中井亜美のフリー(FS)曲「What a Wonderful World」とは 宮本賢二の振付と「シンデレラ」から変更された選曲の背景【ミラノ冬季オリンピック2026】

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
フィギュアスケートの中井亜美選手(17)<TOKIOインカラミ>が、2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪で銅メダルを獲得したフリースケーティング(FS)。その使用曲「What a Wonderful World」は、シーズン開幕前に急遽変更されたものだった。当初予定の「シンデレラ」が著作権の問題で使用できず、振付師の宮本賢二氏と共に新たなプログラムを短期間で作り上げた。
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五輪シーズンを戦った「What a Wonderful World」
2026年2月、ミラノ・コルティナ冬季五輪のフィギュアスケート女子シングルで、初出場の中井亜美が銅メダルを手にした。ショートプログラム(SP)で首位に立った勢いを繋いだフリーの演技。そのプログラムを彩ったのは、ルイ・アームストロングの名曲「What a Wonderful World(この素晴らしき世界)」だった。
使用された音源は、歌手レキシー・ウォーカーと、ピアノとチェロのデュオ「ザ・ピアノ・ガイズ」によるアレンジ版だ。透明感のある歌声と美しい器楽の響きが、中井の清らかで柔らかな表現と調和した。このプログラムは、シーズンを通して彼女の代名詞となる。
著作権で使用許可下りず 「シンデレラ」からの急な変更
しかし、五輪シーズンのフリープログラムは、当初別の曲を予定していた。前シーズンに続き、ディズニー映画「シンデレラ」のテーマ曲を使用するつもりだった。複数の報道によると、中井は2025年6月に楽曲の利用申請をしたが、著作権者からの許可が得られなかった。
毎日新聞は、この決定が合宿の約2週間前だったと報じている。シーズン開幕を目前に控え、プログラムの変更という予期せぬ事態に見舞われた。五輪という特別なシーズンで、大きな軌道修正を迫られることになった。
新プログラムの振付は宮本賢二氏が担当
急遽制作が決まった新フリープログラムの振付は、日本のトップ振付師である宮本賢二氏が担当した。宮本氏は過去に多くのトップスケーターのプログラムを手掛けており、選手からの人望も厚い。中井も2021年に宮本氏がホストを務めるトーク番組「KENJIの部屋」に出演するなど、以前から交流があった。
宮本氏は、選手の個性や曲の世界観を深く掘り下げ、感情表現豊かな振付をすることで知られる。時間がない中での依頼だったが、中井の持ち味である表現力を引き出すプログラムを共に作り上げた。この新しいプログラムが、結果的に五輪の表彰台へとつながる。
逆境を乗り越え、ミラノ五輪で銅メダル
プログラム変更という困難に加え、中井はシーズン中にアクシデントに見舞われたこともあった。2025年8月のサマーカップ直前の練習中にぎっくり腰を発症し、2日間練習ができなかったとスポーツ報知は報じている。不安を乗り越え、五輪本番に臨むことになった。
それでも、17歳のスケーターは動じなかった。SPでは代名詞のトリプルアクセルを成功させ、自己ベストを更新する78.71点で首位発進。フリーでも大きな崩れなくまとめ、合計219.16点で3位に入り、銅メダルを獲得した。金メダルはアリサ・リュウ(米国)の226.79点、銀メダルは坂本花織(日本)の224.90点だった。17歳9ヶ月での五輪メダル獲得は、19歳4ヶ月だった浅田真央(2010年バンクーバー五輪銀メダル)を上回る、日本フィギュア女子史上最年少の快挙となった。
次世代エースへ 坂本花織から渡されたバトン
今シーズン限りでの引退を表明している坂本花織(25)<シスメックス>は、中井の活躍を見て「日本も安泰ですね」と語り、次世代へ期待を寄せた。中井は、浅田真央の演技に憧れて5歳でスケートを始め、今でも試合前には浅田や羽生結弦の本を読んで気持ちを整えるという。
シーズン前のプログラム変更や直前の負傷といった逆境を乗り越えて手にした五輪のメダル。憧れの先人たちの背中を追いかけてきた17歳は、この経験を糧に、日本女子フィギュア界を牽引する存在へと成長していくことが期待される。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

































































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