リングの外で渦巻く「億」の衝撃
2025年9月13日(日本時間14日)、ボクシング界が固唾をのんで見守った世紀の一戦、サウル・“カネロ”・アルバレス対テレンス・クロフォード。
スーパーミドル級の絶対王座をかけた戦いは、その勝敗の行方とともに、両雄が手にするであろう天文学的なファイトマネーにも熱い視線が注がれた。
カネロには「1億ドル(約150億円)超」、一部では「217億円」という数字が飛び交う一方、クロフォードの報酬はその10分の1以下とも囁かれる。この驚くべき金額差は、現代ボクシングのビジネス構造と価値観を浮き彫りにしている。
桁違いの報酬、その内訳は?
今回のファイトマネーを巡る報道は、まさに情報が錯綜している。保証される金額、視聴数に応じたボーナス、スポンサー収入など、複数の要素が複雑に絡み合うため、正確な数字を掴むのは難しい。しかし、関係者の発言や報道の断片から、その輪郭がおぼろげながら見えてくる。
カネロの「1億ドル以上」契約
まず、カネロの報酬だ。多くの海外メディアは、彼が最低でも1億ドルを手にすると報じている。
この試合は、サウジアラビアの政府系ファンドが支援する興行の一環であり、サウジのゼネラル・エンターテインメント庁長官であるトゥルキ・アラルシクは、記者会見で「カネロとの契約は(1億ドルという)その数字以上だ」と明言し、噂をさらに煽った。
一部の日本メディアでは、カネロの報酬を1億5000万ドル(約217億円)と伝えるものまで現れた。
クロフォードの報酬は「1000万ドル」か、それとも…
一方で、無敗のまま階級を上げてきた挑戦者、クロフォードの懐事情はどうだろうか。驚くべきことに、クロフォード本人が試合前のポッドキャストで、今回の報酬が「1000万ドル(約15億円)」であると語ったと報じられている。
しかし、これもまた確定情報ではない。別の報道では、クロフォードの取り分は5000万ドル(約72億円)に達するという見方もあり、情報の振れ幅はあまりに大きい。いずれにせよ、カネロとの間には埋めがたい差が存在することは確かなようだ。
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