「全部読まれていた」— 完璧だった挑戦者の戦略
武居自身が「自分のパンチが全部読まれていた」と認めるように、メディナ陣営の対策は完璧だった。
新王者メディナは「プラン通り。練習してきたパンチだ」と胸を張る。彼はかつてサウスポーの西田凌祐に敗れた経験をバネに、那須川天心らとのスパーリングで弱点を克服。その成長ぶりが、今回の金星につながったのである。元世界王者の田中恒成も「メディナ選手の良さだけが出た試合」と、その技術力を高く評価している。
遠のく天心戦、白紙になったビッグマッチ計画
この敗戦がもたらす影響は計り知れない。最も注目されるのは、キックボクシング時代からのライバル、那須川天心との「ドリームマッチ」の行方だ。武居の勝利を前提に進んでいたビッグマッチ計画は、この一敗で白紙に戻ったと見られる。
SNSではファンから「武居由樹まじか」「ここまで一方的にやられるとは…」といった驚きと落胆の声が溢れた。
那須川は過去に「ファンが許してくれない」と、勝敗に関わらず対戦は実現すべきとの考えを示していたが、無敗王者同士という最高の舞台は失われた。試合後、「まだ現実を受け入れられない」と語った武居。彼の次の一歩に、日本中の格闘技ファンが固唾をのんで見守っている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
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