レジェンドとファンが認める「本物」の手腕

ジーコが語る「名将の資質」

クラブのレジェンドであるジーコも、鬼木監督の手腕を高く評価している。現役時代を共にプレーした間柄だが、「こういう名将になるとはわからなかった」と驚きを隠さない。その上で、「限られた人材のなかで選手の才能を引き出すところがものすごくうまい」と分析。川崎では攻撃的な選手を活かし、鹿島では堅守をベースに攻撃を植え付けるなど、チームの特性に合わせた柔軟な指導力を称賛した。中盤の選手が良い監督になる傾向がある、というジーコ自身の持論も、鬼木監督の成功を裏付けているようだ。

SNSの称賛の声

優勝が決まった直後から、XなどのSNSでは「鬼木監督」がトレンド入り。「就任1年目で優勝は凄すぎる」「まさに名将」「鬼木さんを連れてきた鹿島のフロントも素晴らしい」といった称賛の声が相次いだ。川崎サポーターからも「おめでとう」「鬼木さんはやっぱりレジェンド」と、クラブの垣根を越えた祝福メッセージが寄せられ、その人気の高さを物語っていた。

常勝軍団、完全復活へ

9年間の迷走を経て、鹿島はついに王座に返り咲いた。その中心にいたのは、クラブの伝統を知り、かつ新しい勝利の哲学を持ち込んだ鬼木達という一人の指揮官だった。彼の存在は、単にタイトルをもたらしただけでなく、クラブに再び「勝者の魂」を吹き込んだ。選手たちが流した涙は、過去の悔しさを洗い流し、未来への決意を新たにするものだったに違いない。鬼木監督と共に、鹿島アントラーズの新たな黄金時代が、今、始まろうとしている。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]