英乃海、両国国技館で断髪式 弟・翔猿との最後の相撲に「手を抜いてくれた」、横綱豊昇龍らがはさみ

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今年3月の春場所限りで引退した元幕内・英乃海の岩崎拓也さん(37)=木瀬部屋=の断髪式が3日、東京・両国国技館で開かれた。横綱豊昇龍ら約300人がはさみを入れ、最後は弟で現役幕内の翔猿(34)=追手風部屋=との一番に臨み、寄り切りで勝利。「手を抜いてくれた」と弟の強さをたたえた。
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最後の一番は兄の寄り切り勝ち
断髪式は3日、両国国技館で行われた。式の途中、英乃海は大銀杏姿のまま土俵に上がり、弟の翔猿と胸を合わせた。
取組では、翔猿に一発でもろ差しを許しながらも、英乃海が出し投げで崩して寄り切った。兄の勝利に会場は大歓声に包まれた。
試合後、英乃海は「一発目で負けていた。手を抜いてくれた。現役バリバリは強いです」と語った。弟の強さについては「何が強いのだろうと思っていたけど、密着してくる。これは嫌だろうなと」と明かしている。
敗れた翔猿も笑顔だった。「思ったより強かった。腰が重い」と話し、のちには「小さい頃しか兄と相撲は取っていない。皆の前で取れて感慨深いですね」と振り返った。
最後の一番は、兄が弟を指名して実現した。翔猿は「圧倒的にやっつけてやりますよ」と快諾していたという。
公式の場で対戦できなかった兄弟
2人が土俵で向き合うこと自体が珍しい。大相撲には、部屋が違っても4等親以内の力士は、優勝決定戦を除いて取組を組まない内規がある。
アマチュア時代に対戦した経験はなく、巡業で一度対戦したときは翔猿が押し出しで勝っている。断髪式での一番は、兄弟にとって最初で最後の対決の舞台となった。
兄の英乃海は2012年夏場所で初土俵を踏み、最高位は東前頭6枚目。幕内在位は13場所、十両は53場所を務めた。今年の春場所は西幕下3枚目から出場して十両との入れ替え戦に敗れ、3勝4敗と負け越した。引退会見では「そこで決めました。悔いはない」と話していた。
横綱豊昇龍ら約300人がはさみ、止めばさみは師匠
はさみを入れたのは、所属した木瀬部屋と同じ出羽海一門の横綱豊昇龍(27)=立浪部屋=ら約300人。師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)が止めばさみを入れ、大銀杏に別れを告げた。
豊昇龍は9月の秋場所を全休しており、秋場所後では初めて公の場に姿を見せた。報道陣には「今日は話さない。また別の日に」とだけ述べて会場を後にした。
英乃海は式を振り返り、「本当に相撲をやってきて良かったと心から思う。本場所では聞かないくらいの声援を頂き、うれしかった」と語った。「お客さんが少なかったらどうしようと思っていたので、会場の景色を見て感動した」とも明かしている。「こうして多くの方に送り出していただいて、本当に幸せです」と感謝を述べたが、最後まで涙は見せなかった。
ワイシャツを忘れるハプニングと、明かされた妻の存在
髪を整えてスーツに着替え、土俵であいさつに立った英乃海に、思わぬハプニングがあった。白いワイシャツを忘れていたのだ。
「最初から終わりまで、グダグダしてしまって本当にすみません」と英乃海。シャツは元十両の紫雷から借りたものだといい、「ちょっと小さいです」と話すと、会場からは笑いが起きた。
現役時代は公表していなかった妻の存在も、この日明らかになった。結婚は約12年前で、妻は式に出席して花束を贈った。新しいヘアスタイルには「よく似合っている」と話したという。スーツ姿に合わせて前髪を長めに残した髪形で、英乃海は伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)に似ていると気に入った様子で、「この髪形を極めていきます」と笑った。
今後は不動産会社で営業職へ
引退後の英乃海は、中学時代の同級生が社長を務める不動産会社で営業職に就く予定だ。働きながら宅地建物取引士の資格取得を目指すという。
弟の翔猿には、引退会見で「少しでも長く現役をできるように頑張ってほしい」とエールを送っていた。兄を追い越して活躍する弟に悔しさもあったが、「嬉しい気持ちの方が大きかった」と話している。大銀杏を落とした兄は、次の土俵に立つ弟を、これからは外から見守ることになる。
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[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]








































































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