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Gemini 4 Argon、Googleが一般提供を開始 アプリはAI Pro・Ultra向け、何ができるかと料金を整理

Gemini 4 Argon、Googleが一般提供を開始 アプリはAI Pro・Ultra向け、何ができるかと料金を整理

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

Googleは10月13日(米国時間)、新しいAIモデル「Gemini 4 Argon(アルゴン)」の一般提供を始めた。9月30日(同)に発表し、まずはサイバー防御の担当者など一部に限って公開していたモデルで、開発者向けのAPIのほか、Geminiアプリと検索の「AIモード」では有料プランのGoogle AI ProとGoogle AI Ultraの契約者が使える。日本時間では10月14日未明に伝わったニュースで、無料のままでは使えない点に注意が要る。

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AI Pro・Ultraが対象、無料プランは対象外

一般のスマホユーザーにとって一番の関心は、自分のGeminiアプリで使えるかどうかだろう。Googleによると、Geminiアプリと検索のAIモードでArgonを使えるのはGoogle AI ProとGoogle AI Ultraの契約者で、10月13日から世界で順次使えるようにしていくという。アプリでは新しいチャットを開き、モデルの選択メニューから「4 Argon」を選ぶ。

日本はどうか。Googleは国名を挙げず、世界で順次使えるようにするとだけ説明している。日本向けのGoogle AIプランのページにはProとUltraの欄に「Gemini 4 Argon を搭載」と書かれているものの、同じページには「一部の国で提供されています」との注記も付く。国内のIT系メディアでは、編集者が自分のGeminiアプリで「4 Argon」を選び、日本語で資料を作らせた例が報じられた。もっとも、表示されるタイミングは人によって違うため、メニューに出てこない場合は少し待つことになる。

無料プランの利用者は、Argonの対象に入っていない。しかも無料で使えるモデルの幅は10月に狭まった。Googleのヘルプページによると、Google AIのプランに入っていない個人アカウントは10月9日から「自動」の設定が基本になり、ほとんどの質問には最も速い「Flash-Lite」が答える。より深い推論が要る質問だけ「Flash」や「Pro」が使われることがあり、自動選択を切るとすべてFlash-Liteで答える仕組みだ。月額の安いGoogle AI Plusも、選べるのは「Flash-Lite」と「Flash」までとなり、切り替えの時期はメールで知らせるという。

関連記事:Google AI Plus、大学生に12か月無料 米国のGoogle AI Proとの違いと日本の対象条件を整理

ProとUltraの差は、使える量と範囲にある。開発ツール「Google Antigravity」と、開発者向けの「Google AI Studio」で契約者としてArgonを試せるのはUltraだけ。Proは対象に入っていない。アプリで使える量の上限も、UltraはProの5倍または20倍と、契約の種類で差が付く。

「深く長く考える」モデル、Googleが示した数字

Argonは、長い時間をかけて何段階もの作業をこなすことを狙ったモデルだ。発表を担当したGoogle DeepMindのコーレイ・カヴクチュオール上級副社長は、ソフトウェア開発、法務や財務といった企業の知的作業、サイバー防御を得意分野に挙げた。出力の上限は従来の6万4000トークンから100万トークンまで広げたと説明しており、一般提供時のAPIでは入力と出力を合わせて100万トークンまで扱える。

性能の数字は、いずれもGoogleが公表したものになる。実際のソフトウェア開発を想定した「DeepSWE v1.1」では77.9%で最高水準だという。金融・コーディング・法務・税務の仕事ぶりを測る「Vals Index」については、この指標を運営する評価会社Vals AIのランキングで、10月14日時点で68.9%の首位に立っている。長い動画の理解を測る「LVBench」は91.7%、業務の自動化を測るZapierの「AutomationBench」は51.3%で1位、立体的な空間の理解を問う「ERQA」は87%。脆弱性の修正力をみる「CWE-bench v1」では68%で首位に並んだという。Vals Index以外の数字は、第三者が同じ条件で確かめた結果とは別物で、開発元の発表値にとどまる。

社内ではすでに使われていた。Googleによると、約4000万行あるChromiumのコードのうち、約600万行の古いフォルダーからウェブページ処理の中核を切り離す作業を、数か月かかる見込みのところ数週間で終えた。C/C++で書かれたコードをRustへ移す作業にも使い、動画のデコードに使うオープンソースのソフト「libgav1」では、元のRust移植版より2.7倍速く動くようになったという。

アプリでの使い心地も変わる。Googleは、Argonの回答はより直接的で、言葉を濁したり同じことを繰り返したりしにくくなったと説明する。長い作業では途中経過をこまめに知らせる。チャットから「タスク」に切り替えると、パソコンの前にいない間もGeminiが作業を進める機能も、ProとUltraの契約者向けに加わった。ただし、日本向けのプランページによると、タスク機能を使えるのは一部の国と言語に限られる。Macのアプリには開発ツールのAntigravityが組み込まれたが、こちらは英語のみで、Antigravityが使える地域に限られる。

これまでGoogleは、日常向けの「Flash」系モデルを短い間隔で出してきた。9月2日(米国時間)には「Gemini 3.8 Flash」を発表し、その前の「3.7 Flash」から3週間ほどでの更新だった。上位の「Pro」系では、日本向けのプランページも今の特典に2月発表の「Gemini 3.1 Pro」を挙げる。法律分野のAIを手がけるHarveyは、ArgonがGemini 3.1 Proから大きく伸びたとのコメントをGoogleに寄せた。

関連記事:Gemini 3.7 Flash、コーディング性能を強化して公開 3.6 Flashとの違いと使える提供先を整理

API料金は11月30日まで導入価格

開発者向けには、Gemini APIの有料プランで「gemini-4-argon」というモデル名で使える。Google AI StudioやAndroid Studioのほか、企業向けのAPI「Gemini platform」も入口になる。企業の社員向けには、業務用の「Gemini for business」のウェブ版・デスクトップ版・モバイル版でも使えるようになった。料金は100万トークンあたりの米ドル建てで、11月30日までは安い導入価格が付く。

項目(100万トークンあたり)11月30日まで(導入価格)12月1日以降
入力2ドル4ドル
出力(思考トークンを含む)10ドル20ドル
キャッシュされた入力0.10ドル(入力の95%引き)0.20ドル

12月からはちょうど2倍になる計算だ。料金ページには、APIの無料枠ではArgonを使えないと明記されている。出力の料金には、モデルが答えを出す前に「考える」過程で使うトークンも含まれるため、長く考えさせるほど費用はかさむ。

なぜ段階的に公開したのか、サイバー防御とガードレール

一般向けにする前、Argonは限られた人にしか公開されなかった。9月30日の発表時点で使えたのは、Googleが審査した政府機関や重要インフラ、セキュリティ企業などが参加する「Fairwind Program」の防御担当者と、一部の試験利用者に限られていた。Googleは、この水準の能力を安全に出すには段階を踏む必要があると説明し、公開前のモデルを米政府に使わせる任意の枠組みにも参加していると明かした。

理由は、脆弱性を見つけて直す力の高さにある。Googleによると、Argonはソフトウェアの重大な欠陥を自分で見つけ、確かめ、修正まで進められる。守る側には頼もしい力だが、攻撃者の手に渡れば悪用されかねない。そこで、一般向けのArgonには、侵入テストや脆弱性の悪用といった攻撃的な作業を止める仕組みを組み込んだ。一方、Fairwind Programの参加者には、このサイバー向けの制限を外した版を使わせる。10月13日からは参加先を新たに数百に広げ始めた。

安全面の数字もGoogleが示している。ウェブページやメールに隠された悪意ある指示でAIを乗っ取る「間接プロンプトインジェクション」の耐性を測るGray Swanの評価では、攻撃側が手口を変えながら15回試みた場合でも、成功率を0.7%に抑えたという。作業が行き詰まったときに許可のない近道を取ろうとする割合は、コーディングの評価で2%まで下がった。AIの推論と行動を読み取り、意図しない回避策をその場で止める監視の仕組みも入れている。

研究者に6か月の無償枠、Gemini 4の残りのモデルも予告

研究者向けには、1万人を対象にAntigravityの最上位の利用枠を6か月間無償で使える募集を始めた。対象かどうかは審査で決まり、受け入れも順次となる。

Googleは、Argonを「Gemini 4」ファミリーの最初のモデルと位置づけ、残りのモデルも今後出していくとしている。残りのモデルの名前や公開時期は、10月14日時点で示していない。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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