藤波朱理、アジア大会準決勝で敗れ連勝記録は155でストップ 3位決定戦は10-0で勝利し銅メダル

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愛知・名古屋アジア大会のレスリング女子57キロ級で3日、パリ五輪53キロ級金メダルの藤波朱理(22)=レスター=が準決勝で北朝鮮のソン・イルシムに0-10で敗れた。2017年9月から続いた公式戦の連勝は155で止まっている。約7時間後の3位決定戦はベトナム選手に10-0で勝ち、銅メダルを手にした。藤波は「この負けを必ず意味のあるものにして、強くなりたい」と語り、ロサンゼルス五輪での巻き返しを誓った。
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準決勝で1点も奪えず、9年4カ月ぶりの黒星
会場は名古屋市の稲永スポーツセンター。階級を上げて初めてのシニア国際大会に臨んだ藤波は、初戦でモンゴル選手に序盤の5点ビハインドをはね返して勝ち、準々決勝もインド選手に3-0で勝利した。ここまでで連勝を155に伸ばしている。
準決勝の相手は、2025年世界選手権2位のソン・イルシムだった。序盤から連続攻撃を浴びて防戦一方となり、藤波は0-10で敗れる。公式戦での黒星は、2017年6月の全国中学生選手権決勝で伊藤海に敗れて以来、9年4カ月ぶりだった。
試合後、マットに座り込んでぼうぜんとする藤波の横で、ソンは涙を流して喜んだ。取材ゾーンに現れた藤波は消え入るような声で「自分の実力不足で負けた」と話した。3位決定戦のあとには、敗れた瞬間の胸中を「言葉に表せない、今まで経験したことのない感情だった。忘れることはないし、忘れたくない」と振り返っている。
敗因を問われると、はっきりとした答えが返ってきた。スポーツニッポンによると、組んだ瞬間に「すぐにちょっと違うな」とフィジカルの差を感じたという。両手でがっちり組み止められ、得意の高速タックルに入る間合いを作れなかった。五輪王者として徹底的に対策されるのは「当たり前。本当に相手が強くて、自分が弱かっただけ」と認めている。
約7時間後の3位決定戦、10-0の完勝で銅メダル
涙の準決勝から約7時間。藤波は3位決定戦のマットに立った。相手はベトナム選手で、試合は1分25秒、10-0の完勝だった。
表彰式では、初めて他国の国歌を聞く立場になった。中国国歌が流れる中、藤波は「2年後に絶対流すのは君が代と思いながら聞いていた。悔しいーって。ちょっと不思議な感覚だった。あの時間は忘れることはない」と声を震わせた。
首にかけた銅メダルについては、こう話している。「いろんな思いが詰まった特別なメダル。今までで一番大切にする。これを見続ける2年になると思う」。中学2年だった2017年9月から、団体戦を除けば金メダル以外を手にしていなかった。
準決勝のあと、バックヤードでは号泣したという。午後のセッションが始まるまでの間には、家族や友人から励ましのメッセージが届いた。スタンドで見守っていた母・千夏さんには自分から電話をかけ、「また一から。頑張ったよ」と声をかけられたと明かしている。
父・俊一コーチが挙げた課題は57キロ級のフィジカル
藤波は2024年のパリ五輪で53キロ級を制した。減量の負担が大きかったことから、大会後に57キロ級へ上げている。だが、この階級での国際大会は今回が初めてだった。
父でコーチの俊一さんは、競技を始めた4歳から一貫して娘を指導してきた。セコンドについた今大会では、敗戦後にこう振り返っている。「完全にやられた。タックルに入らせない作戦で来ると思っていた。課題を克服できずに試合となってしまった」。
背景には、半年前の誤算もある。昨年12月の全日本選手権を制した藤波は、4月のアジア選手権代表に選ばれていたものの、右足首のケガに配慮して欠場した。スポーツニッポンによると、俊一さんは「出場できなかったのは痛かった気がする」と語っている。
課題は具体的だ。中日スポーツによると、俊一さんは「相手の方が大きく見えた。まだフィジカルが足りない」と話した。東京スポーツによれば、サーキットトレーニングでスタミナはついたが、今後はウエイトトレーニングで体づくりを進める。実戦経験も同じで、スポーツニッポンによると「今後はちょっと海外での試合数は増やしていきたい」と見直しを示した。
連勝の重圧については、俊一さんが東京スポーツの取材に「全部なくなったので」と話した。「今回の負けが五輪じゃなくてよかった」とも語っている。目標はあくまで五輪での金メダル、2連覇だという。
世界選手権は見送り、狙うはロス五輪での巻き返し
藤波は10月下旬の世界選手権(カザフスタン)に出場せず、28年ロサンゼルス五輪の国内選考が絡む12月の全日本選手権に合わせていく。スポーツ報知によると、俊一さんは「国内予選に入るのでそこに絞ろうということ」と説明した。
読売新聞オンラインによると、藤波は大会後にこう決意を語っている。「絶対に、絶対に、ロスでは応援してくれた人たちと絶対に、一番を取るって決めました。この負けを必ず意味のあるものにして、強くなります」。
4日には、自身も119連勝を記録した吉田沙保里さんがTBS系「サンデーモーニング」に出演し、エールを送った。「負けから得るものの方が大きい。負けを経験したときに、こんなにたくさんの人に応援されていたんだと気付かされた」。中日スポーツによると、階級を上げた影響にも触れ、「ここから次の五輪に向けて鍛え上げていけば問題ない」と述べている。
階級を上げたあとの五輪連覇は、簡単な道ではない。壁は高い。それでも、連勝記録の重圧を下ろした22歳の再出発が、ここから始まる。
藤波のこれまでの歩みを知りたい人には、書籍『すべてはレスリングのために 藤波朱理、笑顔でつかむ金メダル』もある。
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[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]









































































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