浪曲師・玉川太福、2027年秋に師匠の名跡・三代目玉川福太郎を襲名 落語芸術協会が発表、都内6カ所の寄席で公演

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浪曲師の玉川太福(47)が、2027年秋に師匠の名を継ぎ、三代目玉川福太郎を襲名する。所属する落語芸術協会が10月11日、公式サイトで発表した。理事を務める日本浪曲協会も同日、公式Xで襲名を伝えた。襲名披露興行は2027年10月1日の浅草木馬亭を皮切りに、12月10日まで都内6カ所の寄席で計45日間を予定している。師匠の二代目玉川福太郎が2007年に亡くなってから20年の節目に、名跡が復活する。
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披露興行は木馬亭から国立演芸場まで45日間
落語芸術協会が10月11日に公式サイトへ掲載したお知らせによると、襲名は「令和九年秋」。2027年の秋に、協会所属の浪曲師・玉川太福が師匠二代目玉川福太郎の名を継ぐ。
披露興行の日程は次のとおりだ。
| 興行 | 期間(2027年) | 会場 |
|---|---|---|
| 十月興行 | 10月1日〜5日 | 浅草木馬亭 |
| 十月中席 | 10月11日〜20日 | 新宿末廣亭 |
| 十月下席 | 10月21日〜30日 | 浅草演芸ホール |
| 十一月上席 | 11月1日〜10日 | 池袋演芸場 |
| 十一月中席 | 11月11日〜15日 | お江戸上野広小路亭 |
| 十二月上席 | 12月6日〜10日 | 国立演芸場(代替会場公演) |
初日を飾る浅草木馬亭は、浪曲の定席として知られる小屋だ。そこから新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場と、落語の定席が10日ずつ続く。日数を足し上げると、5日、10日、10日、10日、5日、5日の合計45日。本人のコメントにある「45日間」と一致する。
国立演芸場の公演は「代替会場公演」と記されており、具体的な会場名は10月12日時点で公式サイトに示されていない。各興行の出演者も、まだ発表されていない。
浪曲の定席で始まり、落語の寄席を順に回る組み立てだ。
「身の引き締まる思い」寄席への恩返しを誓う
協会のお知らせには、玉川太福のコメントが添えられた。
「このたび師匠の名であり、大師匠の前名でもある玉川福太郎を、三代目として襲名する運びとなりました。ひとえに、身の引き締まる思いでございます」
続けて、各寄席の席亭と落語芸術協会の理事の師匠方に認められ、落語定席でも襲名披露興行を開けることになったと説明。「私を育ててくれた寄席にご恩返しができるよう、45日間の興行を力の限り務めさせていただく所存でございます」と、決意を言葉にしている。
入門3カ月足らずで師匠を亡くした弟子が継ぐ名
福太郎という名には、2つの世代の記憶が重なる。
もともとは、大師匠にあたる三代目玉川勝太郎(1933〜2000年)の前名だった。三代目勝太郎は1953年に福太郎を名乗り、1964年に岳父の二代目玉川勝太郎から三代目勝太郎の名を継いだ。「天保水滸伝」などの侠客物を十八番とし、日本浪曲協会の会長も務めた人物だ。その後、福太郎の名は二代目玉川福太郎へ受け継がれた。
玉川太福が二代目福太郎に入門したのは2007年3月。ところが入門から3カ月足らずで、師匠は亡くなった。修業を始めたばかりの弟子にとって、あまりに早い別れだった。
それでも寄席に出続け、2013年10月に浅草木馬亭で名披露目を迎える。2015年12月に第1回渋谷らくご創作大賞、2017年12月に第72回文化庁芸術祭・大衆芸能部門新人賞を受け、2020年9月には第37回浅草芸能大賞の新人賞、2022年には令和3年度花形演芸大賞の銀賞、2023年には令和4年度彩の国落語大賞の特別賞に選ばれた。2026年に入ると、3月に令和7年度(第76回)芸術選奨の文部科学大臣新人賞、4月に令和7年度花形演芸大賞の金賞と、大きな賞が続く。
2025年1月には、新宿末廣亭の下席夜の部で主任(トリ)を務めた。浪曲師が落語の定席でトリをとるのは、1964年に亡くなった二代目広沢菊春以来、60年余りぶりとされる。本人の公式サイトによると、この10日間の興行は大入満員だった。
師匠の死から20年。弟子は名跡を背負う立場になる。
曲師と2人でつくる芸、古典と新作の両輪
浪曲は、落語や講談と並ぶ語り芸だ。舞台には語り手の浪曲師と、三味線を弾く曲師の2人が上がる。物語は、三味線に乗せて節をつけて語る「節」と、登場人物のせりふにあたる「啖呵(たんか)」で進む。浪曲師と曲師が事前に打ち合わせることはほとんどなく、曲師は浪曲師の節や啖呵に合わせて三味線を奏でる。2人の呼吸がそのまま芸の出来を左右する。浪曲の世界には「一声、二節、三啖呵」という言葉があり、声、節、啖呵の3つが重んじられてきた。
玉川太福の独演会で三味線を担うのは、曲師の玉川みね子。息の合った2人の掛け合いも聞きどころになる。
演目の幅も広い。古典では「天保水滸伝」「清水次郎長伝」「忠臣蔵」などを継承し、新作では工務店で働く2人の男性が地べたに座って弁当のおかずを交換する「地べたの二人」シリーズが代表作になった。2017年からは、山田洋次監督と松竹の許諾を得て映画「男はつらいよ」シリーズの全作浪曲化にも挑む。落語家の瀧川鯉八、春風亭昇々、立川吉笑と組む創作話芸ユニット「ソーゾーシー」でも活動している。
新作の作り方について、本人は雑誌『サライ』2026年4月号のインタビューで、レゴのブロックのように組み立てれば何でも浪曲にできると語った。その言葉どおり、銭湯やサウナ、ニュース、天気予報まで題材にしてきた。三遊亭白鳥の作による動物の任侠物語「豚次伝」全10席も持ちネタだ。テレビでは日本テレビ「笑点」に2018年7月に出演し、NHKラジオ「浪曲十八番」、Eテレ「浪曲特選」にも登場。現在はテレ朝動画の演芸番組「WAGEI」でMCを務める。
1979年8月2日生まれで、新潟県新潟市出身。千葉大学法経学部を卒業し、2016年から「にいがた観光特使」を務める。日本浪曲協会と落語芸術協会の両方に所属し、木馬亭のほか新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場といった落語の定席にも出ている。弟子には、わ太、き太がいる。
地元とのつながりも続く。本人の公式サイトに載った10月の予定には、10月3日に新潟市のりゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)能楽堂で開かれた「第11回玉川太福里帰り独演会」があり、弟子のわ太が開口一番として名を連ねた。11月15日には西新潟市民会館で「坂井輪コミセン40周年記念玉川太福独演会」も予定している。故郷での里帰り独演会は、これで11回目となった。
2027年秋、20年ぶりに「福太郎」が高座へ
披露興行の初日まで、およそ1年。出演者や国立演芸場の代替会場など、詳しい内容はこれから順次明らかになる。浪曲の名跡が寄席の看板に戻るのは、2007年以来20年ぶりだ。
身近な出来事を浪曲にした「身辺雑記」から選んだ演目を活字にした著書『玉川太福 私浪曲 唸る身辺雑記』は、2025年1月に竹書房から出ている。
入門してすぐに師匠を失った弟子が、その名を名乗って寄席を回る。2027年10月1日、浅草木馬亭の高座から、三代目玉川福太郎の45日間が始まる。
[文/構成 by エンタメライター 和泉ユウスケ]

















































































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