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清岡もえ、アジア大会女子53キロ級で金メダル 「ロス五輪できょうだいで金メダルを取る」兄・清岡幸大郎との目標

清岡もえ、アジア大会女子53キロ級で金メダル 「ロス五輪できょうだいで金メダルを取る」兄・清岡幸大郎との目標

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愛知・名古屋アジア大会のレスリング女子フリースタイル53キロ級で3日、清岡もえ(22)=ALSOK=が金メダルを獲得した。決勝は世界ランキング1位のインド選手に9-1で快勝している。前日にはパリ五輪王者の兄・幸大郎が65キロ級で銅メダルに終わり、きょうだいでの優勝はならなかった。清岡は「ロス五輪できょうだいで金メダルを取る」と次の目標を掲げる。

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準決勝まで失点ゼロ、世界ランク1位に9-1

会場は名古屋市の稲永スポーツセンター。清岡は初戦で韓国選手に12-0で勝つと、続く2試合も10-0、12-0と圧勝を重ね、準決勝までを無失点で勝ち上がった。

決勝の相手は、世界ランキング1位のインドのアンティム。第1ピリオドの序盤に相手の足を取って場外へ押し出し、1点を先制する。さらに相手に消極的と判定されて1点が加わり、2-0で折り返した。

第2ピリオドは1点を返されたが、終盤に場外などで得点を重ね、最後は4点の大技を決めて9-1で試合を締めた。国際総合大会での金メダルは、これが初めてとなる。

試合後、清岡はスポーツニッポンの取材に「冷静に戦えたことが勝因。ホッとしたし、うれしい」と話した。女子53キロ級の日本勢の金メダルは、2023年杭州大会の藤波朱理に続き、2大会連続だ。

兄・幸大郎の銅から一夜、「兄の分まで」と切り替えた

前日の2日、男子フリースタイル65キロ級に出た幸大郎(25)は、準決勝で敗れて3位決定戦に回り、銅メダルを手にした。パリ五輪の金メダリストが決勝に進めず、日本勢のきょうだいV、いわゆる「ダブル金」の夢は、清岡の試合を前に消えている。

それでも清岡は気持ちを乱さなかった。読売新聞の取材に、「兄妹での優勝を一番の目標にしていたら、支障をきたしてしまうと思っていた。むしろ兄の分まで頑張ろうという思いだった」と明かしている。頭の中では「周りはどうであれ、自分は自分」と繰り返していたという。

決勝は僅差の展開で進み、会場がわずかに静かになった。そのとき、聞き覚えのある声が響く。スタンドで見守る兄の声だった。目に入った兄の姿に、清岡は力がわいたと振り返る。

幸大郎は自身の敗戦後、「僕がつまずいちゃった分、妹に優勝してもらって、僕の名前を上げてもらいたい」と話していたと読売新聞が伝えている。妹はその言葉に、金メダルで応えた。

2024年に世界女王、53キロ級転向後は壁にも直面した

清岡は2003年10月9日生まれの高知市出身。高知南高から育英大に進み、2026年春にALSOKへ入社した。2歳上の兄と同じ高知クラブで競技を始め、世代別の大会を勝ち進んでいる。

大きな転機は2024年だった。非五輪階級の55キロ級で出場した世界選手権で、2回戦から出て失点ゼロのまま初出場初優勝を飾る。兄がパリ五輪を制した同じ年に、きょうだいそろって世界一へ立った。

ところが、五輪階級の53キロ級へ移ると、状況は一変する。主な戦績は次のとおりだ。

年大会結果
2024年世界選手権(55キロ級)優勝
2025年アジア選手権(53キロ級)2位
2025年国スポ優勝(須﨑優衣を破る)
2025年全日本選手権優勝
2026年アジア選手権3位
2026年5月明治杯全日本選抜選手権優勝、世界選手権とアジア大会の代表に内定
2026年10月アジア大会優勝

スポーツニッポンによると、53キロ級に本格転向した昨年は世界選手権の代表入りを逃した。食事やトレーニングを見直して代表争いに戻り、今年5月の全日本選抜で、決勝で村山春菜を破って代表をつかんでいる。

精神面を整える術は、過去の国際舞台での失敗から身につけた。読売新聞によると、焦って攻め急いだり、引きすぎたりした経験を踏まえ、「自分の魅力は組み手を徹底し、少しずつ前につめて相手の体力を削るレスリング」と原点に立ち返ったという。決勝で終盤に一気に得点を重ねたのは、その戦い方だった。

目標は金メダル兄妹、ロス五輪へ向けて

清岡はスポーツ報知の取材に、こう語っている。「もちろん、きょうだい優勝も目指していた。ここが最大の目標じゃなく、ロス五輪できょうだいで金メダルを取るっていうのが最大の目標なので。そこに向けて、それぞれ今回の大会を生かしていけたら」。

今回の大会で、妹は金、兄は銅を手にした。目指す舞台は2028年ロサンゼルス五輪で、アジア大会はその途中にある一つの通過点だ。

兄は負傷を抱えながら臨んだ大会を、次への経験にすると語っていた。金メダルの妹と、巻き返しを誓う兄。2人が同じ表彰台の頂点に並ぶ日が、次の目標になる。

関連記事:清岡幸大郎、アジア大会レスリングで銅メダル 右膝負傷のパリ五輪王者が3位決定戦で勝利

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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