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後藤あい、Sky レディスABC杯2位でステップ史上初のアマ連覇ならず 17歳・兵庫の松蔭高3年、11月の最終プロテストへ

後藤あい、Sky レディスABC杯2位でステップ史上初のアマ連覇ならず 17歳・兵庫の松蔭高3年、11月の最終プロテストへ

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女子ゴルフの下部ツアーにあたるJLPGAステップ・アップ・ツアー「Sky レディスABC杯」最終日が10月9日、兵庫県加東市のABCゴルフ倶楽部で行われ、アマチュアの後藤あい(17)=兵庫・松蔭高3年=は通算11アンダーの2位タイに終わった。勝てば同ツアー史上初となるアマチュアの大会連覇だったが、通算13アンダーのリ・ハナ(韓国)に2打及ばなかった。後藤は11月3日に始まる最終プロテストで、プロへの関門に挑む。

首位と1打差から「70」、2打届かず2位タイ

後藤は首位のリ・ハナを1打差で追う通算9アンダーの2位タイから最終日をスタートした。3番パー3、6番パー5でバーディを奪い、前半を「34」。一時は通算11アンダーまで伸ばし、逆転の圏内に踏みとどまった。

流れが止まったのは後半だった。13番パー4で3パットのボギーを喫すると、16番パー3でもスコアを落とす。17番、18番の連続バーディで意地を見せたが、4バーディ、2ボギーの「70」。通算11アンダーで、連覇には2打足りなかった。

勝ったリ・ハナの最終日は、前半の4番、6番、9番でバーディを奪って抜け出した。後半は9ホールすべてパーで、ノーボギーの「69」。通算13アンダーで逃げ切り、2021年のECCレディスゴルフトーナメント以来、5シーズンぶりとなるステップ・アップ・ツアー通算4勝目を挙げた。2023年にはレギュラーツアーの樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントを制した実績がある。

2位タイには、もう一人のアマチュアも並んだ。7位タイから出た荒木七海が8バーディ、ノーボギーの「64」をマークし、この日の最少スコアで一気に順位を上げた。上位3人のうち2人がアマチュアという結果になる。

関連記事:荒木七海、日本女子オープン初日に6アンダー64で阿部未悠と並び首位発進 19歳アマチュア、昨年の最終プロテストは合格ラインに4打届かず 姉・荒木優奈は2オーバー

最終順位(上位、10月9日の最終成績)は次のとおり。

順位選手通算スコア4日間の内訳
優勝リ・ハナ13アンダー(275)69・68・69・69
2位タイ後藤あい(アマ)11アンダー(277)67・69・71・70
2位タイ荒木七海(アマ)11アンダー(277)70・72・71・64
4位中地萌9アンダー(279)69・72・67・71
5位小倉彩愛8アンダー(280)69・70・72・69
6位タイ酒井美紀7アンダー(281)69・70・74・68
6位タイ須江唯加7アンダー(281)70・66・71・74

「ショットが本当に悪かった」4日間首位争いの末に

大会はステップ・アップ・ツアーで唯一の4日間競技で、2026年シーズンの第15戦にあたる。後藤は初日に「67」と好発進し、2日目を終えて通算8アンダーで須江唯加と首位に並んだ。3日目は最終18番パー5でイーグルを奪い、首位と1打差の2位タイで最終日へ向かった。

ラウンド後、後藤はショットの不調を口にした。「きょうは、ショットが本当に悪かった。結果的にはアンダーでしたが、アンダーで回れていない感じで回っていました」。さらに「自分が伸ばせなきゃ勝てない展開だったので、仕方ないなという感じです」と語り、悔しさと割り切りの両方をにじませた。

一方のリ・ハナは、ここ数年の不振から抜け出しての優勝だった。「一昨年、とても調子が悪くこれがどん底だと思ったら、去年はもっと調子が悪くなった」と明かし、支えてくれた周囲への感謝を繰り返した。この勝利で明治安田ステップ・ランキングの1位に浮上しており、ランキング1位で2027年シーズン前半戦のレギュラーツアー出場権をつかむことを目標に掲げる。

1年前は16歳でステップ史上7人目のアマV

後藤がこの大会で注目を集めた理由は、1年前の優勝にある。2025年大会(10月7〜10日、同じABCゴルフ倶楽部)で、当時16歳だった後藤は通算4アンダーで優勝。ステップ・アップ・ツアーでアマチュアが勝ったのは、2010年の高橋恵以降、堀琴音、新垣比菜、吉本ひかる、平塚新夢、都玲華に続いて7人目だった。

そのときの最終日は苦しい内容だった。単独首位から出て前半に3つのボギーをたたき、11番でもスコアを落とす。それでも16番から3連続バーディで締めくくり、「73」にまとめて2位の高野あかりを1打差でかわした。16歳321日での優勝は、13歳354日の高橋恵、16歳115日の新垣比菜に次ぐ、当時のステップ・アップ・ツアー歴代3番目の年少記録だった。アマチュアのため優勝賞金720万円は受け取れず、賞金は2位の高野に贈られた。

連覇に挑んだ2026年大会は、前年の通算4アンダーを7打上回る11アンダーまでスコアを伸ばした。それでも届かない。優勝したリ・ハナとの差は、最終日後半のボギー2つ分に等しい2打だった。

地元・兵庫で戦う松蔭高3年の飛ばし屋

後藤は2008年11月23日生まれの兵庫県出身。神戸市灘区にある松蔭高等学校の3年生で、地元の兵庫県で行われる大会は2年連続の上位争いになった。大会の舞台となったABCゴルフ倶楽部は兵庫県加東市永福にあり、優勝副賞として加東市産の新米30kgが贈られる、地元色のある大会だ。

松蔭高等学校は、学院の創立を1892年(明治25年)にさかのぼる神戸の私立校で、学校のホームページには「Open Heart, Open Mind.」の言葉を掲げる。その3年生が、プロに交じって2年続けて最終日の優勝争いを演じた。

武器は飛距離にある。2025年9月、レギュラーツアーの住友生命Vitalityレディス 東海クラシックで行われたドラコン大会で、16歳のアマチュアとして277.8ヤードを記録して優勝した。1年後の2026年9月にも同じドラコン大会を273.2ヤードで制し、連覇を果たした。2026年8月のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントでは、ドライビングディスタンス計測ホールで初日に304ヤードを記録し、3日間の平均269.667ヤードは出場選手でトップだった。この大会では自己最高の17位に入り、ローアマチュアも手にしている。

飛ぶだけの選手から、スコアを作れる選手へ。変化のきっかけは、6月の宮里藍 サントリーレディスで、ツアー通算5勝の青木瀬令奈のキャディを務めた経験だった。後藤は「アプローチからパターまで全部教えてもらった」と語っている。

その成果は8月の日本ジュニアゴルフ選手権競技(女子15〜17歳の部)で表れた。埼玉県の久邇カントリークラブで3日間ボギーなしの通算21アンダーをマークし、2023年に中村心が記録した大会最少ストロークを4打更新して初優勝した。日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチームには2026年から選ばれており、5月のクイーンシリキットカップでは日本の団体優勝に貢献した。

11月3日から最終プロテスト、狙うは一発合格

後藤にとって、2026年最大の目標はプロテストの一発合格だ。JLPGAのプロテストは第1次予選、第2次予選、最終プロテストの3段階で行われるが、後藤はJGAナショナルチームのメンバーのため、1次と2次を免除されて最終プロテストから受験する。

最終プロテストは11月3日から6日までの4日間、茨城県の静ヒルズカントリークラブで72ホールのストロークプレーで行われる。合格できるのは上位20位タイまで。2025年は22人が合格した狭き門だ。

同じ2位タイの荒木七海も、最終プロテストを控える一人だ。荒木は大会後、「自信を持ちすぎず、気合いを入れすぎず、普段通りに挑めればと思います」と話した。

後藤の次戦は、レギュラーツアーのNOBUTA GROUP マスターズGCレディース(10月22〜25日、兵庫県三木市のマスターズゴルフ倶楽部)。再び地元・兵庫での試合になる。後藤は「自分の納得できるショットを打ちたい」と次戦への意気込みを見せており、ショットの立て直しを図ってから、11月の最終関門に向かう。

[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]

寄稿者

疾風(HAYATE)
スポーツニュースサイトでの執筆を経て、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上など、競技の枠を越えてスポーツ記事を書いてきたWEBライター。経験は6年。大会結果や記録、番付、レース展開など、数字と公式記録を土台に「何がすごかったのか」を整理する記事を得意としている。ルールや採点方式が分かりにくい競技でも、初めて観る人がその一戦を楽しめるよう、背景や見どころまでかみくだいて伝えることを心がけている。主な執筆分野は、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上、バスケットボール。

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