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「監督歴9年で5度のリーグ制覇」鬼木達の”すごさ”はどこに?経歴と選手が語る「えげつない貪欲さ」

「監督歴9年で5度のリーグ制覇」鬼木達の”すごさ”はどこに?経歴と選手が語る「えげつない貪欲さ」

2025年12月6日、サッカーJ1リーグの頂点に鹿島アントラーズが9年ぶりに返り咲いた。クラブを栄光に導いたのは、就任1年目の鬼木達監督。川崎フロンターレ時代と合わせ、異なる2つのクラブでリーグ優勝を果たした史上初の監督となった。なぜ彼は、わずか1年で「常勝軍団」を復活させることができたのか。その軌跡と哲学に迫る。

9年ぶりの歓喜、カシマに舞う

最終節、ホームのカシマスタジアムに横浜F・マリノスを迎えた一戦。勝利すれば無条件で優勝が決まる大一番で、鹿島は強さを見せつけた。前半20分、エースのレオ・セアラが先制点を奪うと、後半12分にも追加点。終盤に1点を返されるも2-1で逃げ切り、9年ぶり9度目のリーグタイトルを獲得した。試合終了の笛とともに、鈴木優磨や植田直通といった主力の目からは涙があふれた。それは、長く続いた無冠時代からの解放を告げる、歓喜の涙だった。

「勝者のメンタリティ」を携えた指揮官・鬼木達

監督歴9年で5度のリーグ制覇

鬼木達、51歳。その指導者キャリアは驚異的だ。2017年に川崎フロンターレの監督に就任すると、クラブに初タイトルをもたらし、在籍8年間で4度のJ1制覇を含む7つの主要タイトルを獲得。そして2025年、古巣である鹿島の監督に就任し、わずか1年で頂点へと導いた。監督としてリーグ戦を戦った9シーズンで5度の優勝は、Jリーグ史上単独最多の記録である。

鬼木達 監督 主な実績(2025年シーズン終了時点)
– J1リーグ優勝: 5回 (2017, 2018, 2020, 2021, 2025)
– 天皇杯優勝: 2回 (2020, 2023)
– Jリーグカップ優勝: 1回 (2019)
– スーパーカップ優勝: 3回 (2019, 2021, 2024)

古巣・鹿島への帰還

鬼木監督は現役時代、1993年から鹿島でキャリアをスタートさせた。ジーコらスター選手が君臨する中で出場機会は限られたが、「常勝軍団」の黎明期を肌で感じた一人だ。その後、川崎へ移籍し、引退後は指導者の道を歩んだ。そして2025年、26年ぶりに監督として鹿島へ帰還。それは、低迷にあえぐ古巣を救うための凱旋でもあった。

成功の鍵は「義務」から「本気」への意識改革

鹿島は2016年の優勝を最後に、8年連続で国内無冠という長いトンネルの中にいた。その間、監督は8人も交代。クラブのアイデンティティが揺らぎ、「常勝軍団」の看板は色褪せかけていた。鬼木監督は就任にあたり、外から見ていた鹿島の選手たちから「『勝たなきゃいけない』という言葉が、どこか言わされているように聞こえた」と語っている。彼が最初に着手したのは、戦術以前の意識改革だった。「勝たなきゃ」という義務感を、「自分たちが誰よりも本気で勝ちたい」という渇望へ変えること。そのために、言葉よりもまず行動で、勝利への執念を示し続けた。

「僕がたまたま監督になったタイミングで優勝できました。9年間の悔しさが一つになって今日の勝利になったと思います。(中略)選手の鹿島アントラーズを背負う責任感が、就任時に思っていたより大きかった。メンタルの成長が頼もしかったです。鹿島最高!」― 優勝後のインタビューにて

シーズン当初は「独走優勝」を掲げたが、現実は僅差の争いだった。しかし、このギリギリの戦いが、逆に選手の精神的な成長を促したと監督は振り返る。プレッシャーを力に変えるメンタリティこそ、鬼木監督がチームに植え付けた最大の財産だったのかもしれない。

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