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若元春、33歳の誕生日に全日本力士選士権で初優勝 大の里・琴桜を破り「いい誕生日に出来ました」、三兄弟は?

若元春、33歳の誕生日に全日本力士選士権で初優勝 大の里・琴桜を破り「いい誕生日に出来ました」、三兄弟は?

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大相撲の第83回全日本力士選士権が10月5日、東京・両国国技館で行われ、幕内トーナメントは東前頭11枚目の若元春(33)=荒汐部屋=が初優勝した。この日がちょうど33歳の誕生日。2回戦で秋場所覇者の横綱大の里、準決勝で大関琴桜を寄り切り、決勝は宇良との平幕対決を上手投げで制した。平幕の優勝は2018年の阿武咲以来となった。

横綱・大関を寄り切り、決勝は宇良を上手投げ

若元春は1回戦から準決勝まで、すべての取組を寄り切りで勝ち上がった。山場は2回戦だ。相手は9月の秋場所を12勝3敗で制し、6度目の幕内優勝を飾ったばかりの横綱大の里。この一番も、若元春が寄り切って勝った。

関連記事:大の里、琴桜に突き落とされ3敗目 秋場所千秋楽結びで安青錦と直接対決、勝った方が優勝

準決勝では大関琴桜を下した。もう一方の準決勝は大関安青錦と宇良の顔合わせで、ここは宇良が勝って大関2人がそろって姿を消す。大関霧島は1回戦で藤青雲に敗れており、上位陣のうち決勝まで残った力士はいなかった。

決勝の相手、宇良(34)=木瀬部屋=は秋場所を東前頭9枚目で10勝5敗。若元春も同じ秋場所で10勝5敗と、星の数まで並ぶ2人の対戦になった。若元春は立ち合いから上手を引いて攻め込み、最後は上手投げで宇良を転がした。

全日本力士選士権は1925年の第1回から100年を超える歴史を持つ大会で、本場所とは別に、力士がトーナメント形式で一発勝負を重ねる。成績が番付に反映されることはない。とはいえ、横綱から平幕までが同じ土俵で勝ち抜きを争う珍しい舞台で、上位陣を連破しての優勝は目を引く。

3場所続けて休場している横綱豊昇龍は、土俵入りだけの参加だった。十両トーナメントは阿武剋が制した。

「いい誕生日に出来ました」、双葉山の名に「僕で良いのかな」

若元春は1993年10月5日、福島県福島市の生まれ。大会当日に33歳を迎え、優勝で自分の誕生日を祝った。

「本場所もこういう大会も優勝はしたことが無かったので、光栄なことです。いい誕生日に出来ました」。優勝後の取材で、若元春はそう喜びをかみ締めた。本場所での幕内優勝はまだなく、トーナメントでも頂点に立ったのは初めてだという。

優勝旗には歴代優勝者のしこ名が並び、その中に元横綱双葉山の名前もある。若元春の母方の祖父は、昭和20年代から30年代前半に活躍した元小結若葉山。現役時代は時津風部屋に所属し、師匠は双葉山だった。「双葉山関は僕も尊敬している。僕で良いのかなという思いもあるけど、頑張って、ここに名前を連ねることが出来て良かった」と、若元春は話した。祖父の師匠と同じ旗に名前が載る。思わぬ形で、家族の歴史がつながった。

33歳の1年については、はっきりした目標を口にしている。「33歳でしか取れない相撲をしっかり取り切って、この1年を良いものにしたい。33歳が一番良かったと言えるように」。年齢を重ねても、今の自分にしかできない相撲がある。その考えが言葉ににじむ。

小結で3勝12敗から立て直した秋場所

若元春は2011年九州場所で初土俵を踏み、2019年春場所で新十両、2022年初場所で新入幕を果たした。2023年初場所に新三役へ昇進し、最高位は関脇。左四つからの寄りを得意とし、日本相撲協会の公式プロフィールでも「ここだけは相撲界で自分がNo.1だと思うこと」に左四つを挙げている。

2026年は、1月の初場所こそ西小結で8勝7敗と勝ち越したものの、春場所から苦しい場所が続いた。3月の春場所は東小結で3勝12敗と大きく負け越し、5月の夏場所は東前頭5枚目で5勝10敗。7月の名古屋場所も東前頭8枚目で6勝9敗に終わり、番付は東前頭11枚目まで下がった。

流れが変わったのは9月の秋場所だった。10勝5敗と2桁勝利を挙げて勝ち越し、10月5日の選士権優勝へとつなげる。11月の九州場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎え、番付は秋場所の成績を受けて上がる見込みだ。大会翌日の10月6日からは巡業が始まった。

長兄・若隆元は若者頭に、末弟・若隆景は夏場所Vの後に大けが

若元春は、本名・大波の「大波三兄弟」の次男にあたる。3人のしこ名は、戦国武将・毛利元就の「三本の矢」の逸話にちなむ。先代の荒汐親方(元小結大豊)が、長男の若隆元に毛利隆元、次男の若元春に吉川元春、三男の若隆景に小早川隆景の名を取り、3人で力を合わせてほしいとの願いを込めて名付けた。

長兄の若隆元(34)は2009年九州場所で初土俵を踏み、最高位は2018年秋場所の東幕下7枚目。2026年3月の春場所で膝の前十字靱帯を断裂し、5月の夏場所限りで現役を退いた。日本相撲協会は5月27日に引退と若者頭への就任を発表している。若者頭は本場所や巡業、新弟子検査などの運営を担い、幕下以下の力士を指導する役職だ。

若隆元は2人の弟に番付で抜かれた後も、末弟の若隆景の付け人を務めてきた。師匠の荒汐親方(元幕内蒼国来)は「若隆元がいなかったら、若元春も若隆景もここまでやっていなかったかもしれません」と語っている。角界初の3兄弟同時関取は実現しなかったが、若隆元は「自分のためじゃなく3人でと。自分1人だったら、もっと早い段階であきらめていました」と明かした。

末弟の若隆景(31)は、5月の夏場所を東小結で12勝3敗とし、2度目の幕内優勝を果たした。関脇に復帰した7月の名古屋場所は大関昇進への足場固めと期待されたが、場所前の7月1日に左太ももの異常を訴え、神経まひなどを引き起こす「コンパートメント症候群」と診断されて緊急手術を受けた。名古屋場所を全休し、東前頭12枚目に下がった秋場所も2場所連続で全休したため、11月の九州場所では十両への転落が確実となった。9月24日には師匠の荒汐親方が、10月の秋巡業は休場して東京で治療とリハビリを続けると説明し、九州場所への出場は「まだ未定」としている。

兄が裏方として協会を支え、弟はけがからの復帰を目指す。そのなかで、次男の若元春が誕生日に優勝旗を手にした。

33歳の初タイトルを九州場所へ

選士権は本場所の星には数えられない。それでも、秋場所で12勝3敗の横綱と9勝6敗の大関を、ともに寄り切りで破った内容は確かだ。春場所の3勝12敗から半年。若元春は一度落ちた番付を、自分の相撲で取り戻しにいく。

大相撲のカードでは、2026年版のレギュラーカードとして若元春が収録されている。

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[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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