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度会隆輝、CS第1戦で9回に決勝弾「喜びすぎて酸欠になりました」 DeNAが巨人に先勝

度会隆輝、CS第1戦で9回に決勝弾「喜びすぎて酸欠になりました」 DeNAが巨人に先勝

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

DeNAの度会隆輝(24)が10月10日、東京ドームで行われたセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦の巨人戦で、1-1の9回に決勝ソロを放った。相手は巨人の守護神ライデル・マルティネス。DeNAが2-1で競り勝ち、ファイナルステージ進出に王手をかけた。試合後、度会は「喜びすぎて酸欠になりました」と笑顔を見せた。

9回1死、カウント3-1から152キロを右中間へ

1-1のまま進んだ投手戦は、9回に動いた。巨人は8回まで投げた先発の井上温大に代えて、マルティネスをマウンドへ送る。先頭の代打・勝又温史は左翼手・松本剛の好捕で倒れ、打席には1番・度会が入った。

度会はボール球を見極めてカウント3-1と打者有利に持ち込み、5球目、高めに来た152キロの直球を振り抜く。打球は右中間スタンドの最前列ぎりぎりに飛び込んだ。敵地の東京ドームは一瞬静まり、三塁側のDeNAベンチはお祭り騒ぎ。プロ3年目で初めて打ったCSの本塁打が、そのまま決勝点となった。

その裏、DeNAはレイノルズが登板した。巨人は先頭の松本が左中間へ二塁打を放ち、泉口友汰の犠牲バントで1死三塁と一打同点の場面をつくる。それでもレイノルズはダルベックを一飛、大城卓三を左飛に打ち取った。最後の打球をつかんだのは、左翼を守っていた度会だった。

チーム123456789計安打失策
DeNA(勝利)100000001240
巨人100000000160

勝利投手は浜地真澄、敗戦投手はマルティネス、セーブはレイノルズ。本塁打はDeNAの牧秀悟(1回ソロ)と度会(9回ソロ)の2本で、巨人は0本だった。試合時間は2時間37分、入場者は4万2232人と発表された。

「酸欠」の裏にあった戸柱の一言

度会はこの日、9回の打席まで3打数無安打だった。1回は井上の151キロの直球に見逃し三振、3回は二ゴロ、6回は遊ゴロ。井上は8回を102球、3安打1失点、10奪三振と、DeNA打線をほぼ封じていた。

流れを変えたのは、ベンチでの会話だった。度会は捕手の戸柱恭孝に助言を求め、「隆輝、今日なんか気負ってるぞ。自分らしく、本能でいってこい」と声をかけられた。戸柱は試合後、「彼は頭で考えて打つより、来たボールを打つ力が優れているので」と、その意図を説明している。

お立ち台で度会は「何が何でも打つと決めて打席に入った。打てて良かったです!」と語り、戸柱の言葉を受けて「本能で打ちました。とても幸せな気持ちです」と明かした。試合後には「角度はよかったんですが入るかまではわからなかったので、心のなかで『入ってくれ』と祈っていました。喜びすぎて酸欠になりました」と笑い、ベンチで盛り上がりすぎてふらついていたことも打ち明けた。

相手は球界屈指の抑え投手だ。度会は「12球団を見てもトップに入るような投手。挑戦者の気持ちで本能で打席に入りました」とうなずく。ベンチに戻ると、同学年の捕手・古市尊に頭をなでられ、戸柱とは抱き合った。

先発の東は7回1失点、初回は牧と吉川が応酬

試合は立ち上がりから動いた。1回1死、DeNAの牧が井上の初球、甘く入ったカットボールを左翼席へ運ぶ。牧はレギュラーシーズンで井上に13打数無安打と抑えられており、その相手からの先制弾だった。

巨人もすぐに追いつく。その裏、先頭の吉川尚輝が左翼フェンス直撃の二塁打で出ると、松本の犠牲バントで1死三塁とし、泉口の一ゴロの間に吉川が生還した。

DeNA先発の東克樹は、ここから粘る。2回以降も先頭打者の出塁を4度許しながら、追加点は与えなかった。7回1死一塁ではリチャードを遊ゴロ併殺に打ち取り、102球、5安打1失点で降板。8回は浜地が9球で三者凡退に抑え、勝利投手となった。東はレギュラーシーズンの巨人戦でも4試合に登板して3勝0敗、防御率1.33と相性の良さを見せていた。

DeNA打線は4安打にとどまった。2回と5回に先頭の宮﨑敏郎が安打で出塁したが、2回は一塁けん制で刺され、5回は後続が倒れた。本塁打2本で奪った2点を、投手3人で守り切った。

巨人・橋上監督代行「あと1点が、なかなか遠かった」

巨人の橋上秀樹監督代行は、マルティネスについて「シーズンずっと登板数もやってきたので、コンディション的に疲労が取れているとは言いがたい」と話した。それでも「とは言え彼に代わる選手はいないので、精一杯頑張ってもらいたい」と、信頼は変えなかった。

打線については「最後の一本がなかなか出ない。それが敗戦に結びついたかなと思います」と振り返る。巨人は6安打を放ち、初回に続いて3回、6回、9回にも得点圏に走者を進めたが、1点しか奪えなかった。

マルティネスは「失投だったと思います。度会選手がうまく打った結果だと思います」と認めた。「鉄人ではないんで。人間なんで」とも話したが、コンディションを問われると「しっかり練習しているんで」と言い訳はせず、「ポジティブなマインドを維持してやっていきたい」と次戦に目を向けた。

DeNAの相川亮二監督は度会について「こういう舞台は彼は得意というか、期待できる選手なんですけれども、彼と(牧)秀悟、ホームランはさすがだなと」とたたえた。9日の前日会見では、橋上監督代行がDeNAを「勢いのDeNAベイスターズ」と表現し、相川監督は会見後に「勢いだけで勝てるものではない」と反論していた。

関連記事:相川監督、橋上監督代行の「勢いのDeNA」に反論 「勢いだけで勝てるものではない」10日のCS第1戦は東克樹が先発

横浜高からENEOS、ドラフト1位で入団した背番号4

度会は2002年10月4日生まれ。横浜高からENEOSを経て、2023年のドラフト1位でDeNAに入団した。背番号は4、右投げ左打ちの外野手だ。

3年目の2026年はチーム最多の134試合に出場し、初めて規定打席に到達した。成績は打率.274、9本塁打、51打点で、安打数は129本。1年目の75試合、2年目の86試合から出場機会を大きく増やした。CSは初めてのスタメン出場で、いきなり結果を出した。

度会はCS前、「試合にたくさん出させていただいている分、自覚と覚悟と責任は持っていなければ、だめだと思う」と口にしていた。試合後は「チーム全体も何が何でもCSを勝ち進んで日本一になると思っている」と、短期決戦の先を見ている。

11日の第2戦に勝てば突破、予告先発は石田裕太郎と竹丸和幸

ファーストステージは、リーグ2位の巨人と3位のDeNAによる3試合制で、先に2勝した球団が勝ち上がる。全試合が巨人の本拠地・東京ドームで行われ、ファーストステージには勝ち星のアドバンテージがない。ただし、引き分けを除いた勝ち数が並んだ場合は上位の巨人が勝者になる規定だ。

DeNAは11日の第2戦に勝てば、ファイナルステージ進出が決まる。進めば3年連続で、相手はリーグ優勝の阪神。ファイナルステージは10月14日から阪神の本拠地で始まり、阪神には1勝のアドバンテージが与えられる。巨人は残り2試合で勝ち数を並べなければ敗退となる。

第2戦は11日14時に東京ドームで始まる。予告先発はDeNAが3年目右腕の石田裕太郎、巨人がドラフト1位ルーキーの竹丸和幸。同学年の2人は5月17日にも先発で投げ合い、竹丸が6回無失点で勝利投手、石田裕は6回1失点で敗戦投手となった。石田裕は今季の巨人戦で5試合に投げ、防御率2.93ながら0勝4敗と白星がない。

関連記事:竹田麗央、11日の巨人-DeNA CS第2戦で始球式 「いつも試合速報を見て応援しています」米ツアー2勝の大の巨人ファン

巨人とDeNAはCSで過去3度対戦し、いずれもDeNAが勝ち上がっている。第1戦を含めた通算成績は巨人の3勝9敗。DeNAが連勝で突破を決めるのか、巨人が踏みとどまって第3戦へ持ち込むのか。勝負は11日の第2戦に移る。

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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