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大谷翔平、来季も二刀流「全部やるつもり」 米地元紙記者は登板間隔など起用法の変更を提言

大谷翔平、来季も二刀流「全部やるつもり」 米地元紙記者は登板間隔など起用法の変更を提言

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

ドジャースの大谷翔平(32)が、ナ・リーグ優勝決定シリーズ敗退直後の取材で、来季も投打の二刀流を続ける考えを示した。続けるのかと問われ、「全部やるつもりで」と答えている。これを受け、ロサンゼルスの地元紙でドジャースを取材するコラムニストのディラン・ヘルナンデス記者は、登板間隔を広げる、シーズン序盤は投げさせないといった起用法の見直しを球団に求めた。

敗退の夜に語った「全部やるつもりで」

ドジャースは現地10月15日(日本時間16日)、本拠地ドジャースタジアムでブルワーズに4-6で敗れ、0勝4敗でシリーズ敗退が決まった。試合後、大谷は日米の報道陣に囲まれ、7分ほどの取材に応じている。

来季の二刀流について聞かれると、まず口にしたのは投げられなかった悔しさだった。ポストシーズンで登板がなく、レギュラーシーズン最後の1か月もマウンドに立てなかったことについて「不甲斐ないなというか、不満があるポイントではあるので」と語っている。体については、治療も含めて「どうなっていくのかっていうことはまだちょっとわからない」としながら、二刀流は「続けていく気持ちで頑張りたい」と話し、そのためにオフシーズンをしっかり過ごしたいと続けた。

重ねて二刀流を続けるのかと確かめられると、「そうですね」と応じ、「全部やるつもりで」と言い切った。オフの手術の可能性については、今のところはまだわからないと答えるにとどめている。

故障の部位や治療の中身には踏み込まず、来季も投げる意思だけははっきり示した囲み取材。手術を受けるかどうかで、オフの過ごし方も来季のスタートも変わる。

「彼の召使いではなく、パートナーに」

この発言を、ヘルナンデス記者は現地10月16日夜(日本時間17日昼)のコラムで取り上げた。冒頭で、大谷が来季も二刀流を望んでいると伝え、言った内容は予想どおりだったが、その言い方が気がかりだったと書いている。明るい材料とも不安材料ともとれるあいまいさが残ったのは、大谷の取材の受け方に原因があったという。大谷は日本語で「全部やるつもり」と答えたものの、具体的に何をどう変えるのかは語らず、オフに入ってから考え始めると話すにとどめた。大勢の記者が短い時間に別々の話題を投げかける取材で、踏み込んだ質問が続かなかったことも同記者は指摘している。

同記者がとくに注目したのは、大谷がいくつも挙げた不満の中で、ポストシーズンで投げられなかったことを最も気にしているように見えた点だった。これがドジャースにとって最高の知らせになるか、来季の早すぎる弔鐘になるか。それは、来年10月に投げられるよう大谷が何を変えるか次第だと同記者は書く。

分かれ道として示したのは2つだった。

1つは、シーズン中の登板の予定を見直し、何らかの負荷管理を受け入れる道。こうすれば、最も大事な10月の試合で投げられるだけでなく、打線に欠かせない打者としての力も保てると同記者は書いた。もう1つは、オフのトレーニングを変えて体を鍛え、開幕からワールドシリーズ最終戦まで投打をこなせる体をつくる道。こちらについては、今季どれほど早く故障に崩され、打撃にまで影響が出たかを考えれば「災難を招くようなもの」だと退けている。大谷は2027年7月に33歳になる。

そのうえで、球団の側が踏み込むべきだと主張した。努力だけでは来季はよくならないとし、ドジャースは大谷の「召使いであり続けるのではなく、パートナーにならなければならない」と書いた。

説得の材料にも触れている。大谷を動かすのは現実的な損得よりも夢だから、夢を売り込めばいい、という提案だ。思い描く場面は、ワールドシリーズのマウンドに立ち、第7戦で勝利投手になる大谷。2025年のワールドシリーズ第7戦で、大谷はブルージェイズを相手に先発しながら2回1/3で3点を失って降板していた。そこへたどり着く手段として、同記者は先発と先発の間隔をもっと空けることや、シーズン序盤は投手として起用しないことを挙げている。大谷にはまだはっきりした計画がないように聞こえるからこそ、球団にはその考えを形づくる機会がある、という結びだった。

前日のコラムでは「フルタイム二刀流に別れを」

ヘルナンデス記者は、敗退が決まった現地10月15日夜(日本時間16日昼)のコラムでも大谷の起用に触れていた。チームを入れ替える必要を説く中で、去っていく選手たちへの別れと並べて「フルタイムの二刀流」との別れを挙げている。

同記者が理由に挙げたのは、大谷の体に積み重なった負担だった。18歳で日本ハムに入って5年間二刀流を続け、2025年は2度目の右ひじ手術からの復帰でシーズン途中に投手に戻った。2026年は開幕から1年を通して投打をこなそうとしたが、体が持たず、途中で投げることをやめ、その故障が打撃にも響いた、という見方である。

大谷が二刀流にこだわることを前提に、球団はどうするべきか。同記者はここでも、登板と登板の間を長くとる案と、シーズン序盤は投げずに10月に二刀流で臨む案を並べ、何かを変えなければならないと締めくくった。

今季は中6日前後の登板でも7月で止まった

数字で見ると、2026年の大谷は投手として好成績を残していた。3月31日(現地)のガーディアンズ戦から7月3日のパドレス戦まで14試合に先発し、8勝2敗、防御率1.79。85回2/3を投げて95三振を奪っている。

区分(2026年レギュラーシーズン)主な成績
投手14試合(すべて先発)、8勝2敗、防御率1.79、85回2/3、95奪三振、26四球
打者139試合、打率.275、30本塁打、81打点、11盗塁、出塁率.377、長打率.512
ポストシーズン8試合すべてDH、打率.192、1本塁打、3打点(登板なし)

注目したいのは登板の間隔だ。14試合の先発は、間隔が中5日から中8日、多くは中6日で、ほぼ週に1度のペースだった。大リーグの先発投手の多くが中4日か中5日で回ることを考えると、今季もすでに間隔は広めにとられていた。1試合の投球回は5回から7回、球数は最多で110球にとどまる。

それでも7月3日の登板を最後に、大谷はマウンドから離れた。左ひざの痛みで7月上旬以降は投げられず、9月には右上腕二頭筋の炎症で9月8日付で15日間の負傷者リストに入った。9月23日に戦列へ戻ったが、ポストシーズンは打者に専念している。打撃も8月中旬以降は本来の姿から遠く、2024年の54本塁打59盗塁、2025年の55本塁打と比べると、今季の30本塁打は物足りない数字になった。

今季の間隔でも足りなかったとすれば、来季はさらに空けるのか、それとも投げる時期そのものを絞るのか。コラムが突きつけたのはこの点だった。

関連記事:大谷翔平、今PS初の1番で3ランもドジャース4連敗で敗退 2026年ポストシーズン全成績

手術の判断、労使交渉、先発陣の入れ替わり

来季の起用法を決めるうえで、まず待たれるのは手術の判断だ。大谷は敗退後、オフに手術を受けるかどうかは今のところまだわからないと話した。抱えている故障は左ひざと右上腕二頭筋で、どちらを、どう治すのかもまだ明らかになっていない。手術となれば、回復が来季の開幕に食い込むおそれも出てくる。

球団と大谷の意思疎通も課題に挙がる。アンドリュー・フリードマン編成本部長は9月、大谷とのやりとりはすばらしいとしつつ、どう感じているかを包み隠さず伝えてくれる点は、そこまですばらしいとは言えないかもしれない、という趣旨の話をしていた。同本部長は、大谷がしていることは前例がなく、体に大きな負担がかかるとも語っており、年齢を重ねるにつれて球団がきめ細かく管理することが大事になるとの考えを示している。

日程の面でも不透明さが残る。大リーグの労使協定は12月1日に期限を迎え、オーナー側が提案するサラリーキャップを選手会は強く拒んでいる。ロックアウト(労使紛争による締め出し)になれば、その間は球団が選手と連絡をとれない。治療やリハビリを大谷が自分で進めなければならない時期が生まれる可能性もある。

先発陣の顔ぶれも変わる。8月に加わった左腕のタリク・スクバルは、今季で契約が終わりフリーエージェントになる。タイラー・グラスノーとブレイク・スネルはレギュラーシーズンの投球回が2人で計116回2/3にとどまった。来季もローテーションに大谷の力が欠かせない状況は変わらない。佐々木朗希も、来季は先発として1年を投げ切りタイトルを狙うと目標を語っている。

関連記事:佐々木朗希、来季の目標は先発でタイトル ドジャース敗退でワールドシリーズ3年ぶり日本人不在

大谷は来季も投げると決めている。どの間隔で、いつから投げるのか。その答えは、手術の判断と、球団がどこまで踏み込むかにかかっている。

[文/構成 by スポーツライター TAKU]

寄稿者

TAKU
ボールを使う競技なら何でも観ます、TAKUです。学生時代はずっとバスケ部、いまは週末にフットサル。スポーツを中心に書くWebライターになって5年です。Bリーグ、バレーボール、ラグビー、テニスを中心に、野球やサッカーも書きます。試合の流れが変わった瞬間を、スコアと一緒に伝えるのが得意です。

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