メンドーサ、サンドバルに5回TKO勝ちでWBA・WBC統一フライ級王者に 寺地拳四朗から王座を奪った王者の初防衛戦

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
WBA・WBC世界フライ級統一タイトルマッチが10月10日(日本時間11日)、米イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナであり、挑戦者セルヒオ・メンドーサ(26)=メキシコ=が王者リカルド・サンドバル(27)=米国=に5回1分46秒TKO勝ちした。2回に2度、5回に1度のダウンを奪っての戴冠。サンドバルは2025年7月に寺地拳四朗から2本のベルトを奪っており、これが初防衛戦だった。
2回に2度のダウン、5回に右フックで3度目
12回戦で組まれた一戦は、DAZNが中継した興行のセミファイナルだった。メインは空位のWBA世界ライト級王座決定戦で、フロイド・スコフィールドがルーカス・バーディに判定で勝っている。
立ち上がりの1回は大きな動きがなかった。流れが変わるのは2回だ。サウスポーのメンドーサが右フックを頭部に打ち込んで最初のダウンを奪うと、同じ回の終盤に左アッパーで2度目を追加した。サンドバルはどちらもすぐに立ち上がり、3回以降は強打を返して試合を立て直しにかかった。
決着は5回。メンドーサがカウンターの右フックを合わせ、サンドバルはグローブと片ひざをキャンバスについた。立ち上がったところへメンドーサが連打をまとめ、マーク・ネルソン主審が1分46秒で試合を止めた。前のダウンのダメージが残ったまま攻め込まれていたことが、ストップの理由だった。
戦績はメンドーサが28勝(24KO)1敗、サンドバルが27勝(18KO)3敗。メンドーサはWBA10位、WBC15位からの挑戦で、下位ランカーが統一王者を倒す番狂わせとなった。
代役として急きょ挑戦、4月の後楽園で敗れた男
メンドーサはこの試合に出る予定の選手ではなかった。
サンドバルの初防衛戦は、当初ミニマム級の世界王者オスカー・コラーゾとの対戦で決まっていた。ところがコラーゾが練習中に肋骨を痛めて辞退し、メンドーサが急きょ代役に指名された。サンドバルは6月にもWBC暫定王者ガラル・ヤファイ(英国)との団体内統一戦が組まれていたが、ヤファイの負傷で中止になっている。相手が2度変わった末の防衛戦だった。
メンドーサはメキシコ・ソノラ州エルモシージョの出身で、「ヨレメ」の愛称を持つ身長173cmのサウスポーだ。プロデビューから27連勝で臨んだ4月13日、東京・後楽園ホールでIBF世界ライトフライ級王者タノンサック・シムシー(タイ)に挑戦し、2回2分32秒KOで初黒星を喫していた。シカゴの一戦は、日本での敗戦から半年後の再起戦にあたる。
試合後、メンドーサはDAZNのインタビューで、自分は108ポンド(ライトフライ級)ではなく112ポンド(フライ級)の選手で、それをこの夜みんなが見たと話した。4月の敗戦については、本来はフライ級の体で減量を重ねたことが響いたと語っている。勝利は、亡くなった兄にささげた。シカゴには家族も友人も来ておらず、メンドーサはチームとともに試合に集中していた。
フィニッシュの場面については、決まったと思ったが相手は本当に強かったと語り、サンドバルを経験が豊富で回復も早い選手だとたたえた。この瞬間を表す言葉が見つからない、とも口にしている。
サンドバルが寺地拳四朗から2本のベルトを奪った横浜の一戦
サンドバルが王者になったのは2025年7月30日。横浜BUNTAIで開かれた「U-NEXT BOXING.3」で、WBA・WBC統一王者だった寺地拳四朗=BMB=に挑み、2-1の判定で勝った。寺地は5回に右ストレートでダウンを奪い、6回も優勢に試合を進めたが、ジャッジ2人がサンドバルを支持した。採点は115-112、117-110でサンドバル、114-113で寺地。3人のジャッジの見方が分かれた判定だった。
サンドバルにとってはプロ29戦目でつかんだ初の世界王座となった。2016年6月にプロデビューし、2022年7月にはロサンゼルスでWBA世界フライ級の挑戦者決定戦に臨んだが、デビッド・ヒメネス(コスタリカ)に判定で敗れている。そこから2023年2月以降に6連勝を重ね、2024年7月にはWBCシルバー王座を手に入れ、寺地への挑戦につなげた。カリフォルニア州出身の27歳は、王座獲得から1年2か月あまりで一度も防衛できないまま、2本のベルトを手放したことになる。
寺地はスーパーフライ級で3階級制覇、年内に初防衛戦の見通し
ベルトを奪われた寺地は、1年後に階級を上げて世界王者に戻った。2026年7月20日、東京・両国国技館の「U-NEXT BOXING.6」で行われたWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で、イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)から2回と12回にダウンを奪い、3-0の判定で勝利。ライトフライ級、フライ級に続く3階級制覇で、日本選手では8人目となった。
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寺地は試合後のリングで、日本人で初めての3階級での2団体統一王者を目標に掲げた。9月24日にはWOWOWの番組収録に参加し、年内に予定する次戦は初防衛戦になるとの見通しを示している。この時点では、統一戦の実現は早くても2027年春とみられていた。
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その寺地が9月24日に「普通に勝つと思う」と勝利を予想した坪井智也=帝拳=は、9月27日にトヨタアリーナ東京で行われたWBC世界スーパーフライ級王座決定戦でリカルド・マラジカ(南アフリカ)に1-2の判定で敗れた。坪井が勝てば日本人同士の統一戦も視野に入っていたが、その構想はいったん白紙に戻った。
10月12日時点で、寺地の次戦の相手と日程はまだ発表されていない。
フライ級の勢力図はどう変わるのか
フライ級のほかの2団体は、10月12日時点でWBOがアンソニー・オラスクアガ(米国)、IBFが矢吹正道=緑=の保持だ。帝拳ジムに所属するオラスクアガは3月15日、横浜BUNTAIで飯村樹輝弥=角海老宝石=に9回TKO勝ちして5度目の防衛を果たした。矢吹は6月6日、愛知県国際展示場でレネ・カリスト(メキシコ)に3-0の判定で勝ち、2度目の防衛に成功した。11月26日には東京・EBARA WAVEアリーナおおたで、同級1位のミエル・ファハルド(フィリピン)を相手に3度目の防衛戦を行う。
寺地から王座を奪ったサンドバルが、初防衛戦で代役の挑戦者に倒された。WBAとWBCのフライ級のベルトは、半年前にライトフライ級で敗れた26歳の手に渡る。
寺地はすでにスーパーフライ級へ主戦場を移しており、フライ級の新王者メンドーサと拳を交える道は近くにない。メンドーサの初防衛戦の相手や時期は、10月12日時点で発表されていない。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]



















































































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