吉村智洋、地方通算4000勝を達成 史上17人目、園田3Rで節目の1勝

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
兵庫の吉村智洋騎手(41)=飯田良弘厩舎=が10月7日、園田競馬3Rでアースグレーザーに騎乗して1着となり、地方通算4000勝に届いた。地方競馬では史上17人目、現役では6人目。2002年4月17日の初騎乗から2万2260戦目での到達で、41歳9か月11日は佐々木竹見に次ぐ史上2番目の年少記録となった。
単勝1.0倍に応えた3馬身半差 園田3Rの中身
節目のレースは、園田競馬場(愛称・阪神アーバン競馬)の3R、C3一の3歳以上戦だった。ダート1400メートルに9頭が出走し、天候は晴れ、馬場は稍重。吉村が手綱を取ったアースグレーザーは牡4歳で、兵庫・長倉功厩舎の管理馬、父はサングレーザーだ。
単勝は1.0倍、100円の元返し。ファンの評価は1頭に集まっていた。
レースは1コーナーから2番イエローキャブと並んで先頭集団を進み、3コーナーまでその形を崩さない。4コーナーで単独の先頭に立ち、そのまま押し切った。勝ちタイムは1分33秒5、2着のテーオーニコラスに3馬身半をつけてゴールした。
その2着馬に乗っていたのは、同じ兵庫で一足先に地方通算4000勝を超えていた下原理騎手だった。10月7日の3R終了時点で下原は4028勝、吉村は4000勝。兵庫の4000勝ジョッキー2人が、ワンツーで並ぶ結果になった。
この1勝は吉村にとって今年214勝目でもある。兵庫の騎手の中では最多で、リーディング首位を独走する中での節目となった。
初騎乗から24年 節目ごとの歩み
吉村は2002年4月17日の園田1Rでヤマノファイナルに乗ってデビューした。初勝利は約3週間後の5月8日、同じヤマノファイナルでつかんでいる。
| 節目 | 日付 | レース | 騎乗馬 |
|---|---|---|---|
| 初騎乗 | 2002年4月17日 | 園田1R | ヤマノファイナル |
| 初勝利 | 2002年5月8日 | 園田2R | ヤマノファイナル |
| 100勝 | 2005年12月31日 | 園田8R | コスモソニック |
| 500勝 | 2011年12月20日 | 園田4R | シャークベンセドル |
| 1000勝 | 2016年4月12日 | 園田6R | スカイノフーサン |
| 1500勝 | 2018年8月17日 | 園田1R | フレアリングデット |
| 2000勝 | 2020年2月25日 | 園田4R | メイショウユウシン |
| 2500勝 | 2021年8月13日 | 園田9R | エコロブラスト |
| 3000勝 | 2023年1月17日 | 姫路11R | ヒロシゲサンライズ |
| 3500勝 | 2024年9月4日 | 園田10R | ウインレゼルヴ |
| 4000勝 | 2026年10月7日 | 園田3R | アースグレーザー |
1000勝に届くまでには14年かかった。ところが、そこから2000勝まではわずか3年10か月。勝ち星の積み上げ方が、2016年を境にまるで変わる。
転機になったのが2018年だった。この年に兵庫リーディングと全国リーディングを同時に手にすると、2024年まで7年連続で兵庫リーディングを守り続ける。全国リーディングは2018年に続き、2022年、2023年にも手にした。3500勝は2024年9月4日、地方通算2万252戦目のことで、4000勝まではそこから2008戦を要した。
大みそかの落馬から戻った1年9か月
順調に見えた歩みは、2024年の最終日に止まる。12月31日の園田10Rで落馬し、救急搬送されたのだ。所属する飯田良弘調教師が2025年1月4日に明かした診断は、肩甲骨と肋骨の骨折、脾臓の損傷。2週間ほどの入院と、その後の検査が必要と説明された。
戦列に戻ったのは2025年3月25日だった。休養はおよそ3か月に及んだ。
4000勝を決めたあと、吉村は「2年前の大晦日に落馬して、いったんやめようかなとも思いましたけど、そばで支えてくれる人もいましたし、周りの方もしっかりサポートしてくれたので、ここに戻ってくることができたので、感謝の気持ちを伝えたいです」と明かした。「挑戦しないことには結果が出ない。今は楽しくレースに乗れている」とも話している。
復帰後の2026年は、大きな勝ち星が続いた。3月11日には船橋のダイオライト記念(JpnII、ダート2400メートル)を兵庫のオディロン(森澤友貴厩舎)で制し、自身初のダートグレード競走勝ちを挙げる。7番人気からの差し切りで、2着のセラフィックコールに2分の1馬身差をつけた。6月2日には全国の地方競馬のリーディング騎手が集まる地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップで3度目の総合優勝を果たし、8月に札幌で行われたワールドオールスタージョッキーズの地方代表にも選ばれた。2019年、2024年に続く3度目の選出だった。
6月3日の3900勝の際には「今年中には4000勝を」と口にしていた。宣言から約4か月、10月上旬での到達だった。
地方4000勝の17人 兵庫勢は5人目
地方通算4000勝以上の騎手は、10月7日の園田3R終了時点で次の17人となる。
| 順位 | 騎手 | 所属 | 現役/引退 | 地方通算勝利数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 的場文男 | 大井 | 引退 | 7424 |
| 2 | 佐々木竹見 | 川崎 | 引退 | 7151 |
| 3 | 石崎隆之 | 船橋 | 引退 | 6269 |
| 4 | 川原正一 | 兵庫 | 現役 | 5944 |
| 5 | 山口勲 | 佐賀 | 現役 | 5686 |
| 6 | 岡部誠 | 愛知 | 引退 | 5271 |
| 7 | 鮫島克也 | 佐賀 | 引退 | 5054 |
| 8 | 藤本匠 | 帯広 | 引退 | 4876 |
| 9 | 赤岡修次 | 高知 | 現役 | 4842 |
| 10 | 田中学 | 兵庫 | 引退 | 4745 |
| 11 | 桑島孝春 | 船橋 | 引退 | 4713 |
| 12 | 森泰斗 | 船橋 | 引退 | 4448 |
| 13 | 村上忍 | 岩手 | 現役 | 4357 |
| 14 | 有馬澄男 | 兵庫 | 引退 | 4185 |
| 15 | 菅原勲 | 岩手 | 引退 | 4127 |
| 16 | 下原理 | 兵庫 | 現役 | 4028 |
| 17 | 吉村智洋 | 兵庫 | 現役 | 4000 |
17人のうち兵庫所属は川原正一、田中学、有馬澄男、下原理に続いて吉村が5人目。兵庫生え抜きの騎手に限ると、田中学(現調教師)、下原理に次ぐ3人目になる。
年齢の面でも数字は目立つ。歴代2位の7151勝を挙げた佐々木竹見は32歳0か月6日で4000勝に届いており、吉村の41歳9か月11日はそれに続く2番目の若さだと、地方競馬全国協会(NAR)が発表している。
同じ日、息子はJpnIの舞台へ
偶然にも、節目の日はもう一つの大舞台と重なっていた。
JRAで騎乗する息子の吉村誠之助騎手(栗東・清水久詞厩舎)は2024年にデビューした若手で、10月7日夜に大井競馬場で行われたダート3歳三冠の最終戦、ジャパンダートクラシック(JpnI、ダート2000メートル)にチェリヴェントで出走した。結果は6番人気で3着。勝ったシルバーレシオから0秒8差、2着のワンダーディーンとは3馬身差で、父の4000勝と同じ日にJpnIで馬券圏内に入った。
吉村は息子について「息子がジョッキーなので格好悪いところは見せられないなとも思っています」と語り、今後については「けがなく、乗れるところまでは乗ろうと思います」と話した。
現役で吉村の上にいるのは、川原正一と山口勲、赤岡修次、村上忍、下原理の5人。すぐ上の下原とは、10月7日の3R終了時点で28勝差だ。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]









































































コメントはこちら