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イーロン・マスク、X Moneyの外部ベータを開始 年利6%・カード3%還元が示す設計思想

イーロン・マスク、X Moneyの外部ベータを開始 年利6%・カード3%還元が示す設計思想

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イーロン・マスク氏が率いるXの決済サービス「X Money」が、米国で限定的な外部ベータテストを開始した。預金に年利6%、デビットカード利用で3%のキャッシュバックという条件を提示。これは、Xを決済や金融サービスまで含む「万能アプリ」にする構想の具体化に向けた動き。限定ベータを経て全世界のXユーザーへの展開が計画されているが、具体的な時期は明示されていない。

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年利6%・3%還元、X Moneyがベータ版で示す野心

イーロン・マスク氏が推進する決済サービス「X Money」が、2026年3月に入り、米国の一部ユーザーを対象とした外部ベータ版の提供を始めた。複数のベータテスト参加者がX上で報告した内容によると、預金残高に対して年利6%(APY)、提携デビットカードでの全購入に3%のキャッシュバックという、既存の金融サービスを大きく上回る条件が示された。

マスク氏は2026年2月、xAIの全社ミーティング(all-hands meeting)で、X Moneyが社内でのクローズドベータ段階にあり、1〜2カ月以内に限定的な外部ベータへ移行する見通しを明らかにしていた。その発言通り、外部テストが始まった形だ。マスク氏はX Moneyを「すべての資金が集まる場所。すべての金融取引の中心源泉で、ゲームチェンジャーになる」と語っている。

このサービスは、マスク氏がX(旧Twitter)買収当初から掲げる「万能アプリ(Everything App)」構想の中核を担う。メッセージング、情報収集、クリエイター支援、そして金融取引までを一つのプラットフォームで完結させることを目指す。X Payments LLCはすでに米国41州で送金業者ライセンスを取得しており、法的な基盤整備も進む。

銀行機能の裏側、FDIC保険とVisaとの提携

X Moneyの金融インフラは、米国のクロスリバー銀行が担う。同行は連邦預金保険公社(FDIC)のメンバーであり、これによりX Moneyの預金は1人あたり最大25万ドルまで保護される。これは米国の一般的な銀行口座と同等の保護だ。

ベータ参加者には、自身のXユーザー名が刻印された金属製のデビットカードが提供される。このカードは決済大手のVisaと提携して発行され、アプリ内で即時に作れるバーチャルカードはApple Payにも対応する。2025年1月に発表されたVisaとの提携により、ユーザー間の送金(P2P)や銀行口座への即時送金が可能になる。

提示された年利6%は、FDICが公表する米国の銀行の全国平均普通預金金利(約0.4〜0.6%)や、日本のネット銀行が提示する金利(例:Habittoの年0.6%)と比較しても、際立って高い水準。また、全購入対象の3%キャッシュバックは、米国の投資アプリ「Robinhood Gold」などが提供するプレミアムサービスに並ぶ。給与やクリエイター収益の直接入金にも対応し、資金の入口から出口までをX内で完結させる設計思想がうかがえる。

株式取引も視野に、ただし暗号資産の統合は未定

Xは単なる決済機能にとどまらない。Xのプロダクト責任者(Head of Product)ニキータ・ビア氏は2026年2月14日、ティッカーシンボル(銘柄コード)と連携した「Smart Cashtags」機能を数週間以内に導入すると発表した。これにより、ユーザーはタイムライン上で株式や暗号資産の価格情報を確認し、外部の証券会社へのリンクを通じて取引にアクセスできるようになる。ただし、ビア氏はその後「Xは取引の執行やブローカーとしての役割は果たさない。金融データツールとリンクを構築しているだけだ」と明確化している。

一方で、マスク氏が長年支持してきたドージコイン(DOGE)をはじめとする暗号資産の統合は、今回のベータ版では確認されていない。マスク氏は過去にビットコイン、イーサリアム、ドージコインへの対応を示唆したが、現時点では法定通貨を優先し、規制の明確化と一般ユーザーの使いやすさを重視する姿勢を見せる。

暗号資産投資家の一部では、X Moneyの提携銀行であるクロスリバー銀行が2014年から国際送金にリップル社のプロトコルを利用している事実から、XRPとの連携を期待する声もある。しかし、これも公式に確認された情報ではない。X Moneyが将来的に暗号資産をどう扱うかは、依然として最大の焦点の一つだ。

6億人ユーザー基盤、金融プラットフォームへの転換

X Moneyの登場は、マスク氏にとって1999年に共同創業したオンライン金融サービス企業「X.com」(後のPayPal)以来となる本格的な金融サービスへの再挑戦を意味する。マスク氏が公称する6億人超の月間アクティブユーザーを抱えるXが金融ネットワークへと変われば、既存の決済サービス事業者にとって大きな競争相手となる。

ベータ版の参加資格は、18歳以上で良好な状態のXアカウントを持つ米国居住者に限定される。俳優のウィリアム・シャトナー氏が初期のテスターとなり、マスク氏からX Moneyを通じて42ドルの送金を受けた後、自身が運営する児童・退役軍人支援チャリティーへの1,000ドルの寄付と引き換えに42名分のベータ版招待枠を提供するというユニークな方法で参加者を募った。

限定ベータを経て、マスク氏は全世界のXユーザーへの展開を計画している。年利6%といった破格の条件が本格展開後も維持されるかは不明だが、巨大なソーシャルグラフを金融基盤に変えようとするマスク氏の壮大な構想が、いよいよ現実のサービスとして動き出した。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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