杉村美寿希、アジア大会柔道女子78キロ級で金メダル 延長戦、韓国選手の指導3つで勝利

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
柔道女子78キロ級の杉村美寿希(22)=パーク24=が10月2日、愛知・名古屋アジア大会で優勝した。決勝は韓国のキム・ミンジュ(23)と延長戦までもつれ、相手に3つ目の指導が与えられて決着した。日本勢がこの階級を制したのは2大会ぶりだ。
↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓
延長2分前後、偽装攻撃の指導で決着
32年ぶりに日本で開催されている愛知・名古屋アジア大会は、2日が第14日だった。愛知国際アリーナで行われた女子78キロ級決勝は、杉村と、韓国のキム・ミンジュの顔合わせだった。
試合は静かに始まった。TBS NEWS DIGによると、開始39秒になかなか技を仕掛けない両者に指導が与えられた。その後は双方が技を出しながらもポイントを奪えず、3分40秒にはキム・ミンジュへ偽装攻撃の指導が出た。4分では勝負がつかず、ゴールデンスコア方式の延長戦に入った。
延長に入って1分12秒、今度は杉村に指導が与えられ、両者が指導2回で並んだ。あと1回で反則負けとなる状況だった。そこから、キム・ミンジュが偽装攻撃で3回目の指導を受け、杉村の勝利が決まった。
THE DIGESTは、相手に疲労の色が見えて両膝をつく場面が目立ったと伝える。杉村は声援を味方に、足技で揺さぶりながら粘り勝ちした。
準決勝で技ありを奪われても動じず
決勝までの道のりは、一本勝ちの連続だった。TBS NEWS DIGによると、杉村は今大会、すべて一本勝ちで決勝へ駒を進めている。初戦からウズベキスタン、イランの選手と、大柄な相手や初対戦の選手が続いたが、しぶとく勝ち上がったとTHE DIGESTは伝える。
最大の山場は準決勝だった。時事通信によると、イランの選手に技ありを奪われてピンチを招く。それでも杉村は「必ず取り返せる」と動じず、逆転の一本勝ちを収めた。
一本が出なかったのは、決勝だけだ。
涙を袖でぬぐい、「粘り抜いた形」と語る
優勝が決まると、杉村の目から涙があふれた。延長戦の死闘を制して畳を降りた杉村が、こぼれた涙を柔道着の袖で拭ったと京都新聞は伝える。
時事通信によると、試合後は「最後、粘って必ず優勝につなげると強く思っていた。粘り抜いた形」と胸を張った。さらに「自分に少し自信を持てない時期もあったけど、最後までやり切ることができて、ほっとした」と明かし、重圧から解放された表情で頬を緩めている。
比叡山高の朝練と東海大の反復練習が土台
22歳の杉村は、比叡山高から東海大へ進んだ。TBS NEWS DIGによると、高校時代は日本一厳しいといわれる比叡山高校の朝練で強靭なスタミナを培った。東海大では実戦練習だけでなく反復練習をやり込み、基礎を再構築して、持ち味の「美しくキレのある一本を取れる柔道」を手にしたという。
結果は今年に入って表れていた。4月5日に福岡国際センターで開かれた全日本選抜体重別選手権で、女子78キロ級を初めて制している。共同通信によると、世界選手権(10月・バクー)の代表最終選考会を兼ねた大会だった。6月のグランプリ青島大会は2位に入ったと、沖縄タイムスは配信した。
敗れた韓国の期待株は膝の負傷を抱えていた
韓国メディアは、敗れたキム・ミンジュを重量級の期待株と位置づける。韓国のSBSによると、2003年1月生まれで、決勝でも得意の両手背負い投げで攻め続けた。準々決勝はカザフスタンの選手に背負い投げで一本勝ちし、準決勝はレバノンの選手に技ありで勝って決勝へ進んでいる。
SBSは決勝の流れを、攻め続けたキム・ミンジュと、守りの姿勢で体力を温存した杉村の対比で描いた。延長開始から約1分10秒で杉村に消極的姿勢の指導が出たものの、約2分の場面でキム・ミンジュが3つ目の指導を受けたという。
今年の初めには右膝の前十字靱帯断裂と診断された。それでも、アジア大会の金メダルだけを目標に、手術を先送りしてリハビリと練習に打ち込んだと、SBSは伝える。朝鮮日報によると、初のアジア大会は銀メダルで終わった。
日本女子は4階級目の金、柔道日本勢は7個目
スポーツ報知によると、杉村は4月の全日本選抜体重別の女王として臨み、柔道の日本勢7個目の金メダルを獲得した。この日は男子90キロ級の岡田陸(旭化成)も、同階級では12年ぶりに頂点へ立っている。時事通信は、男子100キロ級の増地遼汰朗(京葉ガス)も優勝したと伝えた。
女子は48キロ級の近藤美月(東海大)ら4階級で優勝した。THE DIGESTによると、杉村の金メダルは、初日から数えて日本女子の4つ目だ。
延長戦の終盤まで気を抜かず、粘り抜いた22歳が、アジアの頂点に立った。
関連記事:岡田陸、アジア大会柔道90キロ級で金 前回王者を延長で破り日本勢3大会ぶり
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]








































































コメントはこちら