大相撲、技を仕掛けた側の髪が先についても負けにしない例外規定を削除 1955年の制定以来初、藤島親方「まげも体の一部」

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日本相撲協会は1日の理事会で、相撲規則の勝負規定第9条を改定した。技を仕掛けて相手を倒しながら先に髪がついても負けにしないとしていた、ただし書きを削る。1955年の制定以来、この規定に手が入るのは初めて。今後は仕掛けた側でも髷が先につけば負けとなる。
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削られたのは第9条の「しかし」以下、1日の理事会で決定
日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で定例理事会を開き、取組中に力士の髪が土俵についた場合の勝敗について、相撲規則の一部改定を決めた。審判部から上がった提案を、この日の理事会が認めた。
対象は勝負規定の第9条。条文は「頭髪が砂についた時は負けである」と定め、その後に「しかし、相手を倒しながら、瞬時早く髪がついた時は負けにならない」とのただし書きが続いていた。削除されるのは、この「しかし」以下の部分だ。技を仕掛けた側であっても、髷が先に土俵につけば負けになる。
相撲規則が定められたのは1955年(昭和30年)で、ただし書きは制定時から71年間、そのまま残ってきた。削除は制定以来初めてだと日刊スポーツは伝えている。
「瞬時早く」をどう見るか、投げの打ち合いで線が引けなかった
相撲では、足の裏以外の体の一部が先に土俵についた方が負けになる。髪も例外ではなく、髷が砂に触れればその時点で負けとなる。
ただし書きが想定していたのは、投げなどで相手を倒しにいった力士が、勢い余って先に頭から落ちる場面だった。相手はすでに倒れかけており、勝負を決めたのは仕掛けた側の技だと見る。その考え方で、仕掛けた側の勝ちを残す余地を設けていた。
難しいのは、どちらが仕掛けたのかを見分ける作業だ。片方がはっきり投げを打ち、もう片方が受け身になっていれば判断はつく。だが両者が同時に投げを打ち合う一番では、どちらの技が先だったのか線を引きにくい。
読売新聞は、「瞬時早く」の解釈が曖昧だとの指摘があったと報じた。デイリースポーツによると、審判部からは「分かりにくい」との要望が出ていたという。
藤島親方「まげは審判部の永遠のテーマ」
報道陣に説明したのは、広報部長の藤島親方(元大関武双山)だった。スポーツ報知によると、藤島親方は「相手を倒しながら技を仕掛けるということに曖昧な部分があった」と話した。東スポWEBの記事では、改定の理由を次のように語っている。
「「完全に片方が受け身で、片方が投げているのであればわかりやすいけど、投げの打ち合いとかが曖昧なので。まげも体の一部と見て統一しようと、審判部から上がってきた議題」」
日刊スポーツの記事では、改定の趣旨を「髷(まげ)も体の一部と見て、統一しよう」と説明した。中日スポーツには「だいぶ前の規定。まげも体の一部ということで統一しようということです」と話している。
髷の扱いは、時代ごとに審判を悩ませてきた。藤島親方は東スポWEBに「まげは審判部の永遠のテーマ。まげがついた、引っ張ったというのは、その時代でいろいろ苦労されていることなので、今回統一しようとなった」と経緯を明かした。
髷(頭髪)をつかむ行為は、反則負けとなる禁じ手の一つ。土俵に「ついた」かどうかと、相手が「つかんだ」かどうか。髷はその両方で、判定を難しくしてきた。
1980年秋場所、投げの打ち合いで貴ノ花の髷が先についた
髷をめぐる過去の判定で、よく知られているのが1980年秋場所7日目の一番だ。大関貴ノ花が高見山と投げを打ち合い、先に貴ノ花の髷が土俵についたとして、軍配差し違えで負けとなった。デイリースポーツによると、決まり手は小手投げだった。
スポーツ報知によると、この一番では高見山の右手が先に落ちたように見え、軍配はいったん貴ノ花に上がった。ところが物言いがつき、協議の結果、貴ノ花の髷の方が先だったとして差し違えになったという。
物言いは、土俵下の審判(勝負審判)が行司の判定に異議を唱え、土俵上で協議する手続きのこと。協議で行司の軍配と逆の力士が勝ちとされると、行司の差し違えとして記録が残る。髷が先についたかどうかは一瞬の出来事で、目で見分けるのは簡単ではない。
藤島親方はこの取組を例に挙げ、幕下以下の取組の例も含めて議論し、改定を決めたと説明した。ただし書きがあった当時でも、投げの打ち合いで髷が先についた側が負けとされた一番になる。46年前の判定と、今回の改定が示した考え方は同じ方向を向く。
適用の時期は発表されず、判定の物差しは一本に
新しい規定をどの場所から使うのかについて、1日時点の報道に記載はない。次の本場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎える九州場所だが、適用の時期は協会の発表を待つ必要がある。
改定で変わるのは、髷が先についた一番の裁き方だ。これまでは「どちらが技を仕掛けていたか」を審判が見極める余地があった。今後は仕掛けた側かどうかを問わず、髷が先についた力士の負けとなる。物言いの場面で、審判が迷う要素は一つ減る。
同じ理事会では、来年6月にタイの首都バンコクで大相撲の公演を開くことも発表した。71年続いた一文が消え、髷は手やひざと同じく体の一部として扱われることになった。
[文/構成 by スポーツライター 南條楓]








































































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