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清岡幸大郎、アジア大会レスリングで銅メダル 右膝負傷のパリ五輪王者が3位決定戦で勝利

清岡幸大郎、アジア大会レスリングで銅メダル 右膝負傷のパリ五輪王者が3位決定戦で勝利

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愛知・名古屋アジア大会のレスリング男子フリースタイル65キロ級で、パリ五輪金メダリストの清岡幸大郎(25)=カクシンライフ=が2日、銅メダルを手にした。準決勝でインド選手に敗れたが、3位決定戦でイラン選手に3-2で勝利。大会の約3週間前に右膝を痛めた状態での出場だった。3日には妹のもえが女子53キロ級に登場する。

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3位決定戦はイラン選手に3-2、第2ピリオドのバックで勝負を決めた

会場は名古屋市稲永スポーツセンター。2日の男子フリースタイル65キロ級3位決定戦で、清岡はイランのアッバース・エブラヒムザデサヴァドクーヒ(24)と対戦し、3-2で競り勝った。

第1ピリオドは清岡が前に出て攻め、相手にアクティビティタイム(消極的な選手に30秒以内の得点を求める仕組み)が科される。相手が30秒で得点できず、清岡に1点が入った。1点リードで折り返した第2ピリオド、1-1の場面で相手の背中を取って2点を追加し、最後は1点差で逃げ切っている。

試合終了と同時に、清岡はマットにうずくまって号泣した。中日スポーツの取材に「メダルを持って帰れてよかった。何としてでも勝たないといけないと思って臨んだ」と明かしている。

この階級で日本勢がアジア大会の表彰台に立つのは3大会連続。2018年ジャカルタ大会では高谷大地が銀、2023年杭州大会では山口海輝が銅を取っており、清岡はそのバトンを途切れさせなかった。

準決勝はインド選手に3-3、ビッグポイントの差で敗れた

金メダルへの道が閉ざされたのは、同じ2日の準決勝だった。

相手はインドの選手。清岡は第1ピリオドに1点ずつを重ねて2-0で折り返したものの、第2ピリオドにタックルに入りながら取り切れず、逆にバックを奪われて2点を失う。さらに場外に出されて2-3。1点を返して3-3に追いついたが、同点の場合は大きな得点(ビッグポイント)を多く取った側が勝つルールで、清岡の敗戦が決まった。

試合後、清岡はスポーツ報知の取材に反省を口にしている。

「「アジア大会に向けたコンディショニングだったり体づくりだったり、調整の部分で足りないものがあった。」」

敗れた相手について、清岡は銅メダルを決めた後の一問一答で「世界ランク1位の今年負けなしの選手」と表現した。タックルをほとんど使えず、組み手中心の戦いでそこまで競れたことに、手応えも感じていたという。

約3週間前の負傷、直前合宿の最終日にも再び痛めていた

背景には大会前のけががあった。

スポーツ報知やスポーツニッポンによると、清岡は大会の約3週間前に右膝を負傷。出発直前の練習で同じ箇所を再び痛め、テーピングを巻いて試合に臨んだ。持ち味の鋭いタックルは影を潜め、準決勝ではタックルをかわされた後に背中を取られている。

本人はスポーツ報知の一問一答で、痛めた部分について「この内転筋、内側の足の付け根の部分をちょっと痛めてて」と説明した。病院には行かず、トレーナーとのケアやコンディショニングで回復を図ってきたという。約3週間、タックルもタックルへの守りもほとんど練習できず、組み手だけで勝つつもりで準備を重ねていた。

なぜ、ここまで追い込んだのか。

伏線は昨年の世界選手権にあった。五輪王者として臨んだ大会の決勝で、清岡は0-10のテクニカルスペリオリティー(大差での試合終了)で敗れている。スポーツニッポンによると、その悔しさから練習量を増やし、まじめな性格もあって追い込みすぎたことが今大会前のけがにつながった。「気持ちを上げて(練習を)やり過ぎた」と本人も振り返る。

それでも、準決勝の敗戦後に口にしたのはこの言葉だった。

「「その中で今出せる自分のレスリングで勝つための練習、調整はしてきたので言い訳にしたくない。実力不足だったかな」」

「いい経験だった」と言えるように、ロス五輪へ続く道

清岡は高知県出身。2024年パリ五輪でこの階級の金メダルを手にし、今年は明治杯全日本選抜選手権を制してアジア大会の代表入りを決めていた。マンガ「ドラゴンボール」の孫悟空にあこがれてきたレスラーとしても知られる。

銅メダルを手にした後、中日スポーツの取材には「いい経験だった、と言えるように頑張りたい」と前を向いた。スポーツ報知の一問一答でも、この結果を次につなげる考えを強調している。

「「必ずあれがいい経験だったから連覇を達成できたって言えるように頑張りたいと思います」」

けがをしたことで、組み手などタックル以外の技術に集中して取り組めた。その成果を実感したと語り、「伸びしろまだまだあるなっていう感じです」と付け加えた。今後はけがをきちんと診てもらい、天皇杯(全日本選手権)には万全の状態で臨む考えだ。目標は2028年のロサンゼルス五輪で、日本開催のアジア大会はその途中にある一つの舞台となる。

3日は妹・もえが女子53キロ級に登場

今大会は、きょうだいそろっての出場でもあった。妹のもえ=ALSOK=は女子53キロ級の代表で、3日の最終日に試合を迎える。兄妹でのダブル金メダルは、兄の敗戦でかなわなくなった。

日刊スポーツの取材に、清岡は妹へ「ロスに向けて清岡きょうだいを知ってもらえるチャンス」とエールを送っている。スポーツ報知の一問一答では、卓球の張本兄妹や柔道の近藤兄妹の名前を挙げ、自分たちも追いつき、追い越したいと語った。

最後に妹へのメッセージを求められると、こう答えた。

「「自信を持って、自分らしくのびのびやってもらいたいなと思います」」

日本女子は2日までに行われた4階級すべてで金メダルを手にしており、残るのは3日の53キロ級と57キロ級だけ。もえの53キロ級と、パリ五輪王者・藤波朱理の57キロ級が、アジア大会で日本女子初となる全階級制覇をかけた試合になる。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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