、初めてこの規定が当てはまった。ファイナルステージは最大7試合で、先に5勝した球団が日本シリーズへ進む。日本シリーズ進出まで、残りは2勝だ。

19年間ホークス一筋、通算1522安打で幕

中村晃は埼玉県出身。帝京高から高校生ドラフト3巡目でソフトバンクに入り、2008年からプロ生活を送った。1軍デビューは2011年。下積みの3年間を経て、ようやく1軍の舞台に立った。

レギュラーをつかんだのは2013年で、そこから3年連続で打率3割を残す。2014年には176安打でパ・リーグ最多安打のタイトルを手にした。派手な一発よりも、際どい球を見極めて甘い球を仕留める打撃が持ち味だった。一塁手としては2020年から2023年まで4年連続でゴールデン・グラブ賞に選ばれている。

CSとの縁も深い。2019年は自律神経失調症で開幕に出遅れ、出場は44試合にとどまった。だが翌2020年、ロッテとのCSで2本の2ランを放ってCS最優秀選手賞に輝く。「MVPは獲ったことがないのでうれしい」と喜んだのが、6年前の11月だった。その短期決戦を、今度は放送席から見る立場になった。

晩年は故障との戦いが続いた。2025年11月に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受け、2026年は主に代打で起用されたが結果が出ず、6月9日に出場選手登録を抹消される。球団は7月3日に今季限りでの引退を発表し、中村晃は会見で「19年間やってきたことに後悔はない」と語った。2000本安打を目標にプロ入りしたことへの悔しさを口にしながらも、「やりきって終われた」と区切りを付けている。

9月27日のオリックス戦が引退試合となった。「6番・一塁」で先発し、1回の第1打席で二塁打を放つ。これが通算1522本目の安打だった。7回の最終打席は、2007年のドラフトで同期入団したオリックスの岩嵜翔との対戦で、捕邪飛に倒れた後、2人は笑顔で抱き合った。

NPB公式記録による通算成績は1662試合で1522安打、69本塁打、556打点、打率.274。8月5日には自著「いつだって、勝つために」を発売し、印税は全額を福岡市こども病院に寄付するとしている。

関連記事:中村晃の引退セレモニーに石橋貴明がビデオメッセージ『あなたは帝京野球部の誇りです』

第2戦は10月15日、引退直後の「目」に注目

引退試合から17日。中村晃は選手としての感覚が残るうちに、放送席から古巣の短期決戦を見つめた。試合前に後輩の練習を手伝い、そのまま解説に回った一日は、報道でも「異例」と伝えられた。

ファイナルステージ第2戦は10月15日午後6時から、同じみずほPayPayドーム福岡で行われる。予告先発はソフトバンクが上沢直之、日本ハムが北山亘基。ソフトバンクが勝てば、日本シリーズ進出に王手がかかる。10月15日午前時点で、中村晃が今後の中継に出演するかどうかは発表されていない。

練習でボールを拾い、夜はマイクを握る。ユニホームを脱いだばかりの中村晃は、別の場所からホークスを支え始めた。

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

エンタメ

More

スポーツ

More

ライフハック/実用

More

グルメ

More

社会/ニュース

More

旅行/スポット

More
Return Top