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榊英雄に懲役8年の実刑判決 俳優兼映画監督の経歴と逮捕から裁判までの経緯

榊英雄に懲役8年の実刑判決 俳優兼映画監督の経歴と逮捕から裁判までの経緯

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映画監督の榊英雄(55)に対し、東京地裁が懲役8年の実刑判決を言い渡した。演技指導を名目に、出演予定だった俳優の女性2人に性的暴行を加えた準強姦罪に問われていた事件だ。被告側は無罪を主張していたが、宮田祥次裁判長は監督という立場の悪用を認定し、被害者の証言は信用できると判断した。弁護側はこの判決を不服として即日控訴に踏み切っている。

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演技指導名目で俳優2人に性的暴行、榊英雄に懲役8年の実刑判決

東京地裁は6日、準強姦罪に問われた榊に対し、懲役8年の実刑判決を言い渡した。演技指導を名目に、出演予定だった俳優の女性2人に性的暴行を加えた罪に問われていた。検察側は懲役10年を求刑している。

宮田祥次裁判長は判決理由で、監督と俳優という立場の差を悪用した悪質で卑劣な犯行だと指摘する。被害者の証言についても、申告に至る経緯に不自然な点はなく信用できると判断した。被害者が受けた精神と肉体の苦痛は計り知れない。

榊は公判を通じて無罪を主張してきた。合意のない性的暴行はしておらず、映画監督の影響力も使っていないと訴えていたのだ。弁護側は今回の判決を不服として控訴した。

俳優デビューから映画監督へ、榊英雄の経歴と業界内での立ち位置

榊は1970年生まれの長崎県出身だ。1995年に古厩智之監督の映画『この窓は君のもの』に主演し、俳優としてデビューを果たす。その後は『VERSUS -ヴァーサス-』や『特命戦隊ゴーバスターズ』など、数多くの映画やテレビドラマに出演してきた。

下積み時代を経たのち、2007年に『GROW -愚郎-』で商業映画の監督デビューを飾る。2009年の監督作『誘拐ラプソディー』では日本映画批評家大賞新人監督賞を受賞した。『捨てがたき人々』は2013年の第26回東京国際映画祭コンペティション部門にノミネートされている。

俳優と監督の双方でキャリアを築き、業界内で一定の地位を確立していた。しかし、その裏で自身の監督作品に出演する俳優や、ワークショップに参加する若手俳優に対し、優越的な立場を利用した加害行為を繰り返していたのだ。

「タトゥーを確認したい」4度の逮捕と法廷で明かされた卑劣な手口

事件が表面化したのは2022年3月だった。週刊文春が複数の女性俳優に対する性加害疑惑を報じ、公開を控えていた監督映画『蜜月』や『ハザードランプ』は上映中止に追い込まれる。その後、警視庁による本格的な捜査が始まった。

2024年2月、2016年にワークショップで知り合った女性への準強姦容疑で最初の逮捕に至る。「タトゥーがあったら大変だから裸を確認したい」と言って服を脱がせるなど、手口は極めて悪質だ。翌3月には、別の女性への容疑で再逮捕された。

さらに5月と7月にも、テレビドラマに出演した女性に対する容疑で逮捕を重ねている。「売れるためには覚悟を見せろ」と迫り、演技指導と称してビデオカメラで撮影しながら暴行に及んでいた。押収されたSDカードには、複数の女性との動画が50点以上残されていたという。

「役を降ろされたくない」被害者の心理と裁判長が断じた権力の悪用

最大の争点は、行為に合意があったか、そして監督という優位な立場を利用したかどうかだった。榊は2025年7月の被告人質問で、一方的な行為は絶対にないと語る。傷つけたことは認めつつも、なぜ事件化されたのか不思議だと述べていた。

しかし、裁判所の判断は厳しかった。宮田裁判長は、被害女性が役を降ろされたくないという思いから抵抗できなかった心理状態を認定する。被告の規範意識は鈍麻しており、人格を顧みない犯行だと断じた。

被害女性の一人は、別の女性への加害報道を見て自身の被害を認識したと供述している。密室で行われた演技指導という名目が、被害の顕在化を遅らせる要因になった。権力勾配を利用した手口の悪質さが浮き彫りになる。

「見て見ぬふりは加害の一部」関係者の告発とSNSに広がる波紋

一連の事件は、映画制作の現場を知る関係者にも大きなショックを与えた。榊の監督作品で撮影を担当した早坂伸は、2022年3月に自身のブログで思いを綴っている。被害者に心から見舞いの言葉を向け、今後同様のケースが発生しないよう行動していくと決意を明かした。

早坂は当時の榊の謝罪コメントに対しても、被害者への謝意が薄いと苦言を呈していた。性被害者がどれほど苦しむか想像できていないと厳しく指摘する。現場のスタッフからも、監督の行動に対する怒りの声が上がっていたのだ。

X(旧Twitter)でも、判決を受けて様々な意見が飛び交う。「立場の弱い俳優を守る仕組みが必要だ」「8年でも軽いのではないか」といった投稿が相次いだ。エンターテインメント業界の体質改善を求める声は根強い。

弁護側の控訴で続く法廷闘争、映画業界に突きつけられた重い課題

一審判決は懲役8年という重い判断を下した。しかし、弁護側が即日控訴したことで、裁判は高等裁判所へと舞台を移す。被害者にとっては、さらに長い心理的負担が続くことになる。

この事件は、日本の映画業界におけるハラスメント防止の動きを加速させる契機の一つになった。密室での演技指導やオーディションのあり方が、現在も厳しく問われている。監督という絶対的な権力を持つ立場への監視の目が向けられた。

榊は控訴審でも無罪を主張するとみられる。業界全体が、この事件の最終的な結末と真摯に向き合わなければならない。被害者の尊厳回復に向けた道のりは、まだ半ばだ。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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